今日のテーマは、動詞を名詞へ変える代表的な接尾辞”-ment”!
主に動詞の後ろへ付き、「〜すること」「〜された状態」「〜した結果・もの」を表す名詞を作るパーツです。
流れている動作を一度止め、行為・状態・成果として箱に入れて名前を付けると考えると、”move”から”movement”、”develop”から”development”になる仕組みを理解できますよ!
”move(動く)”は、実際の動作を表す動詞です。
そこへ”-ment”が加わると、”movement(動くこと・動き・運動)”となり、その動作自体を文の主語や目的語として扱える名詞になります。
「動く」=動詞
↓
move+-ment
「動くという行為・状態」
↓
movement
「動き・運動・活動」=名詞
この記事では、”-ment”を単なる名詞の目印として覚えるだけでなく、行為・過程・状態・結果・手段へ意味がどう広がるのか、綴りや数え方がどう変わるのかまで整理します。
- 1 接尾辞”-ment”の意味とコアイメージは「動作を一つの名詞として取り出す」
- 2 【全体マップ】-mentが表す4つの主な意味
- 3 1.「〜すること・行為」を表す-ment
- 4 2.「変化の過程・発達」を表す-ment
- 5 3.「動作後に成立した状態・関係」を表す-ment
- 6 4.「動作の結果・成果物・手段」を表す-ment
- 7 抽象名詞から具体的な人・組織・制度へ意味が広がる-ment
- 8 動詞へ-mentを付けるときの綴りパターン
- 9 -mentの発音|多くは弱い「メント」に近い音
- 10 -ment名詞は可算名詞?不可算名詞?
- 11 -mentと-ionの違い|どちらも行為・結果を名詞化する
- 12 -mentと-ingの違い|定着した名詞か、動作をそのまま名詞として扱うか
- 13 すべての動詞へ-mentを付けられるわけではない
- 14 -mentで終わっても名詞化接尾辞とは限らない
- 15 接尾辞-mentを見抜く4つのコツ
- 16 接尾辞”-ment”の意味・覚え方まとめ
- 17 接尾辞-mentについてよくある質問
接尾辞”-ment”の意味とコアイメージは「動作を一つの名詞として取り出す」
”-ment”は、主に動詞の後ろへ付き、「〜すること・〜された状態・〜した結果・そのための手段」を表す名詞を作る接尾辞です。
動詞が表す動作・変化
↓
その動きを一つの出来事・状態・成果として切り取る
↓
「その行為」「その状態」「そこから生まれた結果・もの」
paymentなら「支払うこと」だけでなく「支払額」、equipmentなら「備え付けられたもの=設備」、agreementなら「同意した結果=合意・協定」まで表します。
行為から、状態・結果・具体物へ意味が広がると考えてくださいね。
【全体マップ】-mentが表す4つの主な意味
| 意味のグループ | コアイメージ | 代表例 | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| 行為・活動 | 実際に〜すること | movement / payment / treatment | 動き・支払い・処置 |
| 過程・変化 | 変化が進んでいくプロセス | development / improvement / adjustment | 発展・改善・調整 |
| 状態・関係 | 動作後に成立した状態 | agreement / excitement / commitment | 合意・興奮・約束 |
| 結果・もの・手段 | 行為から生まれた成果物や道具 | achievement / equipment / endowment | 成果・設備・寄付財産 |
developmentのように「発展する過程」と「発展した結果」の両方を表す単語もあります。
動作を名詞として切り取った後、どこへ焦点を当てるかが違うだけなんです。
1.「〜すること・行為」を表す-ment
動詞が表す行動そのものを、一つの名詞として表す最も基本的なグループです。
●move → movement
動く → 動くこと=「動き・運動・活動」
●pay → payment
支払う → 支払うこと=「支払い」
●treat → treatment
扱う・処置する → 手を加えて扱うこと=「処置・治療・待遇」
●invest → investment
資金などを中へ置く → 投じること=「投資」
●argue → argument
主張する・論じる → 主張をぶつけること=「議論・主張」
●engage → engagement
関わる・約束する → 関わること・約束すること=「関与・婚約」
●encourage → encouragement
勇気づける → 励ますこと=「励まし・奨励」
→ paymentの意味・feeやfareとの違いを見る
→ treatmentの治療・待遇・処理の意味を見る
→ investの意味・語源を詳しく見る
→ argueの意味・argumentとの関係を見る
→ engageの意味・語源を詳しく見る
→ encourageの意味・使い方を詳しく見る
treatment|手を加えて扱うこと
+
-ment=その行為・結果
⇒病気へ手を加えて扱う=「治療」
⇒人をある方法で扱う=「待遇・扱い」
⇒物質へ処置を加える=「処理」
病人を扱えば治療、人をどのように扱うかなら待遇、水や廃棄物を扱えば処理になります。
日本語訳は違っても、動詞treatの行為を名詞化した点は共通しています。
2.「変化の過程・発達」を表す-ment
物事が良くなる、広がる、整うなど、変化が進んでいく過程を表します。
●develop → development
展開する・発達させる → 展開していく過程・結果=「発展・開発・発達」
●improve → improvement
より良くする → 良くなる過程・結果=「改善・向上」
●adjust → adjustment
ちょうど合うようにする → 合わせる過程・結果=「調整」
●replace → replacement
別のものを同じ場所へ置く → 取り替えること・代わりのもの=「交換・代替品」
●establish → establishment
しっかり立たせる → 制度・組織を成立させること=「設立・確立」
●involve → involvement
巻き込む・関係させる → 関わっている状態=「関与・参加」
→ developmentの意味・語源を詳しく見る
→ improveの意味・使い方を詳しく見る
→ improve・prove・approveの関係を見る
→ replaceの意味・語源を詳しく見る
→ establishの意味・使い方を詳しく見る
→ involveの意味・語源を詳しく見る
development|展開していく過程と、その成果
+
-ment=その過程・状態・結果
⇒能力や社会が展開する=「発達・発展」
⇒製品や土地を展開して作る=「開発」
⇒開発された計画・地域=「開発事業・開発地」
“the development of technology”なら技術が発達する過程、“a new housing development”なら開発された住宅地や事業を指せます。
”-ment”名詞は、抽象的な動作から具体的な成果物へ意味が広がることが多いんです。
3.「動作後に成立した状態・関係」を表す-ment
何かを行ったことで、人や物の間に新しい状態・関係が成立したことを表します。
●agree → agreement
同意する → 同意した状態・結果=「同意・合意・協定」
●commit → commitment
自分を差し出して約束する → 約束した状態=「約束・責任・献身」
●excite → excitement
興奮させる → 興奮している状態=「興奮・わくわく」
●enjoy → enjoyment
楽しむ → 楽しんでいる状態=「楽しみ・喜び」
●impair → impairment
機能を損なう → 損なわれた状態=「機能低下・障害」
●agree → agreement
考えが一つに合う → 合った状態や、その内容を記したもの=「契約・協定」
→ agreeの意味・使い方を詳しく見る
→ agreementとconsensusの違いを見る
→ commitの意味・語源を詳しく見る
→ enjoyの意味・使い方を詳しく見る
→ impairmentの意味・語源を詳しく見る
agreement|同意した結果として成立するもの
+
-ment=その状態・結果
⇒意見が合っている状態=「同意・一致」
⇒同意した内容を形にしたもの=「合意・協定・契約」
抽象的な「同意している状態」から、当事者が同意して成立させた具体的な「協定・契約」へ意味が広がっています。
文脈によって可算・不可算も変化しますよ。
4.「動作の結果・成果物・手段」を表す-ment
動作そのものではなく、その動作によって生まれた成果・物・設備などへ焦点が移るグループです。
●achieve → achievement
成し遂げる → 成し遂げた結果=「成果・達成」
●equip → equipment
必要なものを備える → 備えられたもの=「設備・備品」
●pay → payment
支払う → 支払ったもの・金額=「支払金・代金」
●endow → endowment
財産・能力を授ける → 授けられたもの=「寄付財産・基金・才能」
●appoint → appointment
日時・役割を指定する → 指定された予定・役職=「予約・任命」
●state → statement
はっきり述べる → 述べられた内容=「声明・明細書」
●require → requirement
必要とする → 必要とされるもの=「必要条件・要件」
→ equipmentの意味・不可算名詞の使い方を見る
→ endowmentの寄付財産・才能の意味を見る
→ statementとrestatementの関係を見る
→ requireの意味・使い方を詳しく見る
equipment|備え付ける行為から「備えられたもの」へ
+
-ment=結果・もの・手段
⇒必要なものが備え付けられた結果
⇒仕事や活動に使う「設備・備品・装備」
しかもequipmentは、通常は個々の道具を一つずつ数えず、設備全体をまとめて表す不可算名詞です。
一つの機器ならa piece of equipmentのように数えます。
抽象名詞から具体的な人・組織・制度へ意味が広がる-ment
”-ment”名詞は、行為・状態から、それを行う組織・制度・集団を指すようになる場合があります。
管理すること
⇒管理の方法
⇒組織を管理する人々=「経営陣」
●government
統治すること
⇒統治の仕組み
⇒統治する組織=「政府」
●establishment
設立すること
⇒設立された組織・施設
⇒社会で確立した支配層・体制
●department
分けて担当させることに由来する定着語
⇒組織内で分けられた「部門・学科・省」
●settlement
定住・解決すること
⇒定住地・和解・決済
「管理すること」から、「管理の仕組み」、さらに「管理する人々」へ意味が移っています。
”-ment=行為”だけに固定せず、文中で実際に何を指しているか確認しましょう。
動詞へ-mentを付けるときの綴りパターン
多くの語は比較的分かりやすく”-ment”を付けますが、すべてが機械的な足し算ではありません。
1.動詞の形をほぼそのまま残す
enjoy → enjoyment
pay → payment
invest → investment
commit → commitment
establish → establishment
2.語末のeを残すことが多い
agree → agreement
engage → engagement
replace → replacement
announce → announcement
arrange → arrangement
3.eが落ちたり、綴りが変わったりする例
judge → judgment / judgement
acknowledge → acknowledgment / acknowledgement
⇒地域・辞書によって認められる綴りが複数ある語もある
move–movement、argue–argument、judge–judgmentのように、動詞と名詞をペアで覚えるのが確実です。
-mentの発音|多くは弱い「メント」に近い音
接尾辞”-ment”は、多くの単語で強いアクセントを持たず、/mənt/に近い弱い音で発音されます。
agreement /əˈɡriːmənt/
payment /ˈpeɪmənt/
movement /ˈmuːvmənt/
⇒語尾のeを強い「エ」と読まず、軽い「マント/メント」に近い音になる
”-ment”は名詞化の役割を担いますが、発音では目立たず弱くなることが多いです。
単語全体のアクセントとセットで音声を確認してくださいね。
-ment名詞は可算名詞?不可算名詞?
”-ment”で終わる名詞だから、すべて同じ数え方になるわけではありません。
equipment / management / entertainment / employment
⇒設備・管理・娯楽・雇用を全体的な概念として扱う
数えられる代表例
an achievement / several achievements
「一つの成果・複数の成果」
an appointment / two appointments
「一件の予約・2件の予定」
a requirement / several requirements
「一つの要件・複数の条件」
意味によって変わる代表例
payment / agreement / development / investment
⇒行為・概念なら不可算的、個別の支払い・契約・事業・投資なら可算
抽象的な行為・状態を指すのか、個別の成果・契約・支払いを指すのかによって数え方が変わります。
辞書の可算・不可算表示と、実際の文脈を確認しましょう。
-mentと-ionの違い|どちらも行為・結果を名詞化する
| 接尾辞 | 中心的な働き | 代表例 |
|---|---|---|
| -ment | 動詞の行為・状態・結果・手段を名詞にする | develop→development / agree→agreement |
| -ion | 動詞の行為・過程・結果を名詞にする | decide→decision / introduce→introduction |
improveする行為・その結果=「改善」
decision
decideする行為・その結果=「決定」
⇒意味の働きは近いが、どちらの接尾辞を使うかは単語ごとに決まっている
英語として定着した組み合わせが決まっています。
”-mentと-ionは意味が近い”ことは推測の助けになりますが、実際の名詞形は動詞とセットで覚えてください。
-mentと-ingの違い|定着した名詞か、動作をそのまま名詞として扱うか
| 形 | 中心イメージ | 例 |
|---|---|---|
| -ment名詞 | 行為・状態・結果として語彙化された名詞 | development / agreement / payment |
| 動名詞-ing | 動詞の動作を、文法的に名詞として扱う | developing a new product / paying the bill |
「その製品を開発することには2年かかった」
⇒developingは目的語the productを伴う動名詞
The development of the product took two years.
「その製品の開発には2年かかった」
⇒developmentは名詞で、ofを使って対象を示す
動名詞は動詞らしさを残して目的語を取れますが、”-ment”名詞は冠詞・形容詞・複数形・of句などを使う普通の名詞として扱います。
すべての動詞へ-mentを付けられるわけではない
”-ment”は非常に便利な接尾辞ですが、動詞へ自由に付けて新しい名詞を作れるわけではありません。
decide → decision
× decidement
discuss → discussion
× discussment
grow → growth
× growment
arrive → arrival
× arrivement
choose → choice
× choosement
perform → performance
× performment
接尾辞は初見語を推測する道具ですが、自由な造語ルールではありません。
実際の名詞形を辞書で確認し、動詞と派生名詞をセットで覚えましょう。
-mentで終わっても名詞化接尾辞とは限らない
最後の4文字が”ment”に見えても、現代英語で「動詞+-ment」と単純分解できない単語があります。
●moment
⇒mo+-mentという「moすること」ではない
●element
⇒ele+-mentという動詞の名詞化ではない
●cement
⇒ce+-mentという行為名詞ではなく、「セメント・接着する」を表す一語
●lament
⇒la+-mentという接尾辞分解ではなく、「嘆く・嘆き」を表す一語
●document
⇒docu+-mentという現代英語の動詞+接尾辞としては分析しない
”-ment”を外したとき、本当に対応する動詞があり、意味が「その行為・結果」へつながるかを確認してください。
見た目がmentで終わることと、名詞化接尾辞-mentを持つことは別です。
接尾辞-mentを見抜く4つのコツ
1.まず「名詞かもしれない」と予想する
”-ment”で終わる語は、行為・状態・結果を表す名詞の可能性が高いと考えます。
2.元の動詞を探す
development→develop、agreement→agree、payment→payのように、どの動作を名詞化したのか確認します。
3.行為・状態・結果・もののどれかを判断する
movementは動き、agreementは合意状態、equipmentは備えられたものというように、文脈で焦点を見分けます。
4.数え方と派生語を確認する
equipmentは通常不可算、achievementは可算、paymentは意味で変わります。形容詞・動詞との家族も一緒に覚えます。
この順番なら、長い名詞でも品詞と意味をかなり絞れますよ!
接尾辞”-ment”の意味・覚え方まとめ
⇒主に動詞を名詞化する
●基本的な意味
⇒「〜すること・〜された状態・〜した結果・手段」
●コアイメージ
⇒「流れている動作を切り取り、行為・状態・成果として箱へ入れる」
●行為・活動
⇒movement / payment / treatment / investment
●過程・変化
⇒development / improvement / adjustment / establishment
●状態・関係
⇒agreement / excitement / commitment / impairment
●結果・もの・手段
⇒achievement / equipment / endowment / requirement
●綴りの注意
⇒move→movement / argue→argument / judge→judgment
●似た名詞化との違い
⇒-mentも-ionも行為・結果を表すが、使う接尾辞は単語ごとに決まる
●重要な注意
⇒すべての動詞へ付けられない/可算・不可算は意味で変わる/momentやelementは単純な動詞+-mentではない
moveを箱へ入れればmovement、developを入れればdevelopment、agreeを入れればagreementです。
その箱の中身が「行為」なのか「状態」なのか「結果・もの」なのかを確認すれば、初見の名詞も理解しやすくなりますよ!
接尾辞-mentについてよくある質問
接尾辞-mentの基本的な意味は何ですか?
主に動詞の後ろへ付き、「〜すること・〜された状態・〜した結果・そのための手段」を表す名詞を作ります。movement、development、agreementなどが代表例です。
-mentで終わる単語はすべて名詞ですか?
多くは名詞ですが、語尾の見た目だけで正しい接尾辞分解まで判断できるわけではありません。moment、element、cementなどは、現代英語の動詞へ名詞化接尾辞-mentを付けた語として単純には分解できません。
すべての動詞へ-mentを付けられますか?
いいえ。英語として定着した名詞形が決まっています。decideはdecision、discussはdiscussion、growはgrowthとなり、decidement・discussment・growmentとは通常言いません。
-mentと-ionの違いは何ですか?
どちらも行為・過程・状態・結果を表す名詞を作れます。意味の働きは近いものの、どちらを使うかは動詞・語源ごとに決まっており、自由に交換することはできません。
-ment名詞は可算名詞ですか、不可算名詞ですか?
単語と意味によって異なります。equipmentは通常不可算、achievementやappointmentは可算です。payment・agreement・developmentなどは、抽象的な行為か個別のものかによって数え方が変わります。
「Merriam-Webster.com Dictionary, -ment」
「Dictionary.com, -ment」
「Online Etymology Dictionary, -ment」
「南出康世(2014), ジーニアス英和辞典 第5版, 大修館書店」