“embrace”は、「抱きしめる」「積極的に受け入れる」という意味を持つ動詞です。
一見すると別の意味に見えますが、どちらにも「両腕の中へ迎え入れ、自分のものとして包み込む」という共通したイメージがあります。
- 人を両腕で抱きしめる
- 考え・変化・文化などを積極的に受け入れる
- 機会や挑戦を喜んで引き受ける・活用する
- 広い範囲を含む・包み込む
- 名詞では抱擁
コアイメージ:両腕の中へ迎え入れる
考えや変化を心の中へ迎え入れると、「積極的に受け入れる」という意味になります!
embraceの意味・発音・変化形
品詞:動詞・名詞
発音:/ɪmˈbreɪs/(イムブレイス)
アクセント:braceの部分
三人称単数形:embraces
現在分詞:embracing
過去形・過去分詞:embraced
カタカナでは「エンブレイス」と書かれることもありますが、実際の最初の母音は弱い/ɪm/です。「イム・ブレイス」に近く、“brace”を強く発音します。
| 意味 | 何を腕の中へ入れるか | 代表例 |
|---|---|---|
| 抱きしめる | 人を物理的に包む | embrace a child |
| 積極的に受け入れる | 考え・変化・文化を心へ入れる | embrace change |
| 喜んで活用する | 機会や挑戦を自分のものにする | embrace an opportunity |
| 含む・包み込む | 複数の要素を範囲内へ入れる | embrace many topics |
| 抱擁 | 腕で抱き合う行為 | a warm embrace |
意味① 人を「抱きしめる・抱擁する」
人の身体に両腕を回し、愛情・喜び・慰めなどを示す場合に使います。“hug”よりもやや文学的・感情的・フォーマルに響くことがあります。
She embraced her daughter tenderly.
彼女は娘を優しく抱きしめました。The two friends embraced after years apart.
二人の友人は、何年もの別離を経て抱き合いました。He embraced me before saying goodbye.
彼は別れを告げる前に私を抱きしめました。
他動詞としてembrace someone、自動詞としてtwo people embracedのどちらでも使えます。
意味② 考え・変化などを「積極的に受け入れる」
新しい考え、技術、文化、変化などを、単に拒否しないだけでなく、好意的・積極的に取り入れることを表します。
The company embraced new technology.
その会社は新しい技術を積極的に導入しました。We need to embrace change rather than fear it.
私たちは変化を恐れるのではなく、前向きに受け入れる必要があります。She embraced a healthier lifestyle.
彼女は、より健康的な生活様式を積極的に取り入れました。
ただ我慢するのではなく、変化を歓迎して取り込む感じですよ!
意味③ 機会・挑戦を「喜んで受け入れる・活用する」
“opportunity”や“challenge”と使うと、訪れた機会や挑戦をためらわず自分のものとして引き受けることを表します。
She embraced the opportunity to study abroad.
彼女は留学の機会を喜んで受け入れました。He embraced the challenge with confidence.
彼は自信を持ってその挑戦を引き受けました。Let us embrace this chance to start again.
もう一度始めるこの機会を、前向きに生かしましょう。
文脈によっては、「受け入れる」だけでなく「機会を生かす」「挑戦に進んで取り組む」と訳すと自然です。
意味④ 範囲の中に「含む・包み込む」
複数の考え・分野・要素などを、一つの大きな範囲の中へ入れる場合にも使われます。ややフォーマルな用法です。
The course embraces a wide range of subjects.
その講座は幅広い科目を扱っています。The plan embraces both short-term and long-term goals.
その計画には短期目標と長期目標の両方が含まれています。Low hills embrace the village.
低い丘が村を取り囲んでいます。
「両腕で囲む」という物理的なイメージから、「含む」「取り囲む」という意味へ広がっています。
名詞のembrace「抱擁」
名詞では主に「抱擁」を表します。
They greeted each other with a warm embrace.
二人は温かく抱き合って挨拶しました。She held the child in a gentle embrace.
彼女はその子どもを優しく抱きしめていました。
embraceのコアイメージは「両腕の中へ迎え入れる」
“embrace”の複数の意味は、次のコアイメージでまとめられます。
- 人を身体の中へ迎える → 抱きしめる
- 考えを心の中へ迎える → 積極的に受け入れる
- 機会を自分の中へ取り込む → 喜んで活用する
- 複数の要素を範囲の中へ入れる → 含む・包み込む

遠くに置いたまま認めるのではなく、自分の中へ迎え入れるのが“embrace”の特徴です!
embraceの語源|「両腕の中へ入れる」
“embrace”は、中英語を経て、古フランス語の“embracer / embracier”に由来します。
古フランス語では、en- / em-(中へ)と、brace(両腕)が結び付き、文字どおり「両腕の中へ入れる」ことを表しました。“brace”はラテン語“bracchium(腕)”にさかのぼります。
+
brace:両腕
(ラテン語 bracchium「腕」に由来)
↓
embracer / embracier:両腕の中へ入れる、抱く
↓
embrace:抱きしめる、積極的に受け入れる

ただし、語源を正確にいうと“en-/em-+brace(両腕)”です。現代英語の“bra(ブラジャー)”を直接組み合わせた単語ではありませんよ!
embraceの基本的な使い方と文型
| 文型・表現 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| embrace+人 | 人を抱きしめる | embrace her child |
| embrace+考え・変化 | 積極的に受け入れる | embrace change |
| embrace+機会・挑戦 | 喜んで引き受ける | embrace an opportunity |
| embrace+動名詞 | ~することを前向きに受け入れる | embrace working remotely |
| embrace the idea of+動名詞 | ~するという考えを受け入れる | embrace the idea of change |
| embrace the fact that+文 | ~という事実を受け入れる | embrace the fact that life changes |
| be embraced by+人・集団 | ~に広く受け入れられる | be embraced by young people |
embrace+人
抱きしめる相手を、前置詞なしで直接後ろに置きます。
She embraced her son.
彼女は息子を抱きしめました。
正:She embraced her son.
正:She and her son embraced.
彼女と息子は抱き合いました。
embrace+名詞
抽象的な意味では、受け入れる対象を直接後ろに置きます。“about”は必要ありません。
Many schools have embraced digital learning.
多くの学校がデジタル学習を積極的に導入しています。We should embrace different perspectives.
私たちは異なる視点を積極的に受け入れるべきです。
embrace+動名詞
動作や習慣を積極的に受け入れる場合は、動名詞を目的語にできます。
The team embraced working remotely.
そのチームはリモート勤務を前向きに取り入れました。
ただし、内容をより明確にしたい場合は、embrace the idea of doingもよく使われます。
He slowly embraced the idea of starting over.
彼は、やり直すという考えを少しずつ受け入れました。
embrace the fact that+文
避けられない事実や現実を、逃げずに受け入れるという文脈で使われます。
We must embrace the fact that mistakes are part of learning.
失敗は学習の一部だという事実を、私たちは受け入れなければなりません。
be embraced by+人・集団
受動態では、考え・技術・作品などが「~に歓迎される」「広く受け入れられる」ことを表します。
The new service was quickly embraced by younger users.
その新しいサービスは、若い利用者にすぐ受け入れられました。
embraceとacceptの違い
“embrace”と“accept”はどちらも「受け入れる」と訳せますが、受け入れ方が異なります。
| 単語 | 中心となるニュアンス | 典型的な対象 |
|---|---|---|
| accept | 拒否せず認める・受け取る | 招待、申し出、謝罪、事実、支払い |
| embrace | 好意的・積極的に迎え入れる | 変化、考え、文化、機会、技術 |
She accepted the new policy.
彼女は新しい方針を受け入れました。
※同意した、または仕方なく認めた可能性もあります。She embraced the new policy.
彼女は新しい方針を積極的に受け入れました。
※方針を前向きに支持し、取り入れた印象です。
“accept”は受領・承諾・事実の容認にも使える広い単語です。“embrace”は、歓迎して自分の中へ取り込む姿勢に焦点があります!
acceptが自然で、embraceに置き換えにくい例
I accepted her invitation.
私は彼女の招待を受けました。We accept credit cards.
当店ではクレジットカードを利用できます。He accepted the apology.
彼はその謝罪を受け入れました。
招待・商品・支払い・謝罪などを「受け取る・承諾する」場合は、通常“accept”を使います。
embraceが自然な例
embrace change:変化を前向きに受け入れる
embrace diversity:多様性を積極的に認める
embrace new technology:新技術を積極的に導入する
embrace an opportunity:機会を喜んで生かす
embraceとhugの違い
人を「抱きしめる」という意味では、“embrace”と“hug”は近い表現です。
- hug:日常会話でよく使う一般的な「抱きしめる」
- embrace:やや文学的・感情的・フォーマルな「抱擁する」
She hugged her friend.
彼女は友人を抱きしめました。She embraced her friend in tears.
彼女は涙を流しながら友人を抱きしめました。
日常的な軽いハグなら“hug”が自然です。“embrace”は、再会・別れ・慰めなど、感情のこもった場面で使われやすい傾向があります。
また、“hug”は通常、考えや変化を「受け入れる」という抽象的な意味では使いません。
embraceとadopt・welcomeの違い
embraceとadoptの違い
“adopt”は、方法・方針・制度などを正式に採用することに重点があります。“embrace”は、それを前向きに歓迎する態度に重点があります。
The company adopted a new system.
その会社は新しい制度を採用しました。Employees embraced the new system.
従業員は新しい制度を前向きに受け入れました。
embraceとwelcomeの違い
“welcome”は、人・知らせ・変化などを歓迎することを表します。“embrace”は、歓迎するだけでなく、自分の考えや行動へ積極的に取り込むところまで含みやすい表現です。
We welcomed the change.
私たちはその変化を歓迎しました。We embraced the change.
私たちはその変化を積極的に受け入れ、適応しました。
embraceと一緒によく使う表現
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| embrace change | 変化を前向きに受け入れる |
| embrace diversity | 多様性を積極的に受け入れる |
| embrace new technology | 新しい技術を積極的に導入する |
| embrace an opportunity | 機会を喜んで受け入れる・生かす |
| embrace a challenge | 挑戦を前向きに引き受ける |
| embrace uncertainty | 不確実性を受け入れる |
| embrace a new way of life | 新しい生き方を取り入れる |
| wholeheartedly embrace | 心から積極的に受け入れる |
| warm embrace | 温かい抱擁 |
| in an embrace | 抱き合った状態で |
embrace who you are「ありのままの自分を受け入れる」
Learn to embrace who you are.
ありのままの自分を受け入れることを学びましょう。
“embrace yourself”も使われますが、文脈によっては「自分の身体を抱きしめる」という文字どおりの意味にも読めます。自己受容を明確に表すなら、embrace who you areやembrace your true selfが分かりやすい表現です。
embraceで間違えやすいポイント
間違い① embrace aboutとは通常いわない
“embrace”は基本的に他動詞なので、受け入れる対象を直接置きます。
正:We should embrace the change.
私たちはその変化を前向きに受け入れるべきです。
間違い② embrace to doではなく、名詞・動名詞を置く
“embrace”の直後に、目的を表すto不定詞を置いて「~することを受け入れる」とは通常表しません。
自然:They embraced remote work.
自然:They embraced working remotely.
彼らはリモート勤務を前向きに取り入れました。
注意点③ embraceはいつも肯定的とは限らない
“embrace”は多くの場合、積極性や歓迎の気持ちを表します。ただし、困難・不確実性・避けられない現実などを逃げずに受け止める場合にも使えます。
We have to embrace uncertainty.
私たちは不確実性を受け入れなければなりません。
対象自体が好ましいというより、その存在を認め、前向きに向き合うニュアンスです。
注意点④ be embracedを必ず「抱きしめられる」と訳さない
The idea was embraced by the entire team.
その考えはチーム全体に受け入れられました。
目的語が考え・制度・技術などの場合は、「抱きしめられた」ではなく「歓迎された」「積極的に採用された」と訳します。
embraceの派生語・関連語
| 単語 | 品詞 | 意味 |
|---|---|---|
| embrace | 動詞・名詞 | 抱きしめる、積極的に受け入れる/抱擁 |
| embraced | 過去形・過去分詞 | 抱きしめた、受け入れた |
| embracing | 現在分詞・動名詞 | 抱きしめている、受け入れること |
| embraceable | 形容詞 | 抱きしめたくなる、受け入れられる |
| embracement | 名詞 | 抱擁、受け入れること(まれ) |
抽象的な「受容」を一般的に表す場合は、“embracement”よりもacceptanceやadoptionなどが使われることが多いため、無理に派生語を使う必要はありません。
embraceを使った例文12選
1. She embraced the child warmly.
彼女はその子どもを温かく抱きしめました。2. They embraced before parting.
二人は別れる前に抱き合いました。3. The organization has embraced digital technology.
その組織はデジタル技術を積極的に導入しています。4. We should embrace change with an open mind.
私たちは柔軟な気持ちで変化を受け入れるべきです。5. She embraced the opportunity to lead the project.
彼女はプロジェクトを率いる機会を喜んで引き受けました。6. He decided to embrace a simpler lifestyle.
彼は、より簡素な生活様式を取り入れることにしました。7. The city embraces people from many cultures.
その都市はさまざまな文化的背景を持つ人々を受け入れています。8. The book embraces a wide range of topics.
その本は幅広い話題を扱っています。9. The proposal was embraced by most employees.
その提案は大部分の従業員に歓迎されました。10. We need to embrace the fact that plans can change.
計画は変わり得るという事実を受け入れる必要があります。11. Learn to embrace who you are.
ありのままの自分を受け入れることを学びましょう。12. They greeted each other with a warm embrace.
二人は温かい抱擁を交わして挨拶しました。
embraceの使い方を確認するミニクイズ
Q1. The company decided to ( embrace / hug ) new technology.
Q2. I ( accepted / embraced ) her invitation to dinner.
Q3. The two old friends ( embraced / accepted ) at the station.
新技術は積極的に取り入れるので“embrace”、招待は承諾するので“accept”、人同士は抱き合うので“embrace”ですね!
embraceに関するよくある質問
embraceを一言でいうと、どのような意味ですか?
「両腕の中へ迎え入れる」が中心的な意味です。人なら「抱きしめる」、考え・変化・機会なら「積極的に受け入れる」と訳します。
embrace changeとはどういう意味ですか?
「変化を前向きに受け入れる」という意味です。変化を仕方なく我慢するのではなく、可能性を認めて積極的に適応するニュアンスがあります。
embrace an opportunityとはどういう意味ですか?
「機会を喜んで受け入れる」「機会を積極的に生かす」という意味です。
embraceとacceptは置き換えられますか?
一部の文では置き換えられますが、ニュアンスは同じではありません。“accept”は広く「受け取る・承諾する・認める」、“embrace”は「歓迎して積極的に取り入れる」ことを表します。
embraceとhugの違いは何ですか?
どちらも「抱きしめる」と表せます。“hug”は日常的で一般的、“embrace”はやや文学的・フォーマルで、感情のこもった抱擁を表しやすい単語です。また、“embrace”には抽象的な「受け入れる」という意味があります。
embracingはどういう意味ですか?
“embrace”の現在分詞・動名詞で、文脈により「抱きしめている」「積極的に受け入れている」「受け入れること」を表します。
Embracing change can lead to growth.
変化を受け入れることは、成長につながる可能性があります。
embrace yourselfは「自分を受け入れる」ですか?
その意味で使われる場合もありますが、「自分の身体を抱きしめる」という意味にもなり得ます。自己受容を明確にしたい場合は、embrace who you areやembrace your true selfが分かりやすい表現です。
embraceの意味・語源・使い方まとめ
- “embrace”のコアイメージは「両腕の中へ迎え入れる」
- 人を腕の中へ入れる → 抱きしめる
- 考え・変化を心へ入れる → 積極的に受け入れる
- 機会・挑戦を自分のものにする → 喜んで引き受ける
- 複数の要素を範囲へ入れる → 含む・包み込む
- 語源は古フランス語のen-/em-(中へ)+brace(両腕)
- 発音は/ɪmˈbreɪs/で、“brace”にアクセント
- “accept”は一般的な「受け入れる」、“embrace”は前向き・積極的な受容
- “hug”は日常的な「抱きしめる」、“embrace”はやや文学的・感情的
- よく使う表現はembrace change / diversity / an opportunity / a challenge
人・考え・変化を両腕の中へ迎え入れるとイメージすれば、意味が自然につながりますよ!
- Cambridge Dictionary: embrace
- Merriam-Webster: embrace
- Online Etymology Dictionary: embrace
- 南出康世 編(2014)『ジーニアス英和辞典 第5版』大修館書店