今日のテーマは接頭辞”pro-”!
「前へ」「前もって」「〜のために・賛成して」という意味を持つ、とても重要なパーツです。
「人・物・考えを前面へ押し出す」というコアイメージで考えると、”progress”や”provide”、”protest”、”pro-democracy”などが一本につながりますよ!
”progress(前進する)”、”prospect(見通し)”、”provide(提供する)”、”protest(抗議する)”。
日本語訳だけを見ると、あまり関係のない単語に見えます。
しかし、これらには共通してpro-という接頭辞が含まれ、何かを前へ進める・前方へ出す・人前に示すという方向性を加えています。
さらに現代英語では、”pro-democracy(民主主義支持の)”のように、ある考えを前面に立てて支えることから「〜に賛成して・〜を支持する」という意味でも使われます。
この記事では、接頭辞”pro-”の意味の広がりを、サイト内の個別記事へのリンクと一緒に整理していきます。
- 1 接頭辞”pro-”の意味とコアイメージは「前面へ押し出す」
- 2 【全体マップ】pro-の5つの意味の広がり
- 3 pro-=「前へ・前方に」を持つ英単語
- 4 pro-=「前もって・先を見て」を持つ英単語
- 5 pro-=「人前へ・公に」を持つ英単語
- 6 pro-=「〜に賛成して・〜を支持する」の使い方
- 7 pro-=「代わりに・〜のために」を持つ英単語
- 8 pur- / por-へ形が変わったpro-の仲間
- 9 pro-とpre-の違い|どちらも「前」だが焦点が違う
- 10 proで始まっても、接頭辞pro-ではない単語に注意
- 11 pro-を見抜く3つのコツ
- 12 接頭辞”pro-”の意味・覚え方まとめ
- 13 接頭辞pro-についてよくある質問
接頭辞”pro-”の意味とコアイメージは「前面へ押し出す」
接頭辞”pro-”は、ラテン語やギリシャ語の「前に・前方へ・〜のために」を表す語に由来するパーツです。
中心にあるイメージは次の通りです。
人・物・考えを、後ろから前面へグッと押し出す
⇒空間的に「前へ・前方に」進む
⇒時間的に「前もって・あらかじめ」行う
⇒人前へ出して「公に」示す
⇒ある人・考えを前面に立てて「支持する・賛成する」
⇒人や物の「代わりに・〜のために」働く
人や考えを前へ押し出して味方することから、「〜のために・〜に賛成して」という意味につながるんです。
【全体マップ】pro-の5つの意味の広がり
| 意味のグループ | コアイメージ | 代表例 | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| 前へ・前方に | 物や動きを前へ進める | progress / promote / produce | 前進する・促進する・生み出す |
| 前もって・先を見て | 出来事より先に前方を見る | provide / prospect / prompt | 提供する・見通し・迅速な |
| 人前で・公に | 内側の意見を前面へ出す | proclaim / profess / protest | 宣言する・公言する・抗議する |
| 〜のために・賛成して | 考えや立場を前面に立てて支える | pro-democracy / pro-environment | 民主主義支持の・環境保護支持の |
| 代わりに・代理として | 本人の前に立って役割を担う | pronoun / proconsul | 代名詞・代理執政官 |
まずは「前面へ押し出す」を覚えましょう。
場所なら「前へ」、時間なら「前もって」、意見なら「公に」、立場なら「賛成して」へ意味が広がりますよ。
pro-=「前へ・前方に」を持つ英単語
もっとも基本的なのが、人や物、動作を前方へ進めるpro-です。
●progress=pro-(前へ)+gress(進む)
⇒前へ進んでいく=「進歩する・前進する」
●procedure=pro-(前へ)+ced / cess(進む)+-ure
⇒順番に前へ進める流れ=「手順・手続き」
●promote=pro-(前へ)+mote / move(動かす)
⇒人や物を前へ押し出す=「促進する・昇進させる」
●produce=pro-(前へ)+duce(導く)
⇒中にあるものを前へ導き出す=「生産する・生み出す」
●project=pro-(前へ)+ject(投げる)
⇒考えや物を前方へ投げ出す=「計画する・投影する」
→ progressiveの意味・使い方を詳しく見る
→ procedureの意味・使い方を詳しく見る
→ promotionalの意味・使い方を詳しく見る
progress / procedure / promoteの違い
3語とも「前へ」のpro-を持ちますが、前進するものが違います。
progress⇒自分・物事が前へ進んでいく=進歩・前進
procedure⇒作業を決められた順番で前へ進める=手順・手続き
promote⇒人・商品・活動を他の力で前へ押し出す=促進する・昇進させる
同じpro-でも、後ろのgress(進む)・ced(進む)・mote(動かす)を見ると違いがはっきりしますよ。
prominent|前へ突き出ているから「目立った」
”prominent”は、pro-(前へ)+min(突き出る)+-ent(性質)の組み合わせです。
建物や山などが周囲より前へグッと突き出ているイメージから、人や特徴が「目立った・著名な・重要な」という意味になります。
pro-=「前もって・先を見て」を持つ英単語
空間的な「前」は、時間の流れでは「出来事が起きる前・あらかじめ」という意味へ広がります。
●provide=pro-(前を・前もって)+vide(見る)
⇒先を見越して必要な物を準備する=「提供する・備える」
●prospect=pro-(前方を)+spect(見る)
⇒これから先を見渡す=「見通し・将来性」
●prompt=pro-(前へ)+empt / mpt(取り出す)
⇒必要になる前から取り出して準備しておく=「迅速な・促す」
●prohibit=pro-(前に)+hibit / habere(持つ・保つ)
⇒前へ立ちはだかって行動を止める=「禁止する」
●provision=pro-(前を)+vision(見ること)
⇒先を見て用意すること=「準備・供給・規定」
→ provideの意味・使い方を詳しく見る
→ prospectの意味・使い方を詳しく見る
→ promptの意味・使い方を詳しく見る
→ 語根spect / spec(見る)のハブ記事を見る
前もって見ることは、困らないように必要な物を用意して与えることにつながります。そこから「提供する」へ意味が広がったんですよ!
pro-=「人前へ・公に」を持つ英単語
心の中にある声や考えを、前面へ出して人々に示すpro-です。
●proclaim=pro-(前へ・公に)+claim(叫ぶ)
⇒人前へ声を出して知らせる=「宣言する」
●profess=pro-(前へ・公に)+fess / fat(話す・認める)
⇒自分の考えや信仰を公に述べる=「公言する・自称する」
●pronounce=pro-(前へ)+nounce(知らせる)
⇒音や判断を人前へ出す=「発音する・宣告する」
●protest=pro-(前で・公に)+test(証言する)
⇒人前で自分の立場を証言する=「抗議する・主張する」
●provoke=pro-(前へ)+voke(呼ぶ)
⇒感情や反応を前へ呼び出す=「挑発する・引き起こす」
→ protestの意味・使い方を詳しく見る
→ protesterの意味・使い方を詳しく見る
→ provokeの意味・使い方を詳しく見る
→ 語根voc / voke(声・呼ぶ)のハブ記事を見る
protestは「賛成」ではなく「抗議」になるのはなぜ?
”protest”のpro-は、現代の”pro-democracy”のような「賛成して」を直接表すわけではありません。
語源的には、自分の立場を人前で公に証言することが中心です。
protestでは、何に賛成しているかではなく、自分の主張を前へ出して公に証言する点が重要です。
単語の意味は、接頭辞だけでなく後ろの語根との組み合わせで決まりますよ。
pro-=「〜に賛成して・〜を支持する」の使い方
現代英語では、pro-を名詞や形容詞の前に付けて、「〜に賛成している・〜を支持する」という立場を表せます。
●pro-democracy
「民主主義を支持する・民主化支持の」
●pro-environment
「環境保護を支持する・環境保護寄りの」
●pro-business
「企業活動やビジネスに好意的な」
●pro-reform
「改革に賛成する・改革推進の」
●pro-government
「政府を支持する・政府寄りの」
政治・社会問題・政策などの名詞に付けて、支持する立場を簡潔に表せます。
ただし、人によって意見が分かれる話題では、言葉自体が強い立場表明になる点に注意してくださいね。
pro-とanti-は反対の立場を表す
| 接頭辞 | 意味 | 例 | 日本語イメージ |
|---|---|---|---|
| pro- | 〜に賛成して・支持して | pro-reform | 改革賛成の |
| anti- | 〜に反対して・対抗して | anti-reform | 改革反対の |
pros=賛成の理由・利点
cons=反対の理由・欠点
⇒「賛否・長所と短所」
”pro”は単独でも「賛成側・利点」という意味で使われます。
【例文】
We discussed the pros and cons of working from home.
(私たちは在宅勤務の長所と短所について話し合った。)
pro-=「代わりに・〜のために」を持つ英単語
pro-には、誰かの前へ立ってその人の役割を担うことから、「〜の代わりに・〜のために」という意味もあります。
●pronoun=pro-(代わりに)+noun(名詞)
⇒名詞の代わりに置く語=「代名詞」
●proconsul=pro-(代理として)+consul(執政官)
⇒執政官の代わりに働く人=「代理執政官」
●pro bono
⇒公共の利益のために=「公益のために無償で」
同じ名詞を何度も繰り返さず、he・she・itなどが名詞の前に立って代役を務めるからpronounなんですよ。
pur- / por-へ形が変わったpro-の仲間
語源がフランス語などを経る過程で、pro-がpur-やpor-に近い形で現れることがあります。
●purpose=pur-(前に)+pose(置く)
⇒自分の前方に置いて目指すもの=「目的・意図」
●pursue=pur-(前へ)+sue(追う)
⇒前を進む対象を追い続ける=「追求する・追いかける」
●portray=por-(前へ)+tray / trahere(引く)
⇒特徴を人前へ引き出して見せる=「描写する」
→ purposeの意味・使い方を詳しく見る
→ pursueの意味・使い方を詳しく見る
→ 語根pos / pose(置く)のハブ記事を見る
pro-とpre-の違い|どちらも「前」だが焦点が違う
pro-とpre-は、どちらも「前」を表すため混同しやすい接頭辞です。
pro-⇒前方へ進む・前面へ押し出す
=方向・前進・公表・支持
pre-⇒出来事より時間的に前である
=事前・予備・前もって
| 単語 | 分解イメージ | 意味 |
|---|---|---|
| progress | pro-(前へ)+gress(進む) | 前進する |
| promote | pro-(前へ)+mote(動かす) | 前へ押し進める |
| preview | pre-(事前に)+view(見る) | 前もって見る・試写 |
| predict | pre-(前もって)+dict(言う) | 予測する |
ただし”provide”のように、pro-が時間的な「前もって」に近い意味を持つ単語もあります。
境界が完全に分かれるわけではないので、最後は単語ごとの語源を確認しましょう。
proで始まっても、接頭辞pro-ではない単語に注意
語頭に”pro”が見えても、すべてをpro-+語根へ分解できるわけではありません。
●property / properly / proprietor
⇒proprius(自分自身の・固有の)系であり、単純なpro-(前へ)ではない
●prove / probable / probably
⇒prob(試す・良いと認める)系であり、pro-+veなどとは分けない
●protein
⇒ギリシャ語の「第一の・最も重要な」を表す語に由来する
●pro(プロ)
⇒多くの場合professionalの短縮形で、接頭辞pro-とは使い方が異なる
→ propertyの意味・使い方を詳しく見る
→ properlyの意味・使い方を詳しく見る
→ proprietorshipの意味・使い方を詳しく見る
→ proveの意味・使い方を詳しく見る
→ probablyの意味・使い方を詳しく見る
→ 語根prob / prov(試す・良い)のハブ記事を見る
→ proteinの意味・使い方を詳しく見る
接頭辞は意味を予想する便利な手掛かりですが、スペルだけで無理に分解せず、単語ごとの成り立ちを確認することが大切です。
pro-を見抜く3つのコツ
1.「何が前へ出るのか」を探す
progressなら人や物事、promoteなら人・商品・活動、proclaimなら声や情報が前へ出ます。
2.場所・時間・意見のどの「前」かを考える
場所なら「前方へ」、時間なら「前もって」、意見なら「公に・支持して」と意味が変化します。
3.後ろの語根と必ず組み合わせる
pro-だけで意味を決めず、gress(進む)、spect(見る)、vide(見る)、voke(呼ぶ)などと合わせて考えます。
その矢印で、後ろの語根を前へ押し出すと考えると、意味を推測しやすくなりますよ!
接頭辞”pro-”の意味・覚え方まとめ
⇒「前へ・前もって・〜のために・賛成して」
●コアイメージ
⇒「人・物・考えを前面へ押し出す」
●「前へ」の例
⇒progress / procedure / promote / produce / project
●「前もって」の例
⇒provide / prospect / prompt / provision
●「人前へ・公に」の例
⇒proclaim / profess / pronounce / protest / provoke
●「賛成して」の例
⇒pro-democracy / pro-environment / pro-reform
●「代わりに・〜のために」の例
⇒pronoun / proconsul / pro bono
●pur- / por-の形で現れることもある
⇒purpose / pursue / portray
●proで始まっても接頭辞pro-ではない単語がある
⇒property / prove / probably / protein / pro(professionalの略)など
物が前へ出れば「前進」、出来事より先へ出れば「前もって」、意見を前へ出せば「公に」、応援する考えを前へ出せば「賛成して」です。
この一つのイメージから、たくさんの英単語を芋づる式に覚えられますよ!
接頭辞pro-についてよくある質問
pro-の基本的な意味は何ですか?
基本は「前へ・前方に」です。そこから「前もって」「人前で・公に」「〜のために・賛成して」「代わりに」という意味へ広がります。
なぜpro-に「賛成して」という意味があるのですか?
支持したい人や考えを前面に立て、そのために行動するイメージからです。現代英語ではpro-democracyやpro-environmentのように、名詞の前へ付けて支持する立場を表せます。
pro-とpre-の違いは何ですか?
pro-は「前方へ進む・前面へ押し出す」という方向性が中心で、pre-は「出来事より時間的に前」を表すことが中心です。ただし、provideのようにpro-が「前もって」に近い意味を持つ場合もあります。
protestのpro-は「賛成して」という意味ですか?
直接には違います。protestのpro-は「前で・公に」に近く、自分の立場を人前で証言することから「抗議する」という意味になりました。
proから始まる単語はすべて接頭辞pro-を持ちますか?
いいえ。property、prove、probably、proteinなどは、単純なpro-(前へ)+語根として分けられません。語頭のスペルだけで判断せず、個別の語源確認が必要です。
「Merriam-Webster.com Dictionary, pro / pro-」
「Dictionary.com, pro / pro-」
「Online Etymology Dictionary, pro-」
「南出康世(2014), ジーニアス英和辞典 第5版, 大修館書店」