【語源で覚える】接頭辞「in- / im- / il- / ir-」の意味と英単語一覧|「中に」と「否定」の違い

 
コダック
今日のテーマは接頭辞”in- / im- / il- / ir-”

実はこの接頭辞には、正反対に見える「中に・中へ」「〜でない・否定」という2つの意味があります。

「内側へ入れる」または「意味を反対にする」という2つのコアイメージを区別できれば、inspect・impress・inevitable・impossible・illegal・irregularなどをまとめて覚えられますよ!

 

”in- / im- / il- / ir-”は、英単語の中で非常によく登場する接頭辞です。

例えば、”inside”のin-は「中に」を表しますが、”indirect”のin-は「〜でない」を表します。

 
同じ”in-”なのに、「中に」と「否定」の両方になるの?意味が正反対でややこしいな…。
 
コダック
そうなんです!

見た目は同じでも、もともとは別の語源から生まれた2種類の接頭辞なんです。まず「中へ入る映像」と「打ち消しのバツ印」を分けて覚えましょう!

 

目次

接頭辞”in- / im- / il- / ir-”には2つの意味がある

接頭辞”in- / im- / il- / ir-”の意味は、大きく次の2種類に分けられます。

2つの”in-”のコアイメージ

in-①「中に・中へ・上に」
 ⇒外側から内側へ入る、内部に置く、対象の上に働きかけるイメージ
 ⇒inside / inspect / induce / impress / impose

in-②「〜でない・反対の・欠いている」
 ⇒後ろの単語の意味を打ち消し、反対の状態にするイメージ
 ⇒indirect / inevitable / impossible / illegal / irregular

 

 
コダック

イメージの違いとしては

in-①「中に」 ⇒「外から内側へ入っていく」=in / into / within / on
in-②「否定」 ⇒「後ろの意味にバツ印を付ける」=not / opposite of / without

といった感じです!

 
「中に入る矢印」か「意味を消すバツ印」かを考えればいいんだね。
 
コダック
その通りです!

まず後ろのパーツを確認し、「中に〇〇する」で意味が通るか、「〇〇ではない」で意味が通るかを試すと判別しやすくなりますよ。

 

なぜ”in-”が”im- / il- / ir-”に変わるの?

”im- / il- / ir-”は、意味の異なる別の接頭辞ではありません。

後ろに続く音へ合わせて、”in-”の最後のnが発音しやすい音に変化したものです。

このように、隣り合う音に引っ張られて発音が変わる現象を同化といいます。

綴りが変わる基本ルール

in-:基本形。多くの音の前で使用
 inside / indirect / inevitable

im-:主にb・m・pの前
 imbalance / immoral / impossible
 impress / immigration / impose

il-:lの前
 illegal / illogical / illegible
 illuminate

ir-:rの前
 irregular / irrelevant / irresponsible
 irradiate

 

 
コダック
例えば”in + possible”をそのまま続けて言うより、nを唇で作るmに変えて”impossible”とした方が、後ろのpへスムーズにつながります。

”in + legal”なら、nが後ろのlに寄って”illegal”。”in + regular”なら、nがrに寄って”irregular”になるわけです!

 
意味に合わせて形が変わるのではなく、後ろの音に合わせて変わるんだね。

 

【一覧表】”in- / im- / il- / ir-”を持つ英単語まとめ

英単語 構成パーツ 接頭辞の意味 主な意味
inside in-(中に)+side(側) 中に 内側・内部に
inspect in-(中を)+spect(見る) 中に 検査する
induce in-(中へ)+duce(導く) 中に 引き起こす・誘導する
ingredient in-(中に)+gredi(行く) 中に 材料・成分
instruction in-(中に)+struct(積み上げる) 中に 指示・教育
involve in-(中に)+volv(巻く) 中に 巻き込む・伴う
impress im-(中に)+press(押す) 中に 感銘を与える
impose im-(上に)+pose(置く) 上に 課す・押し付ける
immigration im-(内へ)+migration(移動) 中に 移民・入国
illuminate il-(中へ・上に)+lumin(光) 中に・上に 照らす・明らかにする
irradiate ir-(上に)+radi(光線) 上に 光を当てる・照射する
indirect in-(否定)+direct(まっすぐ) 否定 間接的な
inevitable in-(否定)+evitable(避けられる) 否定 避けられない
independent in-(否定)+dependent(依存した) 否定 独立した
impossible im-(否定)+possible(可能な) 否定 不可能な
immune im-(否定)+munis(義務・奉仕) 否定 免疫のある・影響を受けない
immediate im-(否定)+mediate(間にある) 否定 即座の・直接の
illegal il-(否定)+legal(合法の) 否定 違法な
illogical il-(否定)+logical(論理的な) 否定 非論理的な
irregular ir-(否定)+regular(規則的な) 否定 不規則な
irresponsible ir-(否定)+responsible(責任のある) 否定 無責任な

 

「中に・中へ」の意味を持つ代表的な英単語

inside|in-(中に)+ side(側)

”inside”は、境界線の内側を表す単語です。

”in-(中に)”と”side(側)”が合わさり、「中の側」から「内側・内部に」という意味になりました。

【例文】
・Please wait inside the building.
(建物の中で待ってください。)
・I looked inside the box.
(私は箱の中をのぞいた。)

”inside”の意味・使い方を詳しく確認する

inspect|in-(中を)+ spect(見る)

”inspect”は、表面を見るだけでなく、中までのぞき込んで詳しく見るイメージです。

そこから「検査する」「点検する」という意味になりました。

【例文】
・The mechanic inspected the engine.
(整備士はエンジンを点検した。)
・The officer inspected my passport.
(係員は私のパスポートを検査した。)

”inspect”の意味・覚え方を詳しく確認する

induce|in-(中へ)+ duce(導く)

”induce”は、人や物をある状態の中へ導き入れるイメージです。

人に行動を促す場合は「説得して〜させる」、ある結果の中へ導く場合は「引き起こす」という意味になります。

”induce”の意味・使い方を詳しく確認する

ingredient|in-(中に)+ gredi(行く)

”ingredient”は、料理や製品の中に入っていくものを表します。

そこから「材料・原料・成分」という意味になりました。

”ingredient”の意味・使い方を詳しく確認する

instruction|in-(中に)+ struct(積み上げる)

”instruction”は、人の頭の中に知識を積み上げるイメージです。

知識を教え込むことから「教育」、何をすべきかを頭へ入れることから「指示・説明書」という意味へ広がりました。

”instruction”の意味・使い方を詳しく確認する

involve|in-(中に)+ volv(巻く)

”involve”は、糸や布の中へ巻き込むイメージです。

そこから「人を出来事に巻き込む」「要素として含む」「関係させる」という意味につながります。

”involve”の意味・使い方を詳しく確認する

impress|im-(中に)+ press(押す)

”impress”は、印鑑を押すように、相手の心の中へ強い印を押し込むイメージです。

その結果、忘れられない印象を残すことから「感銘を与える」という意味になります。

【例文】
・Her speech impressed the audience.
(彼女の演説は聴衆に感銘を与えた。)

”impress”の意味・使い方を詳しく確認する
”impression”の意味・使い方を詳しく確認する

impose|im-(上に)+ pose(置く)

”impose”は、相手の上にルールや負担をドスンと置くイメージです。

そこから、税・制限・罰・義務などを「課す」「押し付ける」という意味になります。

”impose”の意味・使い方を詳しく確認する

immigration|im-(内へ)+ migration(移動)

”immigration”は、ある国の内側へ移動して入ってくることを表します。

同じ移動でも、出ていく側から見れば”emigration”、入ってくる側から見れば”immigration”です。

”immigration”の意味・使い方を詳しく確認する

 

「〜でない・否定」の意味を持つ代表的な英単語

indirect|in-(否定)+ direct(まっすぐな)

”indirect”は、まっすぐではないことを表す単語です。

目的地へ直接向かわず、途中に別の人・物・段階を挟むことから「間接的な」「遠回しな」という意味になります。

【例文】
・This is an indirect way of asking for help.
(これは遠回しに助けを求める方法だ。)
・The flight includes an indirect route through Seoul.
(その便はソウルを経由する間接ルートを含む。)

”indirect”の意味・使い方を詳しく確認する

inevitable|in-(否定)+ evitable(避けられる)

”inevitable”は、避けることができない状態を表します。

努力して逃れようとしても避けられないことから、「不可避の」「必然的な」という意味になります。

”inevitable”の意味・使い方を詳しく確認する

independent|in-(否定)+ dependent(依存した)

”independent”は、他の人や物へ依存していない状態です。

自分自身で立ち、判断し、行動できることから「独立した」「自立した」という意味になります。

”independent”の意味・使い方を詳しく確認する

inefficiency|in-(否定)+ efficiency(効率)

”inefficiency”は、十分な結果を効率よく作り出せていない状態です。

時間・お金・労力などに無駄があることから「非効率・能率の悪さ」を表します。

”inefficiency”の意味・使い方を詳しく確認する

inexperience|in-(否定)+ experience(経験)

”inexperience”は、実際に体験した経験を持っていないことです。

そこから「経験不足・未経験」という意味になります。

”inexperience”の意味・使い方を詳しく確認する

immune|im-(否定)+ munis(義務・奉仕)

”immune”は、もともと義務や負担を負わなくてよい・免除されている状態を表しました。

そこから、病気や悪影響を受けない「免疫のある」、批判や影響を受けない「無縁である」という意味へ広がっています。

”immune”の意味・使い方を詳しく確認する

immediate|im-(否定)+ mediate(間にある)

”immediate”は、二つのものの間に何もないイメージです。

時間の間がなければ「即座の」、人や物の間に仲介がなければ「直接の」、すぐ隣にあれば「最も近い」という意味になります。

”immediate”の意味・覚え方を詳しく確認する
”immediately”の意味・覚え方を詳しく確認する

illegal・illogical|il-はlの前で使う否定形

後ろの単語がlから始まると、否定の”in-”は”il-”へ変化します。

●illegal
 il-(〜でない)+legal(合法の)
 ⇒合法ではない=「違法な」

●illogical
 il-(〜でない)+logical(論理的な)
 ⇒論理的ではない=「非論理的な」

●illegible
 il-(〜でない)+legible(読むことができる)
 ⇒読むことができない=「判読できない」

irregular・irresponsible|ir-はrの前で使う否定形

後ろの単語がrから始まると、否定の”in-”は”ir-”へ変化します。

●irregular
 ir-(〜でない)+regular(規則的な)
 ⇒規則的ではない=「不規則な」

●irrelevant
 ir-(〜でない)+relevant(関連のある)
 ⇒関連がない=「無関係な」

●irresponsible
 ir-(〜でない)+responsible(責任のある)
 ⇒責任がない=「無責任な」

●irreversible
 ir-(〜でない)+reversible(元に戻せる)
 ⇒元に戻せない=「不可逆的な」

 

”in-”が「中に」か「否定」かを見分ける方法

同じ綴りだけを見ても意味を確定できないため、後ろのパーツと単語全体の意味を確認します。

見分ける3ステップ

①後ろのパーツだけの意味を確認する
 ⇒spect=見る、direct=まっすぐ、possible=可能な

②「中に・中へ」を付けて意味がつながるか試す
 ⇒in + spect=中を見る=検査する
 ⇒im + press=中に押す=印象を与える

③つながらなければ「〜でない」を試す
 ⇒in + direct=まっすぐではない=間接的な
 ⇒im + possible=可能ではない=不可能な

 

 
”important”は”im-”で始まるけど、「重要ではない」という意味ではないよね?
 
コダック
良いところに気付きました!

”important”の”im-”は否定ではなく、「中へ」の仲間です。語源上は”im-(中へ)+ port(運ぶ)”につながり、もともと「中へ運び込まれるほど価値や重みがある」イメージを持ちます。

”important”の意味・使い方を詳しく確認する

 

要注意!”inflammable”は「燃えない」ではない

2種類の”in-”があることを知らないと、意味を反対に解釈してしまう単語があります。

代表例が”inflammable”です。

 
”in-”が否定なら、「燃えない」という意味じゃないの?
 
コダック
ここでは否定の”in-”ではありません!

”inflammable”は、火の状態へ入れる・燃え上がらせることから、「燃えやすい」という意味です。”flammable”とほぼ同じ意味なので注意してください。

●flammable=燃えやすい
●inflammable=燃えやすい
●nonflammable / non-flammable=燃えにくい・不燃性の

 

否定の”in-”と”un-”の違い

”in-”と”un-”は、どちらも「〜でない」という否定を作ります。

ただし、好きな単語へ自由に付け替えられるわけではありません。

 
コダック

大まかな傾向としては

in- / im- / il- / ir- ⇒「ラテン語・フランス語系の単語に多い
un- ⇒「英語本来の語や、現代英語で自由に作られた語に多い

といった違いがあります!

一般的な形 不自然・通常使わない形
incorrect uncorrect
impossible unpossible
illegal unlegal
irregular unregular
unhappy inhappy
unfair infair
unknown inknown

ただし、どちらを使うかを完全に予測できる単純な規則はありません。単語ごとに一般的な形を覚える必要があります。

 

”in- / im- / il- / ir-”の語源

見た目が同じ2種類の”in-”は、異なるラテン語のパーツに由来します。

2種類の”in-”の語源

「中に」を表すin-
 ⇒ラテン語”in”(中に・中へ・上に)
 ⇒さらに印欧祖語の「中に」を表すパーツへつながる

「否定」を表すin-
 ⇒ラテン語”in”(〜でない・反対の・欠いている)
 ⇒さらに印欧祖語の「not」を表すパーツへつながる

●どちらのin-も後ろの音に同化する
 ⇒in- / im- / il- / ir-の形になる

 

つまり、英語で偶然同じ綴りになったのではなく、ラテン語の段階ですでに「中に」と「否定」という2種類の”in-”が存在していました。

 
コダック
見た目が同じ双子のような接頭辞ですが、出身は別々!

単語を見たら、「中に入る双子」なのか「意味を打ち消す双子」なのかを見極める感覚で覚えてくださいね。

 

”in- / im- / il- / ir-”を持つ関連記事

 

接頭辞”in- / im- / il- / ir-”の意味・語源・覚え方のまとめ

以下、接頭辞”in- / im- / il- / ir-”についてのまとめです。

●”in- / im- / il- / ir-”には2種類ある
 ⇒「中に・中へ・上に」
 ⇒「〜でない・反対の・欠いている」

●綴りは後ろの音に合わせて変化する
 ⇒in-:基本形
 ⇒im-:主にb・m・pの前
 ⇒il-:lの前
 ⇒ir-:rの前

●見分け方
 ⇒「中に〇〇する」で意味が通るか確認
 ⇒通らなければ「〇〇ではない」を試す

●覚え方のコツ
 ⇒「内側へ向かう矢印」と「意味を消すバツ印」の2つの映像で区別する

 

 
コダック
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【まとめ・各単語の覚え方】英単語の効率的な覚え方【語源と絡めて記憶力アップ】

参考文献
「Merriam-Webster Dictionary:in-」
「The American Heritage Dictionary:in-」
「Online Etymology Dictionary:in- / il- / ir-」
「Merriam-Webster:Flammable / Inflammable」
「南出康世(2014), ジーニアス英和辞典 第5版, 大修館書店」