スペイン語のつなぎ言葉4選|este・pues・o sea・a verの使い分けを「えーと」から理解する

コダック
今日のテーマはスペイン語の「つなぎ言葉」です!

日本語で言えば「えーと」「あのー」「そうですね」「つまり」にあたる、あの言葉たちのことですよ。

辞書にも教科書にもあまり出てこないのに、実際の会話では最初の1秒で飛び出してくる——それがつなぎ言葉です!

たしかに…。単語は知ってるのに、話しかけられた瞬間に固まっちゃうんだよね。
コダック

まさにそこなんです!初学者が一番詰まるのは「単語が足りない」ことではなく、考えている間を埋める言葉を持っていないことなんですよ。

この記事では、スペイン語の代表的なつなぎ言葉este / pues / o sea / a verの4つを、役割で整理していきましょう!

スペイン語のつなぎ言葉とは?「何のために時間を稼いでいるか」で4つに分かれる

スペイン語では、会話の隙間を埋めるこうした言葉をmuletilla(ムレティージャ)と呼びます。

muleta は「松葉杖」という意味で、話すときに寄りかかる杖、というイメージの言葉です。日本語の「口癖」に近いのですが、スペイン語の muletilla はもう少し広く、「言葉が出てこないときの支え」全般を指します。

松葉杖か…。ちょっと格好悪い響きだけど、必要なものではあるんだね。
コダック

そのバランス感覚が大事です!ただ、初学者のうちに知っておいてほしいのは「4つの言葉が、まったく違う仕事をしている」という点なんです。

どれも「えーと」と訳されがちなんですが、実際には何のために時間を稼いでいるかが1つ1つ違いますよ!

スペイン語の主要なつなぎ言葉は、次の4つの役割にきれいに分かれます。

スペイン語のつなぎ言葉 4つの役割

este(エステ)⇒ 単語を探している(英語の “um”/日本語の「えーと」「あのー」)
pues(プエス)⇒ 答えを組み立てている(英語の “well”/日本語の「そうですね」「まあ」)
o sea(オ・セア)⇒ 今言ったことを言い直している(英語の “I mean”/日本語の「つまり」「というか」)
a ver(ア・ベール)⇒ これから考える・確かめる(英語の “let’s see”/日本語の「どれどれ」「ちょっと待って」)

えっ、全部「えーと」だと思ってた。こんなに違うんだ。
コダック

ここが一番おいしいポイントです!

しかも、この4つは「時間の向き」で覚えると一発で頭に入るんですよ。

時間の向きで整理する|o seaは「さっき」、a verは「これから」

4つを丸暗記しようとすると混ざります。おすすめは、その言葉が過去を向いているか、未来を向いているかで分ける方法です。

時間の向きで覚える

【さっき言ったことを扱う】
o sea:すでに口に出した内容を、別の言い方に直す
 例)Es muy caro, o sea, no puedo comprarlo.(すごく高い。つまり、買えない。)

【これから言うことを扱う】
a ver:これから考える・確かめる
 例)A ver… ¿cómo te lo explico?(えーと…どう説明しようかな。)

【探しているものが違う】
este単語を探している
pues答えを組み立てている

そっか、o seaは後ろ向きで、a verは前向きなんだね。この2つが混ざりやすそうだから助かる。
コダック

その通りです!

そしてeste と puesの違いは「探しているサイズ」だと考えてください。este は単語ひとつ、pues は答えまるごとを探しているんですよ。

4つのつなぎ言葉を1つずつ見ていこう

ここからは、4つそれぞれの中身を見ていきます。
それぞれ深掘りした個別記事もありますので、気になったものから読んでみてください。

1. este = 単語が出てこないときの音(「えーと」「あのー」)

este はもともと「この」を意味する指示詞です。それが、次に言う単語が出てこないときの音として使われるようになりました。

ラテンアメリカ、とくにメキシコで圧倒的によく使われます。メキシコシティの会話コーパスを分析した研究では、ためらいを示す言葉のうちeste が7割以上を占めていたと報告されています。

【例】
・Ayer fui a… este… al mercado.
(昨日…えーと…市場に行ったんだ。)
・Necesito el… este… el papel ese.
(必要なのは…あのー…あの書類。)

コダック

日本語の「あのー」も、もとをたどれば「あの」という指示詞ですよね。

指しながら詰まるという成り立ちがそっくりなので、日本語話者にはとても入りやすい言葉なんです!

esteの意味と使い方|スペイン語の「えーと」を指示詞から理解する

2. pues = 答えを組み立てているときの音(「そうですね」「まあ」)

pues はもともと「なぜなら」「だから」を表す接続詞です。ラテン語の post(〜のあとで)にさかのぼる言葉で、そこから「では」「それなら」という意味が育ちました。

つなぎ言葉としては、質問に答える直前に置きます。日本語の「そうですね…」とほぼ同じ位置です。

【例】
・—¿Qué te parece? —Pues… no sé.
(—どう思う? —そうですね…わかりません。)
・Pues yo creo que sí.
(まあ、私はそう思いますね。)

puesの意味と使い方|「そうですね」にあたるスペイン語の万能つなぎ言葉

3. o sea = 言い直しているときの言葉(「つまり」「というか」)

o sea は、今言ったことを別の言葉で説明し直すときに使います。日本語の「つまり」「というか」がぴったり対応します。

ここで大事なのは、o sea は必ず2語で書くということ。osea と1語にするのはスペイン語のつづりとして誤りです。

【例】
・No vino, o sea, se le olvidó.
(彼は来なかった。つまり、忘れていたんだ。)
・Es mi primo, o sea, el hijo de mi tía.
(彼はいとこ、というか、おばの息子です。)

o seaの意味と使い方|「つまり」を表すスペイン語と、oseaと書いてはいけない理由

4. a ver = これから考える・確かめる(「どれどれ」「ちょっと待って」)

a vervamos a ver(さあ見てみよう)が短くなった形です。これから考える、これから確かめるという、未来に向かった時間稼ぎをします。

最大の落とし穴は、haber とまったく同じ発音だということ。a ver の ver は「見る」の verだと覚えておきましょう。

【例】
・A ver, ¿qué tenemos aquí?
(どれどれ、ここには何があるかな。)
・A ver si nos vemos pronto.
(近いうちに会えるといいね。)

a verの意味と使い方|「どれどれ」を表すスペイン語とhaberとの違い

日本語のつなぎ言葉との対応表

コダック

実は日本語はつなぎ言葉がとても豊富な言語なんです。

だから「新しく覚える」というより、すでに持っているものを置き換えるだけで済むんですよ!

「えーと」「あのー」(単語を探す)⇒ este

「そうですね」「まあ」(答えを組み立てる)⇒ pues

「つまり」「というか」(言い直す)⇒ o sea

「どれどれ」「ちょっと待って」(これから考える)⇒ a ver

4つとも日本語に対応するものがあるんだ。思ったより身近だな。
コダック

そうなんです!

特に「というか」と o sea は働きがほぼ同じです。「Aだ。というかBだ」という言い直しの感覚を、そのまま A, o sea, B に置き換えられますよ。

日本語話者がやりがちな2つの失敗

ここからが、日本語を母語とする学習者にとって一番実用的なところです。

失敗1:「えーと」がそのまま口から出てしまう

スペイン語を話しているのに、詰まった瞬間に「えーと」「あのー」がそのまま出てしまう。これは日本語話者に最も多い癖です。

問題は、この音がスペイン語話者にはまったく通じないことです。相手は「今なにか日本語で言ったのかな?」と一瞬混乱してしまいます。

うわ、絶対やってるやつだ。無意識だから止められる気がしないな…。
コダック

大丈夫、これは「止める」のではなく「差し替える」と考えると一気に楽になります!

「えーと」が出そうになったらeste、「そうですね」が出そうになったらpues1対1で紐づけて練習するのがコツですよ。

差し替え練習のやり方
①日本語で1分間、自由に話して録音する
②自分が「えーと」「あのー」と言った回数を数える
③同じ話題をスペイン語で話し、その位置で estepues を出す

※最初はわざとらしくて構いません。意識して出せる状態を作るのが目的です。

失敗2:つなぎ言葉を入れすぎてしまう

日本語には「沈黙を埋めなければ」という圧が強いという特徴があります。会話中に数秒黙ると気まずい、という感覚ですね。

その癖のままスペイン語を話すと、つなぎ言葉が多くなりすぎます。特に o sea の連発は耳につきやすく、「口癖の人」という印象を与えてしまいます。

えっ、せっかく覚えたのに使いすぎちゃダメなの?
コダック

ここが本当に大事なところです!

つなぎ言葉は「たくさん覚えて全部使う」ものではありません。使いすぎると muletilla(口癖)として悪目立ちしてしまうんですよ。

初学者への結論|まず1つだけ体に入れる

4つ紹介しておいてこう言うのも変ですが、最初は1つで十分です

おすすめは pueseste。この2つは使える場面が広く、どの地域でも通じます。1つが完全に自動で出るようになってから、次を足す——この順番が結局いちばん速いです。

つなぎ言葉の「引き算」の考え方

●まず pueseste を1つだけ、無意識で出るまで使う
●同じ言葉を1文の中で2回以上は使わない
黙って考える間(ま)は、実は不自然ではない
 ⇒ スペイン語話者も普通に数秒黙ります。埋めなくていいのです
●「日本語のつなぎ言葉が出ない」状態まで来たら合格

黙ってもいいんだ…。それ聞いて急に気が楽になったかも。
コダック

そこが一番伝えたかったことです!

つなぎ言葉は沈黙を消す道具ではなく、「今考えています」と相手に伝える合図なんです。合図は1つあれば足りますよね。

スペイン語のつなぎ言葉まとめ

以下、この記事のまとめです。

●スペイン語のつなぎ言葉はmuletillaと呼ばれ、代表は este / pues / o sea / a ver の4つ
●役割は「何のために時間を稼いでいるか」で分かれる
 ⇒este=単語を探す/pues=答えを組み立てる
 ⇒o sea=さっき言ったことを言い直す/a ver=これから考える
●日本語の「えーと」「そうですね」「つまり」「どれどれ」がそのまま対応する
●日本語話者の落とし穴は①「えーと」がそのまま出る②入れすぎるの2つ
●最初は pueseste を1つだけ。黙って考える間があっても不自然ではない
コダック

4つの全体像がつかめたら、あとは1つずつ深掘りしていきましょう!

この記事の途中に、それぞれの個別解説へのリンクを置いてありますので、気になったものから読んでみてくださいね。

まずはpuesからやってみるよ。ありがとう!