【語源で覚える】接頭辞「pro-」の意味と英単語一覧|「前へ・前もって・賛成して」をコアイメージで解説

 
コダック

今日のテーマは接頭辞”pro-”

「前へ」「前もって」「〜のために・賛成して」という意味を持つ、とても重要なパーツです。

「人・物・考えを前面へ押し出す」というコアイメージで考えると、”progress”や”provide”、”protest”、”pro-democracy”などが一本につながりますよ!

 

”progress(前進する)”、”prospect(見通し)”、”provide(提供する)”、”protest(抗議する)”。

日本語訳だけを見ると、あまり関係のない単語に見えます。

しかし、これらには共通してpro-という接頭辞が含まれ、何かを前へ進める・前方へ出す・人前に示すという方向性を加えています。

さらに現代英語では、”pro-democracy(民主主義支持の)”のように、ある考えを前面に立てて支えることから「〜に賛成して・〜を支持する」という意味でも使われます。

この記事では、接頭辞”pro-”の意味の広がりを、サイト内の個別記事へのリンクと一緒に整理していきます。

 

接頭辞”pro-”の意味とコアイメージは「前面へ押し出す」

 

接頭辞”pro-”は、ラテン語やギリシャ語の「前に・前方へ・〜のために」を表す語に由来するパーツです。

中心にあるイメージは次の通りです。

接頭辞”pro-”のコアイメージ

人・物・考えを、後ろから前面へグッと押し出す

⇒空間的に「前へ・前方に」進む
⇒時間的に「前もって・あらかじめ」行う
⇒人前へ出して「公に」示す
⇒ある人・考えを前面に立てて「支持する・賛成する」
⇒人や物の「代わりに・〜のために」働く

 

 
「前へ」と「賛成して」って、かなり違う意味に見えるけど?
 
コダック
応援したい人や意見を、後ろへ隠さず前面に立てると考えてみてください!

人や考えを前へ押し出して味方することから、「〜のために・〜に賛成して」という意味につながるんです。

 

【全体マップ】pro-の5つの意味の広がり

 

意味のグループ コアイメージ 代表例 主な意味
前へ・前方に 物や動きを前へ進める progress / promote / produce 前進する・促進する・生み出す
前もって・先を見て 出来事より先に前方を見る provide / prospect / prompt 提供する・見通し・迅速な
人前で・公に 内側の意見を前面へ出す proclaim / profess / protest 宣言する・公言する・抗議する
〜のために・賛成して 考えや立場を前面に立てて支える pro-democracy / pro-environment 民主主義支持の・環境保護支持の
代わりに・代理として 本人の前に立って役割を担う pronoun / proconsul 代名詞・代理執政官

 

 
コダック
最初から5つを別々に暗記する必要はありません!

まずは「前面へ押し出す」を覚えましょう。
場所なら「前へ」、時間なら「前もって」、意見なら「公に」、立場なら「賛成して」へ意味が広がりますよ。

 

pro-=「前へ・前方に」を持つ英単語

 

もっとも基本的なのが、人や物、動作を前方へ進めるpro-です。

pro-=「前へ」の代表単語

●progress=pro-(前へ)+gress(進む)
⇒前へ進んでいく=「進歩する・前進する」

●procedure=pro-(前へ)+ced / cess(進む)+-ure
⇒順番に前へ進める流れ=「手順・手続き」

●promote=pro-(前へ)+mote / move(動かす)
⇒人や物を前へ押し出す=「促進する・昇進させる」

●produce=pro-(前へ)+duce(導く)
⇒中にあるものを前へ導き出す=「生産する・生み出す」

●project=pro-(前へ)+ject(投げる)
⇒考えや物を前方へ投げ出す=「計画する・投影する」

progressiveの意味・使い方を詳しく見る
procedureの意味・使い方を詳しく見る
promotionalの意味・使い方を詳しく見る

 

progress / procedure / promoteの違い

3語とも「前へ」のpro-を持ちますが、前進するものが違います。

3語のイメージの違い

progress⇒自分・物事が前へ進んでいく=進歩・前進

procedure⇒作業を決められた順番で前へ進める=手順・手続き

promote⇒人・商品・活動を他の力で前へ押し出す=促進する・昇進させる

 

 
自分で進むのか、順序を進めるのか、誰かを押し出すのかが違うんだね。
 
コダック
その通りです!
同じpro-でも、後ろのgress(進む)・ced(進む)・mote(動かす)を見ると違いがはっきりしますよ。

 

prominent|前へ突き出ているから「目立った」

”prominent”は、pro-(前へ)+min(突き出る)+-ent(性質)の組み合わせです。

建物や山などが周囲より前へグッと突き出ているイメージから、人や特徴が「目立った・著名な・重要な」という意味になります。

prominentの意味・使い方を詳しく見る

 

pro-=「前もって・先を見て」を持つ英単語

 

空間的な「前」は、時間の流れでは「出来事が起きる前・あらかじめ」という意味へ広がります。

pro-=「前もって」の代表単語

●provide=pro-(前を・前もって)+vide(見る)
⇒先を見越して必要な物を準備する=「提供する・備える」

●prospect=pro-(前方を)+spect(見る)
⇒これから先を見渡す=「見通し・将来性」

●prompt=pro-(前へ)+empt / mpt(取り出す)
⇒必要になる前から取り出して準備しておく=「迅速な・促す」

●prohibit=pro-(前に)+hibit / habere(持つ・保つ)
⇒前へ立ちはだかって行動を止める=「禁止する」

●provision=pro-(前を)+vision(見ること)
⇒先を見て用意すること=「準備・供給・規定」

provideの意味・使い方を詳しく見る
prospectの意味・使い方を詳しく見る
promptの意味・使い方を詳しく見る
語根spect / spec(見る)のハブ記事を見る

 

 
provideが「見る」から「提供する」になるのが不思議だな。
 
コダック
旅行へ出る前に、先の天気や必要な物を考えて準備する場面を想像してください。

前もって見ることは、困らないように必要な物を用意して与えることにつながります。そこから「提供する」へ意味が広がったんですよ!

 

pro-=「人前へ・公に」を持つ英単語

 

心の中にある声や考えを、前面へ出して人々に示すpro-です。

pro-=「人前へ・公に」の代表単語

●proclaim=pro-(前へ・公に)+claim(叫ぶ)
⇒人前へ声を出して知らせる=「宣言する」

●profess=pro-(前へ・公に)+fess / fat(話す・認める)
⇒自分の考えや信仰を公に述べる=「公言する・自称する」

●pronounce=pro-(前へ)+nounce(知らせる)
⇒音や判断を人前へ出す=「発音する・宣告する」

●protest=pro-(前で・公に)+test(証言する)
⇒人前で自分の立場を証言する=「抗議する・主張する」

●provoke=pro-(前へ)+voke(呼ぶ)
⇒感情や反応を前へ呼び出す=「挑発する・引き起こす」

protestの意味・使い方を詳しく見る
protesterの意味・使い方を詳しく見る
provokeの意味・使い方を詳しく見る
語根voc / voke(声・呼ぶ)のハブ記事を見る

 

protestは「賛成」ではなく「抗議」になるのはなぜ?

”protest”のpro-は、現代の”pro-democracy”のような「賛成して」を直接表すわけではありません。

語源的には、自分の立場を人前で公に証言することが中心です。

 
proが付いているのに、「賛成する」ではなく「反対して抗議する」こともあるんだね。
 
コダック
そうなんです!
protestでは、何に賛成しているかではなく、自分の主張を前へ出して公に証言する点が重要です。

単語の意味は、接頭辞だけでなく後ろの語根との組み合わせで決まりますよ。

 

pro-=「〜に賛成して・〜を支持する」の使い方

 

現代英語では、pro-を名詞や形容詞の前に付けて、「〜に賛成している・〜を支持する」という立場を表せます。

「支持する」を表すpro-の例

●pro-democracy
「民主主義を支持する・民主化支持の」

●pro-environment
「環境保護を支持する・環境保護寄りの」

●pro-business
「企業活動やビジネスに好意的な」

●pro-reform
「改革に賛成する・改革推進の」

●pro-government
「政府を支持する・政府寄りの」

 

 
このpro-は、新しい言葉にも自由に付けられるの?
 
コダック
比較的自由に使えます!
政治・社会問題・政策などの名詞に付けて、支持する立場を簡潔に表せます。

ただし、人によって意見が分かれる話題では、言葉自体が強い立場表明になる点に注意してくださいね。

 

pro-とanti-は反対の立場を表す

接頭辞 意味 日本語イメージ
pro- 〜に賛成して・支持して pro-reform 改革賛成の
anti- 〜に反対して・対抗して anti-reform 改革反対の

 

pros and cons

pros=賛成の理由・利点
cons=反対の理由・欠点

⇒「賛否・長所と短所」

 

”pro”は単独でも「賛成側・利点」という意味で使われます。

【例文】
We discussed the pros and cons of working from home.
(私たちは在宅勤務の長所と短所について話し合った。)

 

pro-=「代わりに・〜のために」を持つ英単語

 

pro-には、誰かの前へ立ってその人の役割を担うことから、「〜の代わりに・〜のために」という意味もあります。

pro-=「代わりに・〜のために」の例

●pronoun=pro-(代わりに)+noun(名詞)
⇒名詞の代わりに置く語=「代名詞」

●proconsul=pro-(代理として)+consul(執政官)
⇒執政官の代わりに働く人=「代理執政官」

●pro bono
⇒公共の利益のために=「公益のために無償で」

 

 
pronounのpro-にも、ちゃんと意味があるんだ!
 
コダック
はい!
同じ名詞を何度も繰り返さず、he・she・itなどが名詞の前に立って代役を務めるからpronounなんですよ。

 

pur- / por-へ形が変わったpro-の仲間

 

語源がフランス語などを経る過程で、pro-がpur-por-に近い形で現れることがあります。

形が変化したpro-の仲間

●purpose=pur-(前に)+pose(置く)
⇒自分の前方に置いて目指すもの=「目的・意図」

●pursue=pur-(前へ)+sue(追う)
⇒前を進む対象を追い続ける=「追求する・追いかける」

●portray=por-(前へ)+tray / trahere(引く)
⇒特徴を人前へ引き出して見せる=「描写する」

purposeの意味・使い方を詳しく見る
pursueの意味・使い方を詳しく見る
語根pos / pose(置く)のハブ記事を見る

 

pro-とpre-の違い|どちらも「前」だが焦点が違う

 

pro-とpre-は、どちらも「前」を表すため混同しやすい接頭辞です。

pro-とpre-の基本イメージ

pro-前方へ進む・前面へ押し出す
=方向・前進・公表・支持

pre-出来事より時間的に前である
=事前・予備・前もって

 

単語 分解イメージ 意味
progress pro-(前へ)+gress(進む) 前進する
promote pro-(前へ)+mote(動かす) 前へ押し進める
preview pre-(事前に)+view(見る) 前もって見る・試写
predict pre-(前もって)+dict(言う) 予測する

 

 
pro-は前への矢印、pre-は時間の前に置く感じかな。
 
コダック
とても良い整理です!
ただし”provide”のように、pro-が時間的な「前もって」に近い意味を持つ単語もあります。

境界が完全に分かれるわけではないので、最後は単語ごとの語源を確認しましょう。

 

proで始まっても、接頭辞pro-ではない単語に注意

 

語頭に”pro”が見えても、すべてをpro-+語根へ分解できるわけではありません。

特に注意したい例

●property / properly / proprietor
⇒proprius(自分自身の・固有の)系であり、単純なpro-(前へ)ではない

●prove / probable / probably
⇒prob(試す・良いと認める)系であり、pro-+veなどとは分けない

●protein
⇒ギリシャ語の「第一の・最も重要な」を表す語に由来する

●pro(プロ)
⇒多くの場合professionalの短縮形で、接頭辞pro-とは使い方が異なる

propertyの意味・使い方を詳しく見る
properlyの意味・使い方を詳しく見る
proprietorshipの意味・使い方を詳しく見る
proveの意味・使い方を詳しく見る
probablyの意味・使い方を詳しく見る
語根prob / prov(試す・良い)のハブ記事を見る
proteinの意味・使い方を詳しく見る

 

 
proから始まるだけで、全部「前へ」と考えるのは危ないんだね。
 
コダック
そうなんです!
接頭辞は意味を予想する便利な手掛かりですが、スペルだけで無理に分解せず、単語ごとの成り立ちを確認することが大切です。

 

pro-を見抜く3つのコツ

 

1.「何が前へ出るのか」を探す

progressなら人や物事、promoteなら人・商品・活動、proclaimなら声や情報が前へ出ます。

2.場所・時間・意見のどの「前」かを考える

場所なら「前方へ」、時間なら「前もって」、意見なら「公に・支持して」と意味が変化します。

3.後ろの語根と必ず組み合わせる

pro-だけで意味を決めず、gress(進む)、spect(見る)、vide(見る)、voke(呼ぶ)などと合わせて考えます。

 
コダック
知らないpro-の単語を見たら、頭の中に前向きの矢印を置いてください。

その矢印で、後ろの語根を前へ押し出すと考えると、意味を推測しやすくなりますよ!

 

接頭辞”pro-”の意味・覚え方まとめ

 

●pro-の基本的な意味
「前へ・前もって・〜のために・賛成して」

●コアイメージ
「人・物・考えを前面へ押し出す」

●「前へ」の例
⇒progress / procedure / promote / produce / project

●「前もって」の例
⇒provide / prospect / prompt / provision

●「人前へ・公に」の例
⇒proclaim / profess / pronounce / protest / provoke

●「賛成して」の例
⇒pro-democracy / pro-environment / pro-reform

●「代わりに・〜のために」の例
⇒pronoun / proconsul / pro bono

●pur- / por-の形で現れることもある
⇒purpose / pursue / portray

●proで始まっても接頭辞pro-ではない単語がある
⇒property / prove / probably / protein / pro(professionalの略)など

 

 
コダック
”pro-”を見つけたら、ステージの後ろにいた人や考えが、スポットライトの当たる前面へグッと押し出される場面を想像してください。

物が前へ出れば「前進」、出来事より先へ出れば「前もって」、意見を前へ出せば「公に」、応援する考えを前へ出せば「賛成して」です。

この一つのイメージから、たくさんの英単語を芋づる式に覚えられますよ!

【まとめ・各単語の覚え方】英単語の効率的な覚え方【語源と絡めて記憶力アップ】

 

接頭辞pro-についてよくある質問

 

pro-の基本的な意味は何ですか?

基本は「前へ・前方に」です。そこから「前もって」「人前で・公に」「〜のために・賛成して」「代わりに」という意味へ広がります。

なぜpro-に「賛成して」という意味があるのですか?

支持したい人や考えを前面に立て、そのために行動するイメージからです。現代英語ではpro-democracyやpro-environmentのように、名詞の前へ付けて支持する立場を表せます。

pro-とpre-の違いは何ですか?

pro-は「前方へ進む・前面へ押し出す」という方向性が中心で、pre-は「出来事より時間的に前」を表すことが中心です。ただし、provideのようにpro-が「前もって」に近い意味を持つ場合もあります。

protestのpro-は「賛成して」という意味ですか?

直接には違います。protestのpro-は「前で・公に」に近く、自分の立場を人前で証言することから「抗議する」という意味になりました。

proから始まる単語はすべて接頭辞pro-を持ちますか?

いいえ。property、prove、probably、proteinなどは、単純なpro-(前へ)+語根として分けられません。語頭のスペルだけで判断せず、個別の語源確認が必要です。

参考文献
Merriam-Webster.com Dictionary, pro / pro-
Dictionary.com, pro / pro-
Online Etymology Dictionary, pro-
「南出康世(2014), ジーニアス英和辞典 第5版, 大修館書店」