【語源で覚える】「liber / libr」に見える3つの語源まとめ|自由・本・重さを区別しよう

 
コダック
今日のテーマは”liber / libr”

ただし、今回は一つのコアイメージだけでまとめてはいけません。

liber・librに見える英単語には、主に三つの別のラテン語が混在しています。

①束縛されていない「自由」
②文字を書く材料から生まれた「本」
③左右を比べる「重さ・天秤」

この三つを分ければ、liberty・liberal・deliver・library・libel・deliberate・equilibriumなどを混乱せずに覚えられますよ!

 

 
libraryとlibertyは最初の文字がほとんど同じだよね。「自由な本」という同じ語源なの?
 
コダック
いいえ!

libertyはラテン語līber「自由な」の家族。
libraryは別のラテン語liber「本・樹皮」の家族です。

さらにdeliberateequilibriumには、lībra「重さ・天秤」が関係します。

同じliber / librに見えても、語源の景色は別なんです!

 

liber / librに見える三つの語源

 

語源 コアイメージ 代表語
ラテン語līber 束縛されていない・自由な liberty / liberal / liberate / liberation / deliver
ラテン語liber 木の内側の樹皮・そこへ書かれた本 library / librarian / libel / libretto / ex libris
ラテン語lībra 重さ・天秤・左右を釣り合わせる Libra / lb / deliberate / equilibrium / libration

 

三つの景色で覚えよう

自由のliber
鎖や束縛を外し、自分の意思で動ける

本のliber
木の内側の樹皮へ文字を書き、記録を残す

重さのlibra
天秤の左右へ物を載せ、重さを比べて釣り合わせる

 

 
「鎖」「本」「天秤」の三枚の絵を用意すればいいんだね。
 
コダック
その覚え方が一番安全です!

単語を見たら、自由にしている? 本にしている? 重さを量っている?と確認してみましょう。

 

【自由】līberのコアイメージは「束縛から解放されている」

 

自由の家族は、ラテン語”līber(自由な・奴隷ではない)”に由来します。

身体的な拘束から自由であることから、法律・政治・思想・行動・選択などの自由へ意味が広がりました。

「自由」から生まれる意味

●鎖や監禁から解放する
⇒liberate / liberation

●行動や選択を自分で決められる自由
⇒liberty

●自由人にふさわしい教育・寛大さ
⇒liberal / liberal arts

●拘束された状態から外へ出し、相手へ渡す
⇒deliver

●制限を極端に嫌い、自由を重視する
⇒libertarian

 

【本】liberのコアイメージは「樹皮に書かれた記録」

 

本の家族は、ラテン語”liber(木の内側の樹皮・本)”に由来します。

古代には木の内側の樹皮が文字を書く材料として使われたため、材料の名前が「文書・巻物・本」を表すようになりました。

「本」から生まれる意味

●本を集めて保管する場所
⇒library

●本を管理する人
⇒librarian

●小さな本・書面
⇒libellus

書面による中傷
⇒libel

●小さな本・歌劇の台本
⇒libretto

 

【重さ】lībraのコアイメージは「天秤で量って釣り合わせる」

 

重さの家族は、ラテン語”lībra(重さ・天秤・はかり)”に由来します。

物の重さを量る具体的な行為から、二つの選択肢を比べる、力を釣り合わせる、均衡を保つという抽象的な意味へ広がりました。

「天秤」から生まれる意味

●重さを量る単位・はかり
⇒Libra / lb

●左右の力を等しく釣り合わせる
⇒equilibrium

●賛成と反対を天秤に載せて慎重に考える
⇒deliberate

●天秤のように揺れ動く
⇒libration

 

 
コダック
ここで特に注意したいのがliberatedeliberateです。

liberateは自由のliber
deliberateは一般に天秤のlibraと関連付けて説明されます。

一文字違いに見えますが、コアイメージは「鎖を外す」と「重さを比べる」で別です。

 

【単語一覧】liber / librを持つ英単語まとめ

 

līber「自由な」系

単語 語源・構成 直訳イメージ 主な意味
liberty līber(自由な)+-ty 束縛されず自由である状態 自由・権利
liberal līber(自由な)+-al 自由人にふさわしい・制限が少ない 自由主義の・寛大な・豊富な
liberate līber(自由な)+-ate 自由な状態にする 解放する
liberation liberate+-ion 自由な状態にすること 解放
liberator liberate+-or 人々を自由にする者 解放者
libertarian liberty+-arian 個人の自由を重視する人 自由至上主義者
libertine ラテン語libertinus(解放された者) 拘束を受けず自由に振る舞う人 放蕩者・自由思想家
deliver de-+līberāre(自由にする) 拘束から解き放ち、手渡す 届ける・引き渡す・救い出す
deliverance deliver+-ance 危険・束縛から自由になること 救出・解放

 

liber「本・樹皮」系

単語 語源・構成 直訳イメージ 主な意味
library liber(本)につながるlibrarium 本を保管する場所 図書館・蔵書・ライブラリ
librarian library+-an 本の場所を管理する人 司書・図書館員
libel libellus(小さな本・書面) 人について書かれた有害な文書 文書による名誉毀損
libelous libel+-ous 文書で評判を傷つける性質の 名誉毀損となる
libretto イタリア語libro(本)の指小形 小さな本・歌劇の台本 オペラなどの台本
librettist libretto+-ist 台本を書く人 台本作家
ex libris ex(〜から)+libris(本々から) 〜の蔵書から 蔵書票・書物の所有表示

 

lībra「重さ・天秤」系

単語 語源・構成 直訳イメージ 主な意味
Libra lībra(天秤) 左右の皿で重さを量る天秤 てんびん座
lb ラテン語lībraの略 重さを表す単位名の名残 ポンドの略号
equilibrium equi-(等しい)+lībra(天秤) 天秤の左右が等しい 均衡・平衡
equilibrate equilibriumにつながる動詞 左右の力を釣り合わせる 平衡状態にする
disequilibrium dis-(否定・分離)+equilibrium 天秤の釣り合いが崩れている 不均衡
deliberate de-+lībrāre(量る・釣り合わせる)とされる 選択肢を天秤に載せて考える 熟考する・慎重な・故意の
deliberation deliberate+-ion 賛否を量りながら考えること 熟考・審議
deliberately deliberate+-ly 考えた上で意図的に 故意に・慎重に
libration lībrāre(釣り合わせる)+-tion 天秤のように揺れ動くこと 秤動・振動
livre フランス語←ラテン語lībra 重さの単位から通貨単位へ 旧フランスなどの貨幣単位

 

 
一覧にすると、同じlibrでも「自由」「本」「天秤」のどれかで意味がきれいに分かれるね。
 
コダック
はい!

ただし、deliberateの詳しい成立については辞書でも「おそらく天秤のlibraから」と慎重に説明されることがあります。

語源を覚える時も、確実に分かっている部分と、推定を含む説明を分けておきましょう。

 

自由の家族を接頭辞・接尾辞で整理しよう

 

 
コダック

鎖が外れる景色で整理すると、以下のようになります!

liberty⇒「束縛されていない状態」=自由
liberate⇒「鎖や制限を外して自由にする」=解放する
liberal⇒「自由人にふさわしく、制限が少なく寛大」=自由主義の・寛大な
deliver⇒「拘束から解き放ち、相手へ渡す」=届ける・救い出す

 

libertyとfreedomの違い

 

どちらも「自由」と訳せますが、焦点が少し異なります。

単語 中心となるイメージ 使い方の目安
liberty 法律・社会・権利によって認められた自由 civil liberty / individual libertyなど、やや形式的
freedom 束縛・制限・不安などがない自由な状態全般 freedom of speech / freedom from fearなど幅広い
 
libertyは社会や権利の文脈で使われやすく、freedomはもっと幅広い「自由」なんだね。
 
コダック
その理解でよいです!

ただし、実際には重なる表現も多くあります。単語だけで完全に線を引くのではなく、よく一緒に使われる語との組み合わせを確認してください。

「liberty」の意味・使い方、freedomとの違いを詳しく見る

 

liberalの意味はなぜ多い?

 

liberalは、もともと「自由人にふさわしい」という意味を持ちました。

そこから、考え方が自由である、制限が厳しくない、物を惜しまず与える、量が豊富であるという複数の意味へ広がりました。

liberalの主な意味

●liberal ideas
伝統や制限に縛られにくい考え
⇒自由主義的な・進歩的な

●a liberal amount
惜しまず多く与えられた量
⇒たっぷりの

●a liberal interpretation
規則を狭く限定しすぎない解釈
⇒幅広い・寛大な

●liberal arts
歴史的に自由人にふさわしいとされた教養
⇒一般教養・人文学系の学問

 

 
liberalをいつでも「政治的にリベラル」と訳すわけではないんだね。
 
コダック
はい!

量について使えば「たっぷりの」、態度なら「寛大な」、教育ならliberal arts、政治なら国や時代によって指す立場が変わります。

必ず周囲の名詞と文脈を確認しましょう。

 

deliverはなぜ「解放する」から「届ける」になる?

 

deliverは、後期ラテン語”dēlīberāre(自由にする)”につながります。

拘束や管理下から物・人を自由にして引き渡すことから、「相手の手元へ届ける」「約束した物を提供する」という意味へ広がりました。

deliverの意味の流れ

拘束・危険から自由にする

管理していた物を手放して相手へ渡す

荷物・手紙を届ける

演説・成果・約束した結果を提供する

 

【例文】
・The package was delivered this morning.
(その荷物は今朝配達されました。)
・The rescue team delivered the hikers from danger.
(救助隊は登山者たちを危険から救い出しました。)
・She delivered an excellent presentation.
(彼女はすばらしいプレゼンテーションを行いました。)

 
コダック
「自分の管理下から解き放って、相手の手元へ渡す」と考えると、救出と配達が一つの景色でつながります。

 

libraryとlibertyは同じ語源ではない

 

単語 元のラテン語 コアイメージ
liberty līber「自由な」 束縛されていない
library liber「樹皮・本」 樹皮へ書かれた記録・本
 
つづりはそっくりだけど、片方は鎖、もう片方は木の皮なんだね。
 
コダック
その通りです!

libraryを「自由な場所」と説明すると覚えやすそうに見えますが、語源的には正しくありません。

library=本、liberty=自由と明確に分けましょう。

 

libelはなぜ「本」から「文書による名誉毀損」になる?

 

libelは、ラテン語”libellus(小さな本・小文書)”に由来します。

もともとは小冊子や書面を表し、書面を使って人の評判を傷つける内容が広められたことから、現在の「文書による名誉毀損」へ意味が限定されました。

 
libelのlibはlibertyの自由ではなく、libraryの本なんだね。
 
コダック
はい!

現代では法律用語として使われるため、単に「悪口」と覚えず、書かれたり公表されたりした名誉毀損という点を押さえてください。

 

libelとslanderの違い

 

単語 伝え方の中心 日本語の目安
libel 文章・印刷物・画像など、公表された形による名誉毀損 文書による名誉毀損
slander 主に話し言葉による名誉毀損 口頭による中傷
 
コダック
大まかには、書かれた中傷がlibel、話された中傷がslanderです。

ただし法的な定義は国や地域によって異なるため、実際の法律問題では現地の専門家や法令を確認してください。

 

librettoはなぜ「オペラの台本」になる?

 

librettoは、イタリア語”libro(本)”の小さい形で、文字どおりには「小さな本」です。

歌劇の歌詞・せりふ・場面進行をまとめた小冊子を指したことから、現在の「オペラ・ミュージカルなどの台本」になりました。

【例文】
・She wrote the libretto for the new opera.
(彼女は新しいオペラの台本を書きました。)

 

deliberateは「自由にする」ではなく「天秤で量る」

 

deliberateは、形だけ見るとde-+liber「自由」に見えます。

しかし、一般にはラテン語”lībrāre(量る・釣り合わせる)”と”lībra(天秤)”に関連付けられ、選択肢の長所と短所を天秤に載せて考えるイメージで説明されます。

deliberateの意味の流れ

賛成と反対を天秤に載せる

長所と短所を慎重に比較する

十分に熟考する

考えた上で選んだため意図的な・故意の

 

【例文】
・The committee deliberated for several hours.
(委員会は数時間にわたって審議しました。)
・It was a deliberate decision.
(それは慎重に考えた上での決定でした。)
・He deliberately ignored the warning.
(彼は故意にその警告を無視しました。)

「deliberate」の意味・発音、動詞と形容詞の違いを詳しく見る

「deliberately」の意味・使い方、intentionallyとの違いを詳しく見る

 

deliberateとliberateの違い

 

単語 語源の中心 意味
deliberate lībra「天秤・重さ」に関連するとされる 熟考する・慎重な・故意の
liberate līber「自由な」 束縛や支配から解放する
 
deliberateは天秤に載せて考える。liberateは鎖を外す。これなら混同しにくいね。
 
コダック
はい!

さらにdeliverは「解き放って手渡す」という自由の家族なので、deliverとliberateは近く、deliberateは別と整理できます。

 

equilibriumは「等しい天秤」

 

equilibriumは、ラテン語”aequi-(等しい)+lībra(重さ・天秤)”から成る単語です。

天秤の左右が同じ高さで止まる景色から、物理・化学・生物・経済・感情など、対立する力が釣り合っている状態を表します。

equilibriumが使われる場面

●物理的な力が釣り合う
⇒mechanical equilibrium

●化学反応の正反応と逆反応が釣り合う
⇒chemical equilibrium

●需要と供給などが釣り合う
⇒market equilibrium

●気持ちが落ち着き、心の釣り合いが戻る
⇒emotional equilibrium

 

 
コダック
equi-=等しいlibr=天秤

この二つが見えれば、equilibriumの「均衡」はほぼそのまま理解できますね。

 

なぜポンドの略号はpではなくlbなの?

 

英語のpoundはpから始まりますが、略号はlbです。

これは英単語poundの頭文字ではなく、ラテン語lībraに由来する歴史的な略号だからです。

 
5 poundsを5 lbと書くのは、天秤・重さを表すlibraの名残なんだね。
 
コダック
その通りです!

単位名そのものは英語でpoundですが、略号だけにラテン語の歴史が残っています。

 

注意!balanceやcaliberを無理にlibrへ入れない

 

「重さ・釣り合い」に関係する単語が、すべてlībraから生まれたわけではありません。

balanceは別のラテン語系の成り立ちを持ち、caliberも一般にアラビア語系の語へさかのぼります。

 
意味が「重さ・釣り合い」なら、何でもlibrの仲間というわけではないんだね。
 
コダック
はい!

語根学習では、似た意味を持つ単語を関連付けるだけでなく、語源的には別である単語を分けることも大切です。

 

liber / librについてのよくある疑問

 

Q1. liberは「自由」と「本」のどちらを意味する?

 
コダック
ラテン語には、綴りが似た別の語としてlīber「自由な」liber「本・樹皮」がありました。

英単語の意味を見て、自由・解放なら前者、本・文書なら後者と判断します。

 

Q2. deliberateはlibertyの仲間?

 
コダック
通常は別の家族として整理します。

deliberateは、賛否を天秤で量るイメージから、lībra「重さ・天秤」に関係すると説明されます。ただし、成立の細部には推定を含む辞書説明もあります。

 

Q3. libraryは「自由に本を読める場所」という語源?

 
コダック
いいえ。libraryはラテン語liber「樹皮・本」につながり、本を保管する場所という成り立ちです。

「自由に読める場所」は覚え方としても語源説明としても使わない方が安全です。

 

Q4. 最初に覚えるならどの6語がおすすめ?

三つの家族から2語ずつ

【自由】
liberty=束縛されていない状態 → 自由
liberate=自由な状態にする → 解放する

【本】
library=本を保管する場所 → 図書館
libel=小さな書面 → 文書による名誉毀損

【天秤】
deliberate=賛否を量る → 熟考する・故意の
equilibrium=天秤の左右が等しい → 均衡

 

liber / librの語源・覚え方まとめ

 

●liber / librに見える単語には、主に三つの別のラテン語が混在する

【自由の家族】
līber=束縛されていない・自由な
liberty=自由な状態 ⇒ 自由・権利
liberal=自由人にふさわしい ⇒ 自由主義の・寛大な
liberate=自由な状態にする ⇒ 解放する
deliver=拘束から解き放って渡す ⇒ 届ける・救い出す

【本の家族】
liber=木の内側の樹皮・本
library=本を保管する場所 ⇒ 図書館
libel=小さな本・書面 ⇒ 文書による名誉毀損
libretto=小さな本 ⇒ オペラなどの台本

【重さ・天秤の家族】
lībra=重さ・天秤
lb=lībraに由来するポンドの略号
equilibrium=等しい天秤 ⇒ 均衡
deliberate=選択肢を天秤で量る ⇒ 熟考する・故意の
libration=天秤のように揺れる ⇒ 秤動

●libraryとlibertyは同じ語源ではない
●liberateとdeliberateも別の景色で覚える
●単語を見たら、「鎖・本・天秤のどの絵?」と考えてみよう!

 
 
コダック
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同じ綴りに見える別語源を区別できるようになると、語根学習の正確さが大きく上がりますよ!

【まとめ・各単語の覚え方】英単語の効率的な覚え方【語源と絡めて記憶力アップ】

参考文献・語源確認
「南出康世(2014), ジーニアス英和辞典 第5版, 大修館書店」
「Merriam-Webster:liberty / liberal / liberate / liberation / deliver / library / libel / libretto / Libra / lb / deliberate / deliberately / equilibrium / libration / livre