「in-(中に)」+「duce(導く)」の2パーツで構成されている単語です。
「中へ導き入れる」がコアイメージで、ここから“induce“=「(ある状態を)誘発する」「仕向けて~させる」という意味に繋がっていくんですよ!
”induce”の意味と使い方 コアイメージは「中へ導き入れる」
”induce(発音:インデュース/ɪnd(j)úːs)”は「(ある状態を)誘発する」「仕向けて~させる」という意味を持つ単語です。
「in-(中に)」+「duce(導く)」の2パーツから成り立っており、「中へ導き入れる」がコアイメージです。
また、人をある行動へと導くことから、”その気にさせて~させる(仕向ける)”という意味にも展開するわけですね!

”induce”は「直接的に力づくで何かを起こす」のではなく、「何らかの要因が作用して、自然とその状態や行動へ向かわせる」というニュアンスが強いのが特徴です。
「無生物(薬など)が主語のときは、『〜のせいで(眠く)なる』と訳すと、とても自然な日本語になりますよ!」
このように”induce”は、「ある要因によって結果的にその状態や行動が引き起こされる」場面でよく使われます。
日常会話やビジネスでは、似たような意味を持つ他の単語(cause や persuade など)との使い分けが大切になってくるので、それぞれの違いを見ていきましょう!
例文
The medicine may induce drowsiness.
(その薬は眠気を誘発するかもしれない。)※参考・例文引用「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
”induce”の関連語①:「引き起こす」を意味する単語”cause/trigger”
代表的なのは ”cause” や ”trigger” ですが、それぞれ引き起こし方のイメージが違います。
⇒「引き起こす」の意味を持つ単語”cause/trigger”
ニュアンスの違いを簡単にまとめると、以下のようなイメージです!
induce ⇒「ある状態へ導く」=特定の要因が働いて、その状態を誘発する
cause ⇒「原因となる」=直接的な原因として、その結果を(多くは悪いことを)もたらす
trigger ⇒「引き金を引く」=ある出来事がきっかけとなり、急激に事態を引き起こす
といった感じです!
●The pill induced sleep.
「その薬は眠気を誘発した」
⇒ 薬の成分が体に働きかけ、優しく眠りの状態へと”導き入れた”イメージ
●The storm caused severe damage.
「その嵐は深刻な被害を引き起こした」
⇒ 嵐という”直接の原因”が、ダイレクトに被害という結果を生み出したイメージ
●His remark triggered a fight.
「彼の発言が喧嘩を引き起こした」
⇒ 発言がまさに”引き金(きっかけ)”となって、突発的に喧嘩が始まったイメージ
”induce”の関連語②:「説得して~させる」を意味する単語”persuade/convince”
”induce O to do” は「Oをその気にさせて〜させる」ですが、”persuade” や ”convince” とはどう違うのでしょうか?
⇒「説得する・~させる」の意味を持つ単語”persuade/convince”
それぞれの違いのイメージはこちらです!
induce ⇒「ある行動へ導く」=影響を与えたり、条件を提示したりして(その気にさせて)行動させる
persuade ⇒「説得して行動させる」=言葉や理屈を尽くして相手を納得させ、実際の行動を起こさせる
convince ⇒「確信させる」=議論や証拠で相手の「心・頭」を納得させる(※行動を伴うとは限らない)
といったニュアンスになります。
●Nothing could induce him to change his mind.
「何事も、彼に考えを変えるよう仕向けることはできなかった」
⇒ どんな好条件や影響を持ってしても、彼を「その気」にさせられなかったイメージ
●I persuaded him to go to the doctor.
「私は彼を説得して、医者に行かせた」
⇒「行ったほうがいいよ」と言葉を尽くして話し合い、”実際に行動させた”イメージ
●I convinced him that I was right.
「私は自分が正しいと彼に納得させた(確信させた)」
⇒ 証拠などを示して、彼の「頭・心の中」で正しいと信じ込ませたイメージ
”induce”の重要な語法・文法チェック!

”induce”を使う上で、特に長文読解や作文で狙われやすい重要な文法パターンが2つあります!
「induce + O + to do」の形です!
形によって「引き起こす」か「~させる」かニュアンスが変わるので、整理して覚えましょう!
① induce + 名詞(目的語):「~を誘発する・引き起こす」
後ろにそのまま名詞(病気、状態、現象など)を続けて、「ある結果を招く」という意味で使います。主語には「原因となるもの(無生物)」が来ることが多いです。
例文
High stress can induce heart disease.
(高いストレスは心臓病を誘発する可能性がある。)The marketing campaign induced a surge in sales.
(そのマーケティングキャンペーンが売上の急増を引き起こした。)
② induce + O(人など) + to do(動詞の原形):「Oを説得して~させる・仕向ける」
「O(目的語)を導いて、~する気にさせる」というパターンです。「induce + 人 + to + 動詞」の形で、人をある行動へと緩やかに誘導するイメージですね。
例文
Nothing could induce her to change her job.
(何ものも彼女に転職するよう説得する(仕向ける)ことはできなかった。)The low interest rates induced many people to buy houses.
(低金利が多くの人々を家を買うよう仕向けた。)
「Oを~の中へ導き入れる」というコアイメージを持っていれば、矢印(⇒)の方向性を表す「to」が後ろに続くのも納得がいきますよね!
”induce”の語源はラテン語indūcere 意味は「中に導く」

”induce”をより深く、そして一発で記憶に焼き付けるために、言葉の歴史(語源)を紐解いてみましょう。
この単語は、今から何百年も昔のラテン語 ”indūcere(中に導く)” という言葉が形を変えて現代に伝わったものです。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には、”induce”の起源について次のような興味深い記録が残されています。
Origin of induce
First recorded in 1325–75; Middle English, from Latin indūcere “to lead or bring in, introduce,” equivalent to in- in- 2 + dūcere “to lead”; cf. adduce, deduce, reduce日本語訳:1325~75年に初出。中英語、ラテン語の「中へ導く、もたらす、紹介する」を意味するindūcereから。in-(中に)+dūcere(導く)に相当。参照:adduce, deduce, reduce
※参考・引用「Dictionary.com」
Dictionary.comの解説にある通り、この単語が英語の歴史に登場したのは14世紀(1325〜1375年頃)の中英語の時代です。もともとは「人や物をある場所の内側へ連れてくる、あるいは新しい概念を導入する」という意味で使われ始めました。
ラテン語の時代から、「境界線を越えて、中へと(in-)引っ張って導く(dūcere)」という物理的なイメージを持っていたわけですね。これが時代を経て、物理的な移動だけでなく、「ある状態(眠気など)へ導く = 誘発する」や、「ある行動へと心を導く = 説得して〜させる」という、抽象的で心理的な意味へと進化していきました。
1. 古代ラテン語の誕生
「in-(中に)」 + 「dūcere(導く・引っ張る)」
↓
2. ラテン語 indūcere(中へ導き入れる・紹介する)
物理的に「中に連れてくる」という意味が基本でした。
↓
3. 14世紀:中英語 induce(引き起こす、導く)
英語に取り入れられ、次第に「人の心を特定の状態や行動へ連れていく」という現在のニュアンスへ発展!
例えば、de-(下に)+duce(導く)で「(前提から答えを)引き下ろす = 推論する(deduce)」になります。語源の繋がりが見えると、英単語のネットワークが一気に広がってワクワクしませんか?
構成パーツで覚える”induce” 「in-」+「duce」

ここからは、英単語の記憶をより強固にするために、構成パーツ(接頭辞と語根)の面から”induce”を徹底解剖していきましょう!
”induce”は、「in-(中に)」という接頭辞と、「duce(導く)」という語根(パーツ)の2つが合体してできた単語です。
それぞれのパーツが持つ本来の意味や、同じパーツを持つ仲間の単語を詳しく知ることで、1つの単語から何倍もの語彙を芋づる式に増やすことができますよ!
”in-”は「中に・〜の方向へ」を意味する重要パーツ
接頭辞の”in-”は、イメージ通り「中に」「内側へ」「〜の方向へ飛び込む」という空間的な動きや状態を表すパーツです。
単に「中にある」だけでなく、「外から中へと引き入れる」という動的なニュアンスをプラスする役割を持っています。
これは「in-(中に)」+「come(来る)」の2つのパーツで構成されています。
自分の懐(ふところ)の「中に入ってくるもの」だからこそ、「収入」や「所得」という意味になるわけですね!
その他にも、”in-”の持つ「中へ」のイメージは多くの基本単語に息づいています。
- inside(内側):in(中に)+side(側)=内側の面
- include(含める):in(中に)+clude(閉じる)=中に閉じ込める ⇒「含める・算入する」
- insight(洞察力):in(中を)+sight(見る)=物事の内部を見抜く目 ⇒「洞察・直感」
このように、”in-”がついた単語を見たら「何かを内側へ向かわせているんだな」とイメージするのがポイントです!
”duce(duct)”は「導く・引き出す」を意味する超重要語根
語根の”duce(変形して duct となることもあります)”は、ラテン語の「導く(lead)」を起源に持つ、英語の中でもトップクラスに重要なパーツです。
「人や物をある方向へ引っ張っていき、導く」、あるいは「隠れているものを外へ引き出す」という強いエネルギーを持ったイメージです。
これは「pro-(前に、前方に)」+「duce(導く)」で構成されています。
原材料やアイデアを「人々の前に導き出す」というコアイメージから、「生産する・生み出す・(映画などを)制作する」という意味に発展しているんですよ!
この”duce(duct)”というパーツのすごいところは、前にくっつく接頭辞が変わるだけで、以下のように大学受験やビジネスに必須の重要単語が次々と作られる点です。
一緒に覚えてしまうと効率が劇的にアップしますよ!
・introduce(紹介する・導入する)
= intro-(内側へ)+ duce(導く)
⇒ 人のコミュニティや組織の「内側へと導き入れる」ことから、「紹介する・導入する」となります。
・reduce(減らす)
= re-(後ろへ、元へ)+ duce(導く)
⇒ 量や規模を「後ろへ(元の位置まで)引き戻す」イメージから、「減らす・削減する」という意味になります。
・educate(教育する)
= e-(外へ:ex-の変形)+ ducate(導き出す)
⇒ 子どもたちの内側にある才能や可能性を「外へと引き出す」こと。これこそが「教育(education)」の語源の本質です。
・deduce(推論する)
= de-(下へ・離れて)+ duce(導く)
⇒ 一般的な前提や事実から、結論を「下へと導き下ろす」ことから、論理的に「推論する・演繹(えんえき)する」という意味になります。
・conductor(車掌・指揮者・導体)
= con-(共に)+ duct(導く)+ or(する人・もの)
⇒ 人々を「共に(一つに)まとめ導く人」だから「(オーケストラの)指揮者」や「(列車の)車掌」。電気を共に導くものだから「導体」という意味になります。
いかがでしょうか?
「in-(中に)」+「duce(導く)」=『ある状態の中に、無理なくスッと導き入れる』という”induce”のコアイメージが、パーツの組み合わせによって、より鮮明に、立体的に理解できたのではないでしょうか。
単語を丸暗記するのではなく、このように構成パーツに分解して理解していくことこそが、ネイティブの感覚に近づく最短ルートです!
”induce”の意味と語源・覚え方のまとめ

以下、”induce”の意味と覚え方についてのまとめです。
⇒コアイメージは「中へ導き入れる」
⇒”induce”=「誘発する」「説得して~させる」の意味
●語法・文法のポイント ⇒「induce O to do」で「Oを説得して~させる(その気にさせる)」。薬が眠気を誘発するような、自然にある状態へ導くイメージを意識する。
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!