今日のテーマは語根 ”mit / miss”!
”mit / miss”は「送る・放つ」を意味する語源パーツです。
「何かを、ある方向へ送り出す」というコアイメージから、submit(提出する)・permit(許可する)・dismiss(退ける)・emit(放出する)など、一見バラバラに見える英単語が生まれていますよ!
”submit(提出する)”と”dismiss(退ける)”は、意味がまるで反対に見えますよね。
しかし語源から見ると、どちらも同じ「送る」仲間です。
”sub-(下へ)”なら相手のもとへ差し出し、”dis-(離れて)”なら自分の前から遠ざけます。
語根が同じでも、前につく接頭辞によって「送り先」が変わるわけですね!
語根”mit / miss”の意味・コアイメージは「送る・放つ」
語根”mit / miss”は、ラテン語の”mittere(送る・放つ・行かせる)”に由来するパーツです。
「自分の手元にあるものを、別の場所や相手へ送り出す」のが共通のコアイメージです。
●物や人を、ある方向へ送り出す
●考え・書類・権限などを相手へ渡す
●光・音・熱などを外へ放つ
●自分の前から人や物を離れた場所へ送る
書類を送る・権限を託す・光を放つ・人を帰らせるなど、「何かを手元から動かす」イメージ全体を表すんです!
なぜ”mit”と”miss”の2つの形があるの?
”mit”と”miss”は別の語根ではなく、どちらもラテン語”mittere”から生まれた仲間です。
英単語の中では、おおまかに次のように現れます。
●mit:動詞の形に多い
⇒ admit / commit / permit / submit / emit
●miss:名詞・形容詞などの派生形に多い
⇒ admission / commitmentではなくcommission / permission / submission / mission
※単語の成り立ちやフランス語を経由した歴史により、綴りは必ずしも一つの規則だけでは説明できません。
submit → submission、permit → permission、admit → admissionのように、単語の家族をまとめて見ると覚えやすくなりますよ!
【一覧表】語根”mit / miss”を持つ英単語まとめ
まずは、”mit / miss”を持つ代表的な英単語を一覧で確認してみましょう。
| 英単語 | 構成パーツ | 直訳イメージ | 主な意味 |
|---|---|---|---|
| admit | ad-(〜へ)+mit(送る) | 中へ送り入れる | 認める・入場を許す |
| commit | com-(完全に)+mit(送る) | 完全に送り込む | 委ねる・専念する・犯す |
| dismiss | dis-(離れて)+miss(送る) | 離れた所へ送る | 退ける・解雇する・解散させる |
| emit | e-/ex-(外へ)+mit(送る) | 外へ送り出す | 放出する・発する |
| permit | per-(通して)+mit(送る) | 通り抜けさせる | 許可する・許可証 |
| premise | pre-(前に)+miss(送る) | 議論の前に送られたもの | 前提・敷地 |
| submit | sub-(下へ)+mit(送る) | 相手の下へ差し出す | 提出する・服従する |
| submission | sub-(下へ)+miss(送る)+-ion | 下へ送り差し出すこと | 提出・服従・投稿物 |
| transmit | trans-(越えて)+mit(送る) | 向こう側へ送る | 送信する・伝える |
| omit | ob-(外へ・離れて)+mit(送る) | 外へ送り出して残さない | 省く・除外する |
| mission | miss(送る)+-ion | 送り出すこと・送り出された任務 | 任務・使命 |
| message | miss(送る)に由来 | 使者に託して送るもの | 伝言・メッセージ |
「どこへ送るのか?」を考えることが、”mit / miss”仲間を攻略する一番の近道です!
接頭辞で覚える”mit / miss”|どこへ「送る」のかがポイント
admit|ad-(〜へ)+mit(送る)=中へ入れる
”admit”は、ad-(〜へ)+mit(送る)からできた単語です。
人をある場所の中へ送り入れるイメージから、「入場を許す」の意味が生まれました。
さらに、これまで心の外に押し出していた事実を、自分の中へ受け入れるイメージから、「事実だと認める」の意味にもつながっています。
例文
・He admitted his mistake.
(彼は自分の間違いを認めた。)・This ticket admits two people.
(このチケットで2人入場できます。)
commit|com-(完全に)+mit(送る)=身を送り込む
”commit”は、com-(完全に・共に)+mit(送る)の組み合わせです。
自分自身や責任を、ある対象へ完全に送り込むイメージから、次のような意味へ広がりました。
⇒「専念する・約束する」
●物事を相手の手へ送り渡す
⇒「委ねる」
●自分の行為を実行へ送り込む
⇒「罪・過ちを犯す」
例文
・She committed herself to the project.
(彼女はその計画に全力を注いだ。)・He committed a serious crime.
(彼は重大な犯罪を犯した。)
dismiss|dis-(離れて)+miss(送る)=遠ざける
”dismiss”は、dis-(離れて)+miss(送る)の組み合わせ。
「自分の前から離れた場所へ送る」のがコアイメージです。
人を職場から送り出せば「解雇する」、集まった人を帰らせれば「解散させる」、考えを頭の外へ追い出せば「退ける・取り合わない」になります。
例文
・The teacher dismissed the class early.
(先生は授業を早めに終えて生徒を解散させた。)・She dismissed the idea as unrealistic.
(彼女はその考えを非現実的だとして退けた。)
emit|e-/ex-(外へ)+mit(送る)=外へ放つ
”emit”は、e-/ex-(外へ)+mit(送る)からできています。
光・熱・音・ガスなどを外へ送り出すことから、「放出する・発する」を意味します。
例文
・The machine emits a strange sound.
(その機械は奇妙な音を発する。)・The lamp emits very little heat.
(そのランプはほとんど熱を発しない。)
permit|per-(通して)+mit(送る)=通らせる
”permit”は、per-(通して)+mit(送る)の組み合わせです。
人や行為を障害物の向こう側へ通して送り出すことから、「許可する」という意味になりました。
「ここから先へ進んでいいですよ」と通路を開けて、向こう側へ送り出す感覚ですね。
例文
・Photography is not permitted here.
(ここでは写真撮影は許可されていません。)・You need a permit to enter the area.
(その区域に入るには許可証が必要です。)
submit|sub-(下へ)+mit(送る)=相手の下へ差し出す
”submit”は、sub-(下へ)+mit(送る)からできた単語です。
書類を判断する人のもとへ送り届けることから「提出する」、自分自身を相手の支配下へ置くことから「服従する」の意味が生まれました。
例文
・Please submit the form by Friday.
(金曜日までにその用紙を提出してください。)・They refused to submit to pressure.
(彼らは圧力に屈することを拒んだ。)
premise|pre-(前に)+miss(送る)=先に置かれた前提
”premise”は、ラテン語のpraemittere(前に送る)に由来します。
議論や推論を始める前に、先に差し出しておく考えから、「前提」の意味になりました。
複数形のpremisesが「建物・敷地」を表すのは、法律文書で先に述べられた土地や建物を指したことから広がった用法です。
例文
・The argument is based on a false premise.
(その議論は誤った前提に基づいている。)・Smoking is prohibited on the premises.
(敷地内は禁煙です。)
”mit / miss”の関連語|動詞と名詞をセットで覚えよう
語尾が変わる時にmit → missへ変化する単語が多い点に注目してくださいね。
| 動詞 | 名詞・派生語 | 意味のつながり |
|---|---|---|
| admit | admission | 中へ入れる → 入場・承認 |
| commit | commission / commitment | 託して送る → 委任・専念 |
| dismiss | dismissal | 離れた所へ送る → 解雇・退去 |
| emit | emission | 外へ送る → 放出・排出 |
| permit | permission | 通して送る → 許可 |
| submit | submission | 下へ差し出す → 提出・服従 |
| transmit | transmission | 越えて送る → 送信・伝達 |
”mission / message / missile”も「送る」仲間
”mit / miss”の仲間は、接頭辞がついた動詞だけではありません。
mission|送り出された人に与えられた「任務」
missionは、もともと「送り出すこと」を表した言葉です。
特定の目的を持って送り出された人が果たす仕事から、「任務・使命」を意味するようになりました。
message|使者に託して送るもの
messageも、ラテン語”mittere”につながる言葉です。
使者に託して相手へ送る内容から、「伝言・メッセージ」になりました。
missile|目標へ向けて送り放つもの
missileは、目標へ向かって放たれるものを表します。
ここでも「手元から外へ送り出す」という語源イメージが、そのまま残っています。
「任務」「伝言」「飛翔体」と日本語訳だけを見ると別物ですが、語源の木では同じ枝から生まれた仲間なんですよ。
似ている単語の違い|submit / send / hand in
”submit”を覚える際に、同じ「提出する・送る」に近い表現も整理しておきましょう。
イメージの違いとしては
submit⇒「審査・判断する相手のもとへ正式に差し出す」=提出する
send⇒「ある場所から別の場所へ移動させる」=送る
hand in⇒「先生や担当者へ手渡す」=提出する
といった感じです!
オンラインフォーム・申請書・論文・企画書など、相手が受け取った後に確認や判断をするものには”submit”がよく使われます。
●submit an application
「申請書を提出する」
⇒審査する組織へ正式に差し出すイメージ
●send an email
「メールを送る」
⇒相手の場所へ情報を移動させるイメージ
●hand in homework
「宿題を提出する」
⇒先生へ手渡して提出する日常的なイメージ
語根”mit / miss”の覚え方|「配送センター」を想像しよう
”mit / miss”を覚える際は、大きな配送センターを想像すると分かりやすいです。
●commit:荷物を相手に完全に託す
●dismiss:荷物を遠くへ送り返す
●emit:荷物を外へ放出する
●permit:荷物をゲートの先へ通す
●submit:荷物を責任者のもとへ差し出す
●transmit:荷物を境界の向こうへ送る
そうすれば、初めて見る”mit / miss”の単語でも意味を推測しやすくなりますよ!
語根”mit / miss”の意味・英単語まとめ
以下、語根”mit / miss”についてのまとめです。
⇒コアイメージは「送る・放つ」
●接頭辞によって「どこへ送るか」が変わる
⇒admit=中へ送り入れる
⇒dismiss=離れた所へ送る
⇒emit=外へ送る
⇒permit=通して送る
⇒submit=相手の下へ差し出す
●動詞では”mit”、名詞系では”miss”が現れることが多い
⇒admit / admission
⇒permit / permission
⇒submit / submission
●mission・message・missileも「送り出す」イメージでつながる
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!
「Merriam-Webster Dictionary:submit / permit / commit / emit / message」
「Online Etymology Dictionary:submit / permit / mission」
「南出康世(2014), ジーニアス英和辞典 第5版, 大修館書店」