今日のテーマは接尾辞”-ance / -ence”!
動詞・形容詞・語根などの後ろに付いて、「〜すること・〜している状態・〜という性質」を表す名詞を作るパーツです。
「目に見えない動作や性質を、輪郭のある一つの“状態ボックス”へ入れる」というコアイメージをつかめば、acceptance・appearance・performance・importance・confidence・difference・presence・absenceなどをまとめて覚えられますよ!
例えば、”accept(受け入れる)”は動作を表す動詞ですが、”-ance”が付いた”acceptance”は、動作そのものを一つの名詞へ変えて「受け入れること・受諾」を表します。
また、”confident(自信を持っている)”から生まれた”confidence”は、その人が備えている「自信という状態・性質」です。
どちらになるかは、元になったラテン語・フランス語の形や、英語へ入った時期などによって決まっています。
意味だけで完全に判別するのではなく、important–importance、confident–confidenceのように、派生語の家族で覚えることが大切ですよ。
- 1 接尾辞”-ance / -ence”の意味とコアイメージ
- 2 ”-ance / -ence”が作る意味は4方向に整理できる
- 3 【早見表】”-ance”と”-ence”の違い
- 4 【一覧表】”-ance”を持つ代表的な英単語
- 5 【一覧表】”-ence”を持つ代表的な英単語
- 6 「行為・過程」を表す”-ance / -ence”
- 7 「状態・性質」を表す”-ance / -ence”
- 8 「存在・不在・関係」を表す”-ance / -ence”
- 9 「結果・現象・もの」へ意味が広がった単語
- 10 ”-ant / -ent”と”-ance / -ence”の関係
- 11 ”-ance / -ence”と”-ancy / -ency”の違い
- 12 ”-ance / -ence”と”-tion / -ment / -ity / -ness”の違い
- 13 ”-ance / -ence”の綴りを覚える方法
- 14 ”-ance”と”-ence”の発音は区別しにくい
- 15 可算名詞と不可算名詞の違いに注意する
- 16 ”-ance / -ence”名詞とよく使う前置詞
- 17 よく似た”-ance / -ence”単語の違い
- 18 ”-ance / -ence”で終わっても接尾辞とは限らない
- 19 接尾辞”-ance / -ence”の語源
- 20 接尾辞”-ance / -ence”を覚えるコツ
- 21 接尾辞”-ance / -ence”を持つ関連記事
- 22 接尾辞”-ance / -ence”に関するよくある質問
- 23 接尾辞”-ance / -ence”の意味・語源・覚え方のまとめ
接尾辞”-ance / -ence”の意味とコアイメージ
”-ance / -ence”は、動作・状態・性質・事実・結果などを表す抽象名詞を作る接尾辞です。
動詞が表す「動き」、形容詞が表す「特徴」を、文の中で人や物と同じように扱える名詞へ変えます。
動詞・形容詞・語根
「受け入れる」「異なる」「存在する」「重要である」
↓
-ance / -ence
その動作・性質へ輪郭を与え、一つの名詞として取り出す
↓
「〜すること・〜している状態・〜という性質」
そこで”-ance / -ence”が、目に見えない性質を箱へ入れ、confidence・importanceという名詞にします。
動詞の動きも同じで、”perform”という動作を箱へ入れれば”performance”という「実行・公演・出来栄え」になります!
”-ance / -ence”が作る意味は4方向に整理できる
大まかな意味の広がりとしては
行為・過程 ⇒「何かを実際に行うこと」=受容・援助・遂行・出席
状態・性質 ⇒「人や物がどのような状態にあるか」=自信・重要性・忍耐・能力
存在・関係 ⇒「そこにいる/いない、何かへ頼る・関係する状態」=存在・不在・依存・関連性
結果・現象・もの ⇒「動作によって現れた結果や具体物」=外見・実績・器具・発生率
と整理できます!
一つの単語が複数の方向へ意味を広げる場合もあります。
例えば”appearance”は「現れること」という行為のほか、現れた結果として目に入る「外見・容姿」も表します。
【早見表】”-ance”と”-ence”の違い
| 語尾 | 基本的な働き | 関係しやすい形 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| -ance | 行為・状態・性質を表す名詞 | -antと対応する語、動詞からできた語など | importance / resistance / acceptance |
| -ence | 行為・状態・性質を表す名詞 | -entと対応する語、動詞からできた語など | confidence / difference / existence |
”-ant → -ance”、”-ent → -ence”という対応は、綴りを覚える大きな手がかりになります。
●resistant → resistance
●reluctant → reluctance
●dominant → dominance
●relevant → relevance
●confident → confidence
●dependent → dependence
●different → difference
●patient → patience
●competent → competence
ただし、現代英語で毎回”-ant / -ent”を機械的に置き換えて作るわけではありません。
単語の歴史や綴りの変化が関係するため、意味の規則ではなく、単語家族を覚えるための対応表として使いましょう。
【一覧表】”-ance”を持つ代表的な英単語
| 英単語 | 学習上の構成 | 直訳イメージ | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| acceptance | accept(受け入れる)+-ance | 受け入れること・状態 | 受容・受諾・承認 |
| appearance | appear(現れる)+-ance | 現れること・現れた状態 | 出現・外見・容姿 |
| performance | perform(実行・上演する)+-ance | 実行・上演すること | 遂行・実績・公演・性能 |
| assistance | assist(手伝う)+-ance | 手伝うこと | 援助・支援 |
| attendance | attend(注意を向けて出席する)+-ance | 出席すること | 出席・出席者数 |
| importance | important(重要な)→importance | 重要である性質 | 重要性・重要さ |
| resistance | resist(抵抗する)+-ance | 抵抗すること・性質 | 抵抗・耐性・電気抵抗 |
| reluctance | reluctant(気が進まない)→reluctance | 後ろへ引かれている状態 | 気乗りしないこと・不本意 |
| dominance | dominant(支配的な)→dominance | 支配している状態 | 優勢・支配 |
| relevance | relevant(関係がある)→relevance | 話題へ関係する性質 | 関連性・妥当性 |
| variance | vary(変わる)+-ance | 変わってばらつく状態 | 相違・不一致・分散 |
| reliance | rely(頼る)+-ance | 頼っている状態 | 依存・信頼 |
| compliance | comply(従う)+-ance | 要求に従うこと | 遵守・順守・服従 |
| tolerance | tolerate(耐える)+-ance | 違い・負担に耐える性質 | 寛容・耐性・許容範囲 |
| maintenance | maintain(手で保つ)+-ance | 状態を保ち続けること | 維持・保守・整備 |
| endurance | endure(耐える)+-ance | 耐え続ける能力・状態 | 忍耐力・持久力 |
| insurance | insure(確実・安心にする)+-ance | 安心な状態にする仕組み | 保険・保険料 |
| allowance | allow(認める・与える)+-ance | 認められた量・与えられるもの | 手当・小遣い・許容量 |
| entrance | enter(入る)+-ance | 入ること・入る場所 | 入場・入口 |
| appliance | apply(目的へ当てる)+-ance | 特定目的へ適用する物 | 器具・家電製品 |
| circumstance | circum-(周囲に)+sta(立つ)+-ance | 自分の周囲に立つもの | 事情・状況・境遇 |
| significance | significant(意味・重要性がある)→significance | 意味や重要性を持つ性質 | 重要性・意味・有意性 |
【一覧表】”-ence”を持つ代表的な英単語
| 英単語 | 学習上の構成 | 直訳イメージ | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| confidence | confident(完全に信じている)→confidence | 自分・相手を信じている状態 | 自信・信頼 |
| difference | differ(異なる)+-ence | 異なっている状態 | 違い・差 |
| dependence | dependent(頼っている)→dependence | 何かへぶら下がって頼る状態 | 依存・依存関係 |
| independence | independent(依存しない)→independence | ほかへぶら下がらない状態 | 独立・自立 |
| patience | patient(耐えている)→patience | 落ち着いて耐える性質 | 忍耐・辛抱強さ |
| presence | present(目の前にある)→presence | その場に存在している状態 | 存在・出席・存在感 |
| absence | absent(離れている)→absence | その場から離れている状態 | 不在・欠席・欠如 |
| competence | competent(基準に合う能力がある)→competence | 役割の基準に合う能力 | 能力・適格性 |
| existence | exist(存在する)+-ence | 存在している状態・事実 | 存在・生存 |
| persistence | persist(最後まで続ける)+-ence | 続けて残る性質 | 粘り強さ・持続 |
| reference | refer(戻して関係付ける)+-ence | 別の情報へ戻して示すこと | 参照・言及・参考資料 |
| preference | prefer(前に置いて好む)+-ence | 一方を前に置く状態 | 好み・優先 |
| consequence | con-(共に)+sequ(続く)+-ence | ある出来事の後に続くもの | 結果・重大な影響 |
| experience | ex-(外へ)+peri(試す)+-ence | 実際に外へ出て試したこと | 経験・体験 |
| evidence | e-/ex-(外へ)+vid(見る)+-ence | 真実を外へ見える形にするもの | 証拠・根拠 |
| influence | in-(中へ)+flu(流れる)+-ence | 中へ流れ込んで変化を与える力 | 影響・影響力 |
| incidence | in-(中へ)+cid(落ちる)+-ence | ある範囲内へ出来事が起こること | 発生・発生率 |
| convergence | con-(共に)+verg(向かう)+-ence | 複数のものが一点へ向かうこと | 収束・融合 |
| convenience | con-(共に)+ven(来る)+-ence | 必要な物が一緒に来て都合がよい状態 | 便利・都合 |
| occurrence | occur(起こる)+-ence | 出来事が起こること | 発生・出来事 |
| inference | infer(中へ運び結論を出す)+-ence | 情報から結論を導くこと | 推論・推測 |
| silence | silent(音がない)→silence | 音がない状態 | 沈黙・静けさ |
「行為・過程」を表す”-ance / -ence”
acceptance|accept(受け入れる)+ -ance(こと)
”acceptance”は、提案・状況・人などを拒まず、自分の側へ受け入れる行為・状態です。
提案の「受諾」、社会や集団からの「承認」、変えられない現実を認める「受容」などを表します。
【例文】
・The proposal gained widespread acceptance.
(その提案は広く受け入れられた。)
・Acceptance of the situation took time.
(その状況を受け入れるには時間がかかった。)
assistance|assist(手伝う)+ -ance
”assistance”は、困っている人や進行中の作業のそばへ立ち、手助けすることです。
具体的な一回の手伝いより、援助・支援という抽象的な意味で使われることが多く、通常は不可算名詞です。
【例文】
・Please contact us if you need assistance.
(支援が必要な場合はご連絡ください。)
→ ”assistance”の意味とhelp・supportとの違いを確認する
performance|perform(実行・上演する)+ -ance
”performance”は、仕事を「実行すること」、舞台で「上演すること」、さらに実行した結果として現れる「成果・性能」を表します。
仕事の出来栄え・業績
●a live performance
生の公演・演奏
●engine performance
エンジンの性能
attendance|attend(注意を向けて出席する)+ -ance
”attendance”は、授業・会議・行事などへ出席すること、または出席した人数を表します。
”attendance at the meeting”で「会議への出席」、”school attendance”で「学校への出席状況」です。
convergence|一つの地点へ集まる過程
”convergence”は、別々の方向から進んできた線・考え・技術などが、同じ一点へ近づき収束することです。
「状態・性質」を表す”-ance / -ence”
importance|important(重要な)から生まれた名詞
”importance”は、人・物・問題などが持っている重要である性質・重要さです。
「重要な」と説明する形容詞”important”を、議論の主題として扱える名詞へ変えた形です。
【例文】
・We should understand the importance of regular maintenance.
(私たちは定期的な整備の重要性を理解すべきだ。)
confidence|confident(完全に信じている)から生まれた名詞
”confidence”は、自分の能力・判断・成功を信じている状態、または人・仕組みなどへの「信頼」を表します。
自分自身への自信
●confidence in the system
その制度への信頼
●with confidence
自信を持って
patience|patient(じっと耐えている)から生まれた名詞
”patience”は、待ち時間・困難・他人の失敗などへ、怒ったり諦めたりせずに落ち着いて耐える性質です。
通常は不可算名詞で、”have patience”や”with patience”の形で使います。
→ ”patient”の「忍耐強い」と「患者」の関係を確認する
competence|基準に合う能力・適格性
”competence”は、仕事・課題・役割を適切に行うための知識や技術があり、要求される基準へ十分に合っている状態です。
単なる才能ではなく、実務を行える「能力・適格性」を表します。
→ ”competence / competent”の意味・使い方を確認する
dominance|上から支配している状態
”dominance”は、人・集団・企業・遺伝的特徴などが、ほかより強い力を持って優勢・支配的である状態です。
reluctance|後ろへ引かれて気が進まない状態
”reluctance”は、何かをする必要は理解していても、心が後ろへ引っ張られ、積極的に動きたくない状態です。
”reluctance to do”で「〜することへの抵抗感・気乗りしなさ」を表します。
「存在・不在・関係」を表す”-ance / -ence”
presence|present(目の前にある)から生まれた名詞
”presence”は、人・物が特定の場所に存在している状態です。
人がその場にいる「出席」、周囲へ強く感じさせる「存在感」、物質が含まれている「存在」などを表します。
【例文】
・Your presence at the meeting is important.
(あなたが会議に出席することは重要です。)
・The test confirmed the presence of water.
(検査によって水の存在が確認された。)
→ ”present”の「現在・出席・贈る」がつながる理由を確認する
absence|absent(その場から離れている)から生まれた名詞
”absence”は、本来いるはずの人・存在するはずの物が、その場所から離れていて存在しない状態です。
人の「不在・欠席」、特徴や証拠の「欠如」を表します。
dependence・independence|ぶら下がっているか、いないか
”dependence”は、人・物・制度などが、ほかの力へぶら下がるように頼っている状態です。
否定の”in-”を付けた”independence”は、ほかへぶら下がらず、自分で立っている「独立・自立」を表します。
技術への依存
●financial independence
経済的自立
●Independence Day
独立記念日
→ ”dependent”の意味・語源を確認する
→ ”independent”の意味と前置詞ofの使い方を確認する
relevance|話題と関係している性質
”relevance”は、情報・経験・話題などが、今扱っている問題へ直接関係し、役に立つ性質です。
”relevance to A”で「Aとの関連性」を表します。
「結果・現象・もの」へ意味が広がった単語
appearance|現れることから「外見」へ
”appearance”の原点は、見えなかった人・物が姿を現すことです。
人が現れたときに最初に見える姿から、「外見・容姿」という意味へ広がりました。
→ 元の動詞”appear”の意味とseem・lookとの違いを確認する
→ 関連形容詞”apparent”の意味を確認する
variance|変わってばらついている状態
”variance”は、複数の値・意見・基準などが同じではなく、異なる状態へ散らばっていることです。
一般英語では「相違・不一致」、統計学では平均からのばらつきを表す「分散」を意味します。
→ ”variance”の意味とat variance withの使い方を確認する
incidence|出来事がある範囲内で発生すること
”incidence”は、病気・犯罪・事故などが、一定の期間や集団の中で新しく発生すること・発生する割合を表します。
単なる一件の出来事ではなく、統計的な「発生率」の意味で使われることが多い単語です。
→ ”incidence”の意味とincidentとの違いを確認する
appliance|行為名詞から具体的な「器具」へ
”appliance”は、もともと何かを目的へ「適用すること」に関係する語でした。
そこから、特定の目的に使うために適用・設計された「器具」、特に冷蔵庫や洗濯機などの「家電製品」を表すようになりました。
→ ”appliance”とdevice・equipmentの違いを確認する
→ 元の動詞”apply”のコアイメージを確認する
circumstance|周囲に立つ条件から「状況」へ
”circumstance”は、自分や出来事の周囲に立っている人・場所・条件などを表します。
それらが中心の出来事を取り巻き、現在の「事情・状況・境遇」を作ります。
→ ”circumstance”の意味・語源を詳しく確認する
→ 語根”sta(立つ)”を持つ英単語をまとめて確認する
”-ant / -ent”と”-ance / -ence”の関係
”-ant / -ent”は、「〜している性質の」という形容詞や「〜する人・もの」を作ります。
”-ance / -ence”は、その性質や状態を抽象名詞として取り出す働きを持つことが多くあります。
| 形容詞 | 名詞 | 意味の変化 |
|---|---|---|
| important | importance | 重要な → 重要性 |
| significant | significance | 重要な・意味がある → 重要性・意味 |
| dominant | dominance | 支配的な → 支配・優勢 |
| reluctant | reluctance | 気が進まない → 気乗りしなさ |
| confident | confidence | 自信がある → 自信 |
| different | difference | 異なる → 違い |
| dependent | dependence | 依存している → 依存 |
| patient | patience | 忍耐強い → 忍耐 |
| competent | competence | 能力がある → 能力・適格性 |
a confident speakerなら「自信のある話者」、the speaker’s confidenceなら「その話者の自信」です。
人を説明する札から、性質そのものを入れる箱へ切り替わっています。
”-ance / -ence”と”-ancy / -ency”の違い
”-ancy / -ency”も、「状態・性質」を表す名詞を作る近い仲間です。
空いている → 空き・欠員
●frequent → frequency
頻繁な → 頻度・周波数
●efficient → efficiency
効率的な → 効率
●urgent → urgency
緊急な → 緊急性
●occupant → occupancy
占有・居住する人 → 占有・稼働率
”-ance / -ence”と”-ancy / -ency”のどちらを使うかも、単語の歴史によって決まっています。
”important → importance”を”importancy”、”confident → confidence”を”confidency”へ自由に変えることはできません。
一部には”dependence / dependency”のように両方の形が存在しますが、使われる文脈や意味の焦点が異なる場合があります。
dependenceとdependencyの違い
どちらも「依存」を表しますが、”dependence”は依存している状態そのもの、”dependency”は依存関係・依存対象・技術上の依存要素など、ひとまとまりの関係や構造を表す場面で使われる傾向があります。
ただし、実際の用法には重なりがあるため、専門分野の慣用を確認してください。
”-ance / -ence”と”-tion / -ment / -ity / -ness”の違い
どれも名詞を作る接尾辞ですが、自由に交換できるわけではありません。
| 接尾辞 | 中心的な働き | 代表例 |
|---|---|---|
| -ance / -ence | 行為・状態・性質・事実 | acceptance / confidence |
| -tion | 行為・過程・作用・結果 | creation / communication |
| -ment | 行為・状態・結果・手段 | development / agreement |
| -ity | 形容詞が表す性質・状態 | ability / reality |
| -ness | 形容詞の意味を比較的透明に名詞化 | kindness / darkness |
どの接尾辞を使うかは、単語の歴史と慣用によって定着しています。
接尾辞の意味は初見語を推測する手がかりになりますが、正しい名詞形は派生語の家族として覚える必要があります。
”-ance / -ence”の綴りを覚える方法
①”-ant → -ance”、”-ent → -ence”の家族で覚える
reluctant – reluctance
dominant – dominance
confident – confidence
dependent – dependence
different – difference
②動詞と名詞を一組で覚える
appear – appearance
perform – performance
assist – assistance
exist – existence
persist – persistence
③”-y”が”-i-”へ変わる語がある
comply → compliance
apply → appliance
vary → variance
ただし、各語の形成史は同一ではありません。「yなら必ずi+ance」という完全な規則としてではなく、代表的な綴りの型として覚えましょう。
④子音字の数や母音が変化する語がある
refer → reference
prefer → preference
maintain → maintenance
enter → entrance
このような語は、単純に動詞へ”-ance / -ence”を追加した綴りにはなりません。
発音だけで判断せず、辞書・スペルチェック・派生語一覧で確認してください。
”-ance”と”-ence”の発音は区別しにくい
アクセントのない語尾では、”-ance”と”-ence”はどちらも多くの場合/əns/に近い弱い音になります。
confidence
performance
difference
いずれも語尾そのものへ強いアクセントを置かず、「アンス/エンス」と明確に読み分けないことが多い
そのため、音声を聞いただけで”-ance”か”-ence”かを完全に当てるのは困難です。
前の形容詞や動詞とセットで、目でも綴りを覚えましょう。
可算名詞と不可算名詞の違いに注意する
”-ance / -ence”名詞は抽象的な状態・性質を表すため、不可算名詞として使われるものが多くあります。
confidence / patience / importance / assistance
dependence / independence / resistance / relevance
have confidence
with patience
of great importance
ask for assistance
一方、出来事・種類・具体的な結果を数える場合は、可算名詞として使えます。
a difference / several differences
an appearance / three appearances
a performance / two performances
a reference / several references
an experience / many experiences
an occurrence / repeated occurrences
experienceは意味によって数え方が変わる
”experience”は、知識・技能として蓄積された「経験」なら不可算、一回ごとの「体験」なら可算です。
彼女には管理業務の経験がある
⇒蓄積された知識なので不可算
●It was an unforgettable experience.
それは忘れられない体験だった
⇒一回の出来事なので可算
→ ”inexperience”の意味と不可算名詞の使い方を確認する
”-ance / -ence”名詞とよく使う前置詞
| 表現 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| importance of A | Aの重要性 | the importance of safety |
| confidence in A | Aへの自信・信頼 | confidence in the system |
| difference between A and B | AとBの違い | the difference between the two |
| dependence on A | Aへの依存 | dependence on technology |
| independence from A | Aからの独立 | independence from foreign control |
| resistance to A | Aへの抵抗・耐性 | resistance to change |
| relevance to A | Aとの関連性 | relevance to the discussion |
| absence from A | Aからの不在・欠席 | absence from work |
| presence at / in A | Aへの出席・A内の存在 | presence at the meeting |
| consequence of A | Aの結果 | a consequence of the decision |
接尾辞で名詞だと分かった後は、その名詞がどの前置詞と結び付くかまで覚えると、ライティングで使いやすくなります。
→ ”consequence”の意味とas a consequence ofの使い方を確認する
→ ”consequence”と”sequence”の違いを確認する
よく似た”-ance / -ence”単語の違い
appearanceとpresenceの違い
見える場所へ現れること/現れた姿
⇒出現・外見
presence
特定の場所に存在している状態
⇒存在・出席・存在感
人が部屋へ入って姿を現す瞬間は”appearance”、入った後、その場にいる状態は”presence”と考えると区別しやすくなります。
performanceとcompetenceの違い
実際に仕事・演技などを行った結果
⇒出来栄え・成果・実績
competence
仕事を行うために備えている能力
⇒能力・適格性
能力があっても、その日の実績が悪い場合があります。持っている力が”competence”、実際に示された結果が”performance”です。
patienceとenduranceの違い
腹を立てず、落ち着いて待つ・耐える性質
endurance
苦痛・運動・困難を長時間耐え抜く力
待ち時間や他人への寛容さなら”patience”、肉体的・精神的な負荷を長く耐える能力なら”endurance”が使われやすいです。
existenceとpresenceの違い
そもそも現実に存在しているという事実
presence
特定の場所・状況の中に存在していること
未知の生命が「存在するか」は”existence”、部屋の中に生命反応が「あるか」は”presence”と考えると分かりやすくなります。
”-ance / -ence”で終わっても接尾辞とは限らない
単語の最後に”-ance / -ence”の文字が見えても、すべてを今回の名詞接尾辞へ分解できるわけではありません。
●dance
●chance
●France
●romance
●fence
●hence
●pence
これらは、現代英語で「前半+状態・性質を表す-ance / -ence」と機械的に分けても意味を説明できません。
また、”science・sentence・silence”などは歴史的にラテン語系の語尾と関係しますが、現在の英語で前半へ自由に”-ence”を付けて作った語ではありません。
名詞entranceと動詞entranceは別の単語
名詞の”entrance”は”enter”に関係し、「入ること・入口」を表します。
一方、動詞の”entrance”は「うっとりさせる・魅了する」という意味で、名詞の”trance(夢中・恍惚状態)”に関係する別語です。
建物への入口
●The audience was entranced by the music.
観客はその音楽に魅了された
綴りが同じでも、品詞・発音・語源が異なる場合があるため注意しましょう。
接尾辞”-ance / -ence”の語源
”-ance”は、中英語・アングロフランス語を経て、ラテン語の”-antia”に由来します。
”-ence”は、ラテン語の”-entia”に由来する形です。
ラテン語では、”-ant / -ent”に対応する現在分詞・形容詞が表す動きや性質を、状態・性質・行為を表す抽象名詞へ変えました。
ラテン語の現在分詞・形容詞
「〜している・〜する性質の」
↓
-antia / -entia
その動き・性質を名詞として取り出す
↓
フランス語・中英語を経て
-ance / -ence
↓
「行為・状態・性質・事実・結果」
英語はフランス語とラテン語の両方から多数の単語を受け入れたため、”-ance”と”-ence”の分布は複雑になりました。
そのため、現在の綴りを意味だけから完全に予測することはできません。
接尾辞”-ance / -ence”を覚えるコツ
①語尾を見て名詞の可能性を考える
⇒-ance / -enceなら、行為・状態・性質を表す名詞が多い
②前の動詞・形容詞を探す
⇒accept → acceptance
⇒confident → confidence
③「〜すること・〜である状態」を付ける
⇒differ + ence=異なっている状態=違い
④現在の具体的な意味への広がりを確認する
⇒appearance=現れること → 外見
⇒appliance=適用することに関係 → 器具
⑤綴り・数え方・前置詞を辞書で確認する
⇒-anceか-enceか、可算か不可算かまで確認
”acceptance”なら「受け入れる動作」の箱、”confidence”なら「自信という性質」の箱、”presence”なら「そこにいる状態」の箱です。
”-ance / -ence”を見たら、箱の中に何が入っているかを前のパーツから探しましょう!
接尾辞”-ance / -ence”を持つ関連記事
行為・過程を表す単語
assistance|手伝うこと・援助
convergence|一点へ集まること・収束
accept|acceptanceの元になる「受け入れる」
appear|appearanceの元になる「現れる」
状態・性質を表す単語
important|重要性を持つ
confident|自信を持っている
competence|基準に合う能力
reluctance|気乗りしない状態
variance|変わってばらつく状態
endurance|耐え続ける力
dominant|支配的な性質
存在・依存・関係を表す単語
present|目の前に存在する
absent|その場から離れている
dependent|何かへ頼っている
independent|何かへ依存していない
inexperience|経験がない状態
結果・現象・具体物へ広がった単語
appliance|特定目的に使う器具
incidence|出来事の発生・発生率
circumstance|周囲に立つ条件・状況
insurance|安心を確保する仕組み・保険
maintain / maintenance|状態を手で保つ
関連する語根・単語家族
sta|立つ
consequence|後に続いて起こる結果
sequence|順番に続く連なり
sequ / secut|続く
influence|内側へ流れ込む影響
接尾辞”-ance / -ence”に関するよくある質問
”-ance / -ence”の基本的な意味は何ですか?
動詞・形容詞・語根などの後ろへ付き、「〜すること・〜している状態・〜という性質」を表す名詞を作ります。結果・事実・具体物へ意味が広がる単語もあります。
”-ance”と”-ence”は意味によって使い分けますか?
基本的な働きはほぼ同じです。どちらになるかは元のラテン語・フランス語の形や単語の歴史によるため、意味だけでは完全に判別できません。
”-antなら-ance、-entなら-ence”と覚えてよいですか?
important–importance、confident–confidenceのように有効な対応です。ただし、すべての単語を現代英語で機械的に変換できる規則ではなく、単語家族を覚える手がかりとして使います。
”-ance / -ence”名詞は数えられますか?
confidence・patience・importanceなど、状態・性質を表す語は不可算になることが多いです。一方、difference・performance・appearance・referenceなどは、具体的な種類や出来事を可算名詞として数えられます。
”-ance”と”-ence”は発音で区別できますか?
アクセントのない語尾では、どちらも/əns/に近い弱い音になることが多く、発音だけで綴りを確実に判断するのは困難です。
接尾辞”-ance / -ence”の意味・語源・覚え方のまとめ
⇒動詞・形容詞・語根を抽象名詞へ変える
●中心的な意味
⇒「〜すること・〜している状態・〜という性質」
●意味の広がり
⇒行為・過程
⇒状態・性質
⇒存在・不在・関係
⇒結果・現象・具体物
●”-ance”と”-ence”の違い
⇒基本的な意味はほぼ同じ
⇒元の言語・語幹・歴史によって綴りが決まる
●単語家族の対応
⇒important–importance
⇒confident–confidence
⇒dependent–dependence
⇒patient–patience
●語源
⇒ラテン語”-antia / -entia”
●覚え方のコツ
⇒「目に見えない動き・状態・性質を、透明な名詞ボックスへ入れる」
他の接頭辞・語根・接尾辞・英単語の記事も、ぜひ確認してみてくださいね!
「Merriam-Webster.com Dictionary:-ance / -ence」
「Online Etymology Dictionary:-ance / -ence」
「The American Heritage Dictionary:-ance / -ence」
「南出康世(2014), ジーニアス英和辞典 第5版, 大修館書店」