【語源で覚える】接頭辞「en- / em-」の意味と英単語一覧|「中に入れる・〜にする」をコアイメージで解説

 
コダック

今日のテーマは接頭辞”en- / em-”

「〜の中に入れる」「〜の状態にする」という意味を加えて、名詞や形容詞を動詞へ変えることが多いパーツです。

「外にあるものを中へ入れ、そこで新しい状態を作る」というコアイメージで覚えると、”encourage”や”enable”、”embrace”などの意味が一気につながりますよ!

 

”enable(可能にする)”、”encourage(勇気づける)”、”ensure(確実にする)”、”embrace(抱きしめる)”。

日本語訳だけを見ると、あまり関係のない単語に見えます。

しかし、これらには共通してen- / em-という接頭辞が含まれ、後ろの語が表す物・性質・状態を「中へ入れる」「その状態に変える」という働きをしています。

この記事では、接頭辞”en- / em-”の基本イメージ、形が変わる理由、意味の広がり、注意したい例外をまとめて解説します。

 

接頭辞”en-”の意味とコアイメージは「中へ入れて、その状態にする」

 

接頭辞”en-”は、名詞や形容詞などの前に付いて「中に入れる」「上に置く」「〜の状態にする」「〜を与える」という意味を作るパーツです。

中心にあるイメージは次の通りです。

接頭辞”en- / em-”のコアイメージ

人や物の内側へ何かを入れ、そこで新しい状態を作る

⇒場所・囲いの「中に入れる」
⇒性質や状態を与えて「〜にする」
⇒力・権利・能力などを「備えさせる」
⇒対象を覆い「包み込む」

 

 
「中に入れる」と「〜にする」って、別々の意味じゃないの?
 
コダック
実は同じ流れで考えられます!

何かを人や物の中へ入れれば、その人や物は入れたものを持つ新しい状態になりますよね。

勇気を中へ入れれば”encourage(勇気づける)”、能力を持つ状態にすれば”enable(可能にする)”になるわけです。

 

なぜen-はem-に変化するの?

 

em-は、en-と同じ働きを持つ変化形です。

後ろにb・m・pなど、唇を使って発音する音が続くとき、発音しやすいようにnの音がmへ近づき、em-になることがあります。

主に続く音 代表例 基本イメージ
en- 多くの子音 enable / encourage / ensure 中に入れる・〜にする
em- b・m・pなど embrace / embody / empower 中に入れる・〜にする

 

 
意味が変わったんじゃなくて、発音しやすい形に変わっただけなんだね。
 
コダック
その通りです!

”en + power”よりも”em + power”の方が、唇の動きが自然につながります。
en-とem-は、見た目が違っても基本的には同じ仲間と覚えてくださいね。

 

【全体マップ】en- / em-の4つの意味の広がり

 

意味のグループ コアイメージ 代表例 主な意味
中に入れる・囲む 物を内側へ入れ、外から包む enclose / encircle / embrace 同封する・囲む・抱きしめる
〜の状態にする 性質を与え、状態を変える enable / enrich / ensure 可能にする・豊かにする・確実にする
与える・備えさせる 力・勇気・権利などを中へ入れる encourage / empower / endow 勇気づける・権限を与える・授ける
完全に包む・動作を強める 対象全体を内側へ取り込む entangle / enclose / engulf 絡ませる・閉じ込める・のみ込む

 

en-=「中に入れる・囲む」を持つ英単語

 

最も視覚的に理解しやすいのが、物を囲いの中へ入れたり、周囲を取り囲んだりするen-です。

en-=「中に入れる・囲む」の代表単語

●enclose=en-(中に)+close(閉じる)
⇒閉じた空間の中へ入れる=「囲む・同封する」

●encircle=en-(中へ・周りに)+circle(円)
⇒円の内側へ入れるように周囲を囲む=「取り囲む」

●entomb=en-(中に)+tomb(墓)
⇒墓の中へ入れる=「埋葬する・閉じ込める」

●enshrine=en-(中に)+shrine(聖堂・神聖な場所)
⇒大切なものを聖堂の中へ納める=「祭る・大切に保存する」

●entrap=en-(中に)+trap(わな)
⇒わなの中へ入れる=「わなにかける」

 

 
encloseは「閉じる」じゃなくて、「閉じた中へ入れる」なんだ。
 
コダック
そうなんです!
封筒の中へ書類を入れて閉じる場面を考えると、”enclose a document”=「書類を同封する」という意味も自然に理解できますよ。

 

en-=「〜の状態にする」を持つ英単語

 

en-は、名詞や形容詞の前に付いて、後ろの言葉を「その状態にする」という動詞へ変えることがあります。

en-=「〜の状態にする」の代表単語

●enable=en-(〜にする)+able(できる)
⇒できる状態にする=「可能にする」

●enrich=en-(〜にする)+rich(豊かな)
⇒豊かな状態にする=「豊かにする・充実させる」

●ensure=en-(〜にする)+sure(確実な)
⇒確実な状態にする=「確実にする・保証する」

●enhance=en-(〜にする・高める)+hance(高くする)
⇒さらに高い状態に引き上げる=「高める・向上させる」

●enlarge=en-(〜にする)+large(大きい)
⇒大きい状態にする=「拡大する」

enableの意味・使い方を詳しく見る
ensureの意味・使い方を詳しく見る
enhanceの意味・使い方を詳しく見る

 

enable / ensure / enhanceの違い

3語とも「〜の状態にする」というen-を持ちますが、作り出す状態が違います。

3語のイメージの違い

enableできる状態にする=可能にする

ensure間違いなく確実な状態にする=確実にする

enhance今より価値・性能が高い状態にする=高める

 

 
全部「良い状態にする」ように見えるけど、何を変えるかが違うんだね。
 
コダック
はい!
能力ならenable、確実性ならensure、品質や効果の高さならenhanceと、後ろのパーツを見れば使い分けられますよ。

 

en-=「内側に与える・備えさせる」を持つ英単語

 

人や組織の内側へ、勇気・権利・価値などを入れるイメージです。

en-=「与える・備えさせる」の代表単語

●encourage=en-(中に入れる)+courage(勇気)
⇒心の中へ勇気を入れる=「励ます・勇気づける」

●endow=en-(中に)+dow(与える)
⇒人や組織の中へ価値あるものを与える=「授ける・寄付する」

●endowment=en-+dow+-ment
⇒中へ与えられたもの・その結果=「寄付基金・天賦の才能」

●entrust=en-(中へ・〜に)+trust(信頼)
⇒信頼の中へ相手を置く=「任せる・委ねる」

●engage=en-(中へ)+gage(誓約・担保)
⇒誓約の中へ入れて結び付ける=「従事させる・関与させる」

encourageの意味・使い方を詳しく見る
endowmentの意味・使い方を詳しく見る
engageの意味・使い方を詳しく見る

 

 
encourageの「勇気を中に入れる」って、すごく覚えやすいね。
 
コダック
接頭辞学習の良さがよく表れる単語ですよね!

「励ます」という日本語だけでなく、相手の内側へ勇気を注ぎ込む場面を覚えておけば、意味が記憶に残りやすくなります。

 

em-=「中に入れる・包み込む」を持つ英単語

 

em-はen-の変化形として、主にb・m・pなどの前に現れます。

em-を持つ代表単語

●embrace=em-(中に)+brace(両腕)
⇒両腕の中へ相手を入れる=「抱きしめる・受け入れる」

●embody=em-(中に)+body(身体・形)
⇒考えや性質を身体という形の中へ入れる=「具現化する・体現する」

●empower=em-(中に・与える)+power(力)
⇒人の中へ力や権限を与える=「権限を与える・力づける」

●embitter=em-(〜にする)+bitter(苦い)
⇒苦々しい状態にする=「憤慨させる・つらい気持ちにする」

●embed=em-(中に)+bed(土台・床)
⇒土台の中へしっかり入れる=「埋め込む」

embraceの意味・使い方を詳しく見る

 

embrace|腕の中へ入れるから「考えを受け入れる」にもなる

”embrace”は、物理的に人を抱きしめるだけでなく、考え方・変化・文化などを心の内側へ受け入れる場合にも使います。

【例文】
She embraced her child tightly.
(彼女は子どもを強く抱きしめた。)

The company embraced new technology.
(その会社は新しい技術を積極的に受け入れた。)

 
人だけじゃなく、考え方も心の中へ抱き込めるんだね。
 
コダック
その通りです!
物理的な「腕の中」と、抽象的な「心の中」が同じイメージでつながっているんですよ。

 

enjoyは「喜びの中へ入れる」から「楽しむ」

 

”enjoy”も、サイト内で扱っている重要なen-の仲間です。

en-(中へ・〜にする)+joy(喜び)と考えると、対象を喜びの中へ入れる、または自分が喜びの状態に入るイメージから「楽しむ」につながります。

enjoyのイメージ

en-=喜びの中へ入る・喜びの状態にする

joy=喜び

⇒目の前の体験を、心の中で喜びとして味わう
⇒「楽しむ」

enjoyの意味・使い方を詳しく見る

 

en- / em-とin- / im-の違い

 

en- / em-とin- / im-は歴史的に近い関係を持ち、どちらも「中に・中へ」というイメージを表す場合があります。

ただし、英単語を学ぶ際には次のように整理すると分かりやすいです。

接頭辞 よく見られる働き 代表例 注意点
en- / em- 名詞・形容詞を「〜にする」という動詞にする enable / enrich / empower 主にフランス語を経た形や英語で作られた語に多い
in- / im- 中へ入れる・上に置く invest / impose / implement ラテン語系の語で多く見られる
in- / im- 否定「〜でない」 inactive / impossible 「中に」のin-とは別の意味がある

investの意味・使い方を詳しく見る
imposeの意味・使い方を詳しく見る
implementの意味・使い方を詳しく見る

 

 
en-とin-は近いけど、impossibleのim-は「中に」じゃなくて否定なんだね。
 
コダック
はい!
同じin- / im-の形でも、「中に」「〜ではない」の2系統があります。
後ろの単語と組み合わせて、全体の意味が自然になる方を選びましょう。

 

ギリシャ語由来のen- / em-もある

 

英語には、フランス語・ラテン語系の動詞を作るen- / em-だけでなく、ギリシャ語のen=「中に」に由来する語もあります。

ギリシャ語系のen- / em-を含む例

●energy
⇒en(中に)+erg(働く・仕事)
⇒内側で働く力=「エネルギー」

●enthusiasm
⇒en(中に)+theos(神)
⇒神が心の中に入ったような熱狂状態=「熱意・熱狂」

●emphasis
⇒em(中に)+pha(現す・見せる)
⇒重要な点を目立つ形で示す=「強調」

energeticの意味・使い方を詳しく見る
energeticallyの意味・使い方を詳しく見る
enthusiasmの意味・使い方を詳しく見る
enthusiasticallyの意味・使い方を詳しく見る
emphasisの意味・使い方を詳しく見る
emphasizeの意味・使い方を詳しく見る

 

 
同じ「中に」というイメージでも、語源の通ってきた道が違うんだね。
 
コダック
その通りです!
学習するときは同じコアイメージで結び付けつつ、厳密な語源を確認するときはフランス語・ラテン語系なのか、ギリシャ語系なのかを区別すると正確ですよ。

 

em-で始まっても、今回の接頭辞ではない単語に注意

 

語頭に”em”が見えても、すべてがen-の変化形として「中に入れる」を表すわけではありません。

特に注意したい例

●emit
⇒e-(外へ)+mit(送る)という系統で、「中に入れる」のem-ではない

●emerge
⇒中から外へ現れる意味を持ち、e- / ex-系の成り立ち

●emotion
⇒歴史的には「外へ動かす」系統で、em-(中に入れる)と単純分解しない

●empire / empirical
⇒語頭がemでも、今回の接頭辞em-+英単語という単純な構成ではない

emitの意味・使い方を詳しく見る
empireの意味・使い方を詳しく見る
empiricalの意味・使い方を詳しく見る

 

 
スペルだけを見て、全部em-+語根に分けるのは危険なんだね。
 
コダック
そうなんです!
接頭辞は意味を推測する強力なヒントですが、最終的には単語ごとの語源を確認することが大切です。

 

en- / em-を見抜く3つのコツ

 

1.後ろに名詞・形容詞が隠れていないか探す

able、rich、sure、courage、power、bodyなど、単独でも意味を持つパーツが後ろにあれば、en- / em-が動詞を作っている可能性があります。

2.「中へ入れる」と「〜にする」の両方を試す

encourageなら「勇気を中へ入れる」、enableなら「できる状態にする」と、自然になる方のイメージを使います。

3.em-の後ろにb・m・pがあるか確認する

embrace、embody、empowerのように、唇を使う音の前ではen-がem-へ変化しやすくなります。

 
コダック
単語を見たら、「何を中に入れるのか」「何の状態にするのか」と質問してみてください。

答えが見つかれば、丸暗記せずに意味を組み立てられますよ!

 

接頭辞”en- / em-”の意味・覚え方まとめ

 

●en- / em-の基本的な意味
「中に入れる・〜の状態にする」

●コアイメージ
「外にあるものを中へ入れ、そこで新しい状態を作る」

●「中に入れる・囲む」の例
⇒enclose / encircle / entomb / embrace

●「〜の状態にする」の例
⇒enable / enrich / ensure / enhance

●「与える・備えさせる」の例
⇒encourage / empower / endow / entrust

●em-はen-の変化形
⇒b・m・pなどの前で現れやすい

●ギリシャ語由来のen- / em-もある
⇒energy / enthusiasm / emphasis

●すべてのen・emで始まる単語が同じ接頭辞を持つわけではない
⇒emit / emerge / emotion / empireなどに注意

 

 
コダック
”en- / em-”を見つけたら、箱や人の心の中へ何かを入れる場面を想像してみてください。

能力を入れればenable、勇気を入れればencourage、力を入れればempower、腕の中へ入れればembraceです。

この「中へ入れて状態を変える」という一本のイメージから、たくさんの英単語を芋づる式に覚えられますよ!

【まとめ・各単語の覚え方】英単語の効率的な覚え方【語源と絡めて記憶力アップ】

 

接頭辞en- / em-についてよくある質問

 

en-とem-の意味は同じですか?

基本的には同じです。どちらも「中に入れる」「〜の状態にする」を表します。em-は、後ろにb・m・pなどの音が続く際に、発音しやすい形へ変化したものとして現れます。

en-は名詞や形容詞を動詞にできますか?

はい。ableからenable、richからenrich、powerからempowerのように、後ろの語を「〜にする」「〜を与える」という動詞へ変えることがあります。

en-とin-は同じ接頭辞ですか?

歴史的には近い関係を持ち、どちらも「中に・中へ」を表す場合があります。ただし、英語では綴りや使われる単語が異なり、in- / im-には「〜ではない」という否定の用法もあります。

emで始まる単語はすべて接頭辞em-を持ちますか?

いいえ。emit、emerge、emotionなどは、今回の「中に入れる」を表すem-へ単純に分解できません。単語ごとの語源確認が必要です。

en-のコアイメージを一言で表すと何ですか?

「外にあるものを中へ入れ、そこで新しい状態を作る」です。「中に入れる」と「〜にする」を別々に暗記せず、一続きの変化として覚えると理解しやすくなります。

参考文献
「Merriam-Webster.com Dictionary, en- / em-」
「Dictionary.com, en-」
「Online Etymology Dictionary, en- / em-」
「南出康世(2014), ジーニアス英和辞典 第5版, 大修館書店」