lo siento・perdón・disculpaの違い|「時間軸」で選べば一発で決まる3つの使い分け

コダック
今日はlo siento・perdón・disculpaの使い分けを、とことん詰めていきましょう!

この3つ、辞書ではどれも「すみません」「ごめんなさい」と出てきます。だから多くの学習者が「結局どれを使えばいいの?」で止まってしまうんですよね。

そこで今日は、3つを時間軸の上に並べるという方法をお伝えします。これが一番スッと入りますよ!

結論:3つを分けているのは「出来事とのタイミング」

いきなり結論からいきます。この3つは丁寧さの順番ではありません謝る対象の出来事と、自分がどのタイミングにいるかで分かれています。

時間軸で並べた3つの表現

【これから】まだ何も起きていない。今から声をかける・お願いする
disculpa / disculpe

【たった今】ぶつかった、割り込んだ、聞き逃した。今この瞬間
perdón

【もう起きた】済んでしまった出来事が、まだ心に引っかかっている
lo siento

そっか、未来・現在・過去で並んでるんだ。丁寧さの順番だと思い込んでたけど、そもそも並べる向きが違ったんだね。
コダック

まさにその通りです!

日本語の「ごめん/ごめんなさい/申し訳ありません」は縦に積み上がる階段ですが、スペイン語の3つは横に流れる時間の線の上に置かれているんです。

向きが90度違うので、日本語の感覚のまま覚えようとすると混乱するわけですね!

この「時間軸」の見方が優れているのは、単語の作りとちゃんと一致しているところです。次から1つずつ確かめていきましょう。

disculpa / disculpe =【これから】の表現

disculpadisculpe は、動詞 disculpar命令形です。相手に向かって「〜してください」とお願いしている形なんですね。

disculpar の中身は dis-(打ち消す)+ culpa(罪・過失)。つまり「私の落ち度を、なかったことにしてください」と頼んでいるわけです。

コダック

ここがポイントです!命令形は、これから相手に動いてもらう形ですよね。

だから disculpa / disculpe は自然と「これから何かが起きる」向きを持つんです。

日本語でいうと「恐れ入りますが」「失礼ですが」にとても近い感覚ですよ!

実際、disculpe が出てくるのはほぼ必ず文の頭です。そのあとに本題が続きます。

disculpa / disculpe の基本例文

【道を尋ねる】
・Disculpe, ¿dónde está el baño?
(すみません、お手洗いはどこですか)

【店員を呼ぶ】
・Disculpe, ¿me trae la cuenta, por favor?
(すみません、お会計をお願いできますか)

【親しい相手に声をかける】
・Disculpa, ¿tienes un momento?
(ねえ、ちょっと時間ある?)

【話の腰を折る前置き】
・Disculpe que le interrumpa.
(お話の途中に失礼します)

確かに全部、そのあとに本題が来てるね。単独で「ディスクルペ!」だけ言うことは無いの?
コダック

ゼロではありませんが、かなり少ないですね

単独で投げるなら perdón のほうがずっと自然です。disculpe は続きがあるからこそ生きる語——そう覚えておくと使い分けが安定しますよ。

なお、末尾の a / e は丁寧さのスイッチです。disculpa は tú(親しい相手)、disculpe は usted(距離のある相手)。ここは間違えると印象が変わるので、別記事で詳しく扱っています。

perdón =【たった今】の表現

perdón は動詞ではなく名詞です。意味は「許し」。動詞 perdonar(許す)から生まれた語で、さらに遡ると後期ラテン語の perdōnāre、その中身は per-(すっかり)+ dōnāre(与える)です。

perdón の語源
ラテン語:per-(完全に)+ dōnāre(与える)

後期ラテン語:perdōnāre(すっかり与える=許す)

スペイン語:perdonar(許す)→ 名詞 perdón(許し)

※英語の pardon、フランス語の pardon も同じ家族

コダック

名詞である——これが perdón の使い勝手を決めています!

名詞なので活用も語尾変化も不要。相手が誰でも、そのまま一語でポンと投げられるんです。

とっさの場面で口をついて出るのが perdón なのは、この「軽さ」のおかげなんですよ!

perdón が使われるのは、ほんの一瞬前に何かが起きたときです。しかもその「何か」は、たいてい小さな出来事です。

perdón の基本例文

【ぶつかった瞬間】
・¡Perdón!
(あ、ごめんなさい!)

【聞き取れなかった】
・¿Perdón?
(え、すみません、もう一度いいですか)

【言い間違えた】
・Es el martes… perdón, el miércoles.
(火曜日です…あ、ごめんなさい、水曜日です)

【あらたまって謝る】
・Te pido perdón por lo de ayer.
(昨日のこと、本当にごめんなさい)

3つめの言い間違いの例、面白いな。自分で言い直すときにも使えるんだ。
コダック

よく使いますよ!日本語の「あ、間違えた、ごめん」と同じ感覚ですね。

ここで lo siento を使う人はまずいません。言い間違いに心を痛める人はいないからです。この違い、感覚として掴めてきましたか?

ちなみに Te pido perdón.(=あなたに許しを乞う)のように文の中に組み込むと、一語の perdón よりずっと重い謝罪になります。名詞だからこそ、こうして文の部品として使えるわけですね。

lo siento =【もう起きた】の表現

3つめの lo siento は、そもそも謝罪の言葉ですらありません。正体は「心の状態を報告する文」です。

lo(それを)+ siento(私は感じる/私は残念に思う)

⇒ 直訳:「私はそれを感じている」
⇒ 中身:「起きたことが、今も私の心に残っている」

動詞 sentir はラテン語の sentīre(感じる)から来ており、「感じる」に加えて「残念に思う」の意味を持ちます。原形の e が ie に変わって siento となる、語幹母音変化のタイプです。

「それ」って何を指してるの? lo が何なのか、いまいちピンと来ないんだけど。
コダック

いい着眼点です!lo は「すでに起きた出来事そのもの」を指しています。

つまり lo siento と言えるためには、指し示せる出来事がすでに存在していないといけないんです。

だから「これから声をかける」場面では使えない。指すべき「それ」がまだ無いからですね!

これで lo siento を店員さんの呼び出しに使うと変な理由が、文法から説明できました。存在しない出来事を「それ」と指しているので、聞いた側は「それって何のこと?」となってしまうわけです。

lo siento の基本例文

【本気の謝罪】
・Lo siento, fue culpa mía.
(ごめんなさい、私のせいです)
・Lo siento mucho, no volverá a pasar.
(本当にごめんなさい、二度としません)

【お悔やみ・同情】
・Lo siento mucho.
(本当にお気の毒です)
・Siento mucho lo de tu perro.
(ワンちゃんのこと、本当に残念です)

【断りの前置き】
・Lo siento, pero no puedo ayudarte hoy.
(申し訳ないけど、今日は手伝えません)

コダック

注目してほしいのがお悔やみの例です!

相手の飼い犬が亡くなったのは、こちらのせいではありませんよね。それでも lo siento が使える。

つまり lo siento は「私が悪い」ではなく「私も辛い」を言う表現なんです。ここが perdón との決定的な違いですよ!

えっ、じゃあ lo siento って、謝ってない場面でも使えるってこと? 「すみません」とはだいぶ守備範囲が違うんだ。

そうなのです。lo siento は責任の所在を問わない表現です。だから謝罪にもお悔やみにも断りにも使える。「私の心が痛んでいる」というただ一点だけを伝えていると考えてください。

2つの質問で答えが出る判断手順

ここまでを、実際に口を開く直前に使える2ステップの手順にまとめます。

迷ったときの2つの質問

質問1:もう何か起きましたか?
 ⇒ いいえ(これから声をかける)disculpe / disculpa で決定
 ⇒ はい:質問2へ

質問2:それは心が痛むようなことですか?
 ⇒ いいえ(ぶつかった程度)perdón
 ⇒ はい(本気で悪い・相手が辛い)lo siento

2回考えるだけで決まるんだ。これなら会話の途中でも間に合いそう。
コダック

そこが狙いです!

そしてもう一つ、初学者にとって心強い事実があります。どうしても迷ったら perdón を選べば、大事故にはなりません

perdón は守備範囲が最も広く、スペイン語圏の日常で最頻出。困ったときの避難場所として覚えておきましょう!

同じ場面で3つを並べてみる

理屈が分かったら、次は実感です。同じ場面で3つを入れ替えると、それぞれどう聞こえるのかを見てみましょう。

場面1:カフェで店員さんを呼びたい

Disculpe, ¿me trae un café?
(すみません、コーヒーをお願いできますか)
⇒ 完璧。これから頼むという流れにぴったり

Perdón, ¿me trae un café?
(あの、コーヒーもらえますか)
⇒ 通じる。ただし「割り込んでごめん」のニュアンスが少し混じる

× Lo siento, ¿me trae un café?
(残念に思います、コーヒーもらえますか)
⇒ 何を残念がっているのか分からず、相手が戸惑う

場面2:電車で人の足を踏んでしまった

¡Perdón!
(あ、ごめんなさい!)
⇒ 完璧。とっさの一語として最適

Disculpe.
(失礼しました)
⇒ 通じる。ただし少し形式ばって聞こえる

× Lo siento mucho.
(本当に心を痛めております)
⇒ 大げさすぎて「何か重大なことが起きたのか」と相手が身構える

場面3:友人との約束を無断ですっぽかした

Lo siento mucho, de verdad.
(本当にごめん、本気で)
⇒ 完璧。相手を傷つけた自覚が伝わる

Perdón.
(ごめん)
⇒ 軽すぎる。事の大きさに対して言葉が足りない

× Disculpa.
(ちょっといい?)
⇒ これから何か言い出すのかと思われる。謝罪として届かない

同じ場面で並べると違いがはっきり分かるね。特に3番目、perdón だと軽すぎるっていうのが意外だった。
コダック

そこが面白いところですよね!

perdón は万能ですが、万能ゆえに軽いんです。日本語の「ごめん」と同じで、重大な場面では言葉が軽く響いてしまう

だからこそ、重い場面のための lo siento がちゃんと用意されているわけですね!

日本語の「ごめん・すみません・申し訳ありません」との対応は?

ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。「結局、日本語の3段階と対応させてはダメなの?」

答えは「対応させると必ずどこかで破綻する」です。理由を図で見てみましょう。

安易な対応づけが破綻するポイント

【つい作りたくなる対応表】
ごめん = perdón
すみません = disculpa
申し訳ありません = lo siento

【この表が壊れる瞬間】
●訃報を聞いて「申し訳ありません」とは言わない
 ⇒ でもスペイン語は lo siento で正解
●店員を呼ぶとき「ごめん」でも「申し訳ありません」でもいける
 ⇒ でもスペイン語は disculpe 一択
●上司に遅刻を詫びるとき「申し訳ありません」
 ⇒ でもスペイン語は perdón por llegar tarde でも自然

本当だ、3つとも壊れてる…。やっぱり対応表を作るのは諦めたほうがいいんだね。
コダック

その割り切りが上達への近道です!

日本語は「相手が誰か」で選ぶ言語、スペイン語は「何が起きたか」で選ぶ言語。選択の基準そのものが違うので、単語同士を糸で結ぶことに意味がないんです。

その代わり、スペイン語では丁寧さを別の場所——tú と usted の切り替え——で担当させています。役割分担が違うだけなんですよ!

地域による使い方の違い

スペイン語は20か国以上で話される言語なので、地域差もあります。とはいえ基本の使い分けはどこでも共通で、変わるのは「どれをより好むか」という頻度の部分です。

  • スペインperdona / perdone(perdonar の命令形)が好まれる傾向があります。
  • メキシコ:人に声をかけるときの disculpe の使用が目立ちます。また人の前を通るときの con permiso が非常によく使われます。
  • アルゼンチンなど:tú ではなく vos を使う地域では、命令形が変わって disculpá の形になります。
disculpá? アクセントの位置が最後に来てる。これも別の活用ってこと?
コダック

その通りです!アルゼンチンやウルグアイ、中米の一部では の代わりに vos という代名詞を使います。

vos の命令形は原形の最後の r を取るだけという、実はとても分かりやすいルールなんです。

disculpardisculpá、perdonarperdoná。強く読む位置が最後に残るので、アクセント記号が付くんですね!

とはいえ、初学者が地域差を気にする必要はほとんどありませんperdón・disculpe・lo siento は全地域で通じます。まずは標準の形をしっかり身につけて、旅行先や会話相手に合わせて後から調整すれば十分です。

lo siento・perdón・disculpaの違いまとめ

●3つを分けているのは丁寧さではなく「出来事とのタイミング」
disculpa / disculpe=これから(命令形なので「これから動いてもらう」向き)
perdón=たった今(名詞なので一語でポンと投げられる)
lo siento=もう起きた(lo が指す出来事が既に存在している必要がある)
●判断は2つの質問で決まる
⇒ 質問1「もう何か起きた?」/質問2「心が痛むこと?」
迷ったら perdón。最も守備範囲が広く、大事故にならない
lo siento は「私が悪い」ではなく「私も辛い」を言う表現
⇒ だからお悔やみにも断りにも使える
●日本語の3段階との1対1対応は必ず破綻する
⇒ 選択の基準(相手/出来事)が根本的に違うため
時間軸で並べるっていう考え方、すごく分かりやすかった。もう「どれが一番丁寧か」って迷わなくて済みそう。
コダック

その一言が聞けて嬉しいです!

あとは実際の会話で使ってみるだけですね。最初は完璧じゃなくて大丈夫。perdón を軸にしながら、少しずつ disculpe と lo siento を混ぜていく——この順番でいきましょう!

コダック
スペイン語の謝罪表現については、全体像をまとめた記事もご用意しています。
「すみません」が4つの単語に割れる話や、謝られたときの返し方まで通しで確認したい方はこちらもどうぞ!

スペイン語の謝る表現まとめ|lo siento・perdón・disculpaは「丁寧さ」ではなく「用途」で選ぶ

参考文献
「Wiktionary – perdón / disculpar / disculpa / disculpe / sentir / lo siento(https://en.wiktionary.org/wiki/perdón)」
「Wikipedia – Voseo(https://en.wikipedia.org/wiki/Voseo)」
「MosaLingua – Sorry in Spanish: Lo Siento, Perdón and Disculpa(https://www.mosalingua.com/en/sorry-in-spanish/)」
「Migaku – How to Say Excuse Me in Spanish(https://migaku.com/blog/spanish/excuse-me-in-spanish)」