soyとestoyの違いは「だ」と「いる・ている」!スペイン語で自分のことを話すときの使い分け

コダック
今日のテーマは「soy」と「estoy」の使い分けです!

どちらも日本語にすると「私は〜です」。英語ならどっちも I am の一言で済むのに、スペイン語では2つに割れてしまうんですよね。

でも安心してください。日本語話者には、実はとても分かりやすい見分け方があります。

えー、ほんとに?自己紹介しようとするたびに固まっちゃうんだけど…。

soyとestoyの違いは「〜だ」か「〜にいる・〜ている」か

まず結論から言ってしまいます。

日本語に訳したときに「〜だ」になるなら soy、「〜にいる」「〜ている」になるなら estoy。これだけで、初級レベルで出会う場面の大半は正しく選べます。

いちばん最初に覚えるべき対応関係

soy ⇒ 日本語の「〜だ/〜である」(断定・分類)
・Soy profesor.(私は先生。)

estoy ⇒ 日本語の「〜にいる」「〜ている」(存在・状態)
・Estoy en casa.(私は家にいる。)
・Estoy cansado.(私は疲れている。)

あ、待って。日本語も「先生だ」と「家にいる」って、そもそも全然違う言葉を使ってるね…!
コダック

そこに気づけたら、もう半分は終わったようなものです!

英語話者がser/estarで苦しむのは、英語だと「I am a teacher」も「I am at home」も同じ am だからなんです。

でも日本語は「だ(断定)」と「いる(存在)」が最初から別の言葉。つまり私たちは、スペイン語と同じ切り分けをすでに毎日やっているんですよ!

スペイン王立アカデミー(RAE)の辞書を引いても、この分担ははっきり書かれています。

ser の第一義は「主語について、属性が意味することを断言するために用いる(copulat. U. para afirmar del sujeto lo que significa el atributo)」。一方 estar は「人や物について、この場所・あの場所、状況、condición、現在のあり方に存在する・見出される(Existir, hallarse en este o aquel lugar, situación, condición o modo actual de ser)」。

つまり ser は「言い切る」ための動詞、estar は「見つかる・その状態にある」ための動詞なんです。

この記事では、一人称(自分のこと)を話す場面に絞って、soy と estoy の使い分けを一つずつ潰していきます。自己紹介、体調、居場所、気分——スペイン語を始めて最初の1か月で必ず全部出てくる場面ばかりです。

soyを使う場面:自分を「何者か」に分類するとき

soy は、自分をあるカテゴリーの中に放り込むときの動詞です。「私は〈○○という種類の人間〉です」と宣言している、と考えてください。

1. 名前・国籍・出身

自己紹介の一行目は、ほぼ確実に soy です。

名前・国籍・出身の例文

Soy Kenji.
(私はケンジです。)
Soy japonés.
(私は日本人です。※女性なら japonesa)
Soy de Osaka.
(私は大阪の出身です。)
・Mi apellido es Tanaka.
(私の名字は田中です。)

全部「〜です/〜だ」で訳せるやつだね。じゃあ estoy japonés とは言えないってこと?
コダック

言えません!これは好みの問題ではなく、文法的に不可能なんです。

RAEの『スペイン語誤用辞典(Diccionario panhispánico de dudas)』にも、出身を表す形容詞について「Soy cacereña(私はカセレス出身だ)とは言えるが、*Estoy cacereña とは言えない」とはっきり書かれています。

つまり出身・国籍は estar が入る余地がゼロ。迷う必要すらない、ありがたい場所です。

2. 職業・身分

「私は〇〇です」と職業を名乗るときも soy です。ここで大事なのは、スペイン語では職業名に冠詞(un / una)を付けないという点。英語の「I am a teacher」につられて un を入れたくなりますが、通常は不要です。

職業・身分の例文

Soy profesor de inglés.
(私は英語の先生です。)
Soy estudiante de Derecho.
(私は法学部の学生です。)
Soy ingeniera.
(私はエンジニアです。※女性形)
Soy el hermano mayor.
(私が長男です。)

3. 見た目・性格

身長・髪の色・性格など、「その人はどんな人か」を説明する特徴も soy です。

見た目・性格の例文

Soy alto.
(私は背が高いです。)
Soy muy tímido.
(私はとても内気です。)
Soy optimista.
(私は楽天家です。)
・No soy paciente.
(私は気が長いほうではありません。)

コダック

ここ、日本語に訳すときのコツがあります。

Soy tímido は「私は内気な人間だ」。つまりプロフィール欄に書けるような、その人の説明なんです。

「今日はなんだか内気になってる」という今日限りの話ではありません。そこが後で出てくる estoy との分かれ目になりますよ!

estoyを使う場面:自分が「今どういう状態か」を言うとき

estoy は反対に、「自分が今どうなっているか」を言う動詞です。日本語なら「〜にいる」「〜ている」で訳せる場面がほぼ全部これに当たります。

1. 居場所(〜にいる)

これは一切例外がありません。自分がどこにいるかは、必ず estoy です。

居場所の例文

Estoy en casa.
(私は家にいます。)
Estoy en la oficina.
(私はオフィスにいます。)
Estoy aquí.
(私はここにいます。)
Estoy en Madrid desde el lunes.
(月曜から私はマドリードにいます。)

「いる」で訳せるやつは estoy…これはめちゃくちゃ覚えやすいな!

2. 気分・体調(〜ている)

疲れている、緊張している、風邪をひいている。今この瞬間の自分のコンディションは estoy の担当です。

気分・体調の例文

Estoy cansado.
(私は疲れています。)
Estoy nervioso.
(私は緊張しています。)
Estoy resfriado.
(私は風邪をひいています。)
Estoy muy satisfecho con el resultado.
(私はその結果にとても満足しています。)
Estoy bien, gracias.
(元気です、ありがとう。)

コダック

4つめの Estoy muy satisfecho(満足している)に注目してください。

実はこれ、*Soy muy satisfecho とは言えません。RAEの誤用辞典でも、この語は「必ず何かの行為や過程の結果として生じる状態を表すため、estar としか組み合わせられない形容詞」の例として挙げられています。

つまり「満足する」は、何かがあった結果そうなるもの。だから estar しか受け付けないんですね。

そっか、「満足だ」じゃなくて「満足している」だもんね。日本語でも「ている」が付いてる…!

3. 「〜しているところだ」= estoy + 現在分詞

estar には、動詞の -ando / -iendo 形(現在分詞)と組んで「今〜しているところだ」を作る役割もあります。ここでも soy は絶対に使いません。

estoy + 現在分詞の例文

Estoy estudiando español.
(私はスペイン語を勉強しているところです。)
Estoy buscando mis llaves.
(私は鍵を探しています。)
Estoy trabajando ahora mismo.
(私は今まさに仕事中です。)

RAEの誤用辞典では、この形は「行為をその進行の途中にある姿として提示する迂言法」と説明されています。日本語の「〜ている」とほぼ同じ働きだと考えて差し支えありません。

決定的な目印:うしろに「名詞」が来たら必ず soy

コダック

ここで、迷ったときに100%機械的に使える判定法を1つお渡しします!

「私は〜だ」の〜の部分が名詞なら、絶対に soy。

profesor(先生)、estudiante(学生)、japonés(日本人)、madre(母)…こういう「人や物の名前」が来たら、estoy は使えません

Soy médico.(私は医者だ)
× Estoy médico.

Soy su hija.(私は彼の娘だ)
× Estoy su hija.

名詞が来たら ser 一択。estar は「状態」担当なので、そもそも人を分類できない。

おお、これは強い!迷う場面が一気に減るね。
コダック

そうなんです。本当に迷いが発生するのは、うしろが形容詞のときだけ

名詞なら soy、場所なら estoy。この2つを先に確定させてしまえば、残る戦場はぐっと狭くなりますよ!

初学者がつまずく3つの場面

ここからは、実際にスペイン語を話し始めると必ず引っかかる「グレーゾーン」を潰していきます。

場面①:Soy de Osaka と Estoy en Osaka

どちらも日本語では「大阪」が出てきますが、意味はまったく違います。

「出身」と「今いる場所」は別物

Soy de Osaka.
「私は大阪出身」⇒ 一生変わらないプロフィール

Estoy en Osaka.
「私は今大阪にいる」⇒ 明日には東京にいるかもしれない

この2つは並べて言うこともよくあります。Soy de Osaka, pero ahora estoy en Barcelona.(私は大阪出身ですが、今はバルセロナにいます。)——旅行先や留学先での自己紹介で、そのまま使える一文です。

場面②:職業でも estoy を使うことがある

えっ、職業は soy 一択じゃなかったの?さっきそう言ってたのに!
コダック

鋭いツッコミ、ありがとうございます!正確に言うと、職業名を「そのまま」うしろに置くなら soy 一択です。

でも estoy de + 職業 という形にすると、estar でも言えるようになるんです。この de が入るかどうかが分かれ目ですよ。

RAEの辞書には、estar の語義として「一時的にある職に就いている(Desempeñar temporalmente un oficio)」という項目があり、Estar DE albañil, DE cajera, DE cocinero(左官として/レジ係として/コックとして働いている)という例が挙げられています。

Soy camarero.
⇒「私はウェイター」=それが私の職業・肩書き

Estoy de camarero este verano.
⇒「この夏はウェイターをやっている」=本業は別にあるかもしれない、期間限定の仕事

誤用辞典でも「人の職業や役職を示すには、de または como で導かれる補語を使える」として Estuvo de director en el instituto(彼は高校で校長を務めていた)、Está como cocinero en el Ritz(彼はリッツでコックをしている)が挙がっています。

なるほど、「〜だ」か「〜をやっている」かの違いか。日本語でもニュアンス変わるもんね!

場面③:Soy feliz と Estoy feliz

「幸せです」も、どちらの動詞でも言えてしまう有名な例です。

「幸せ」の2つの言い方

Soy feliz.
「私は幸せな人間だ」⇒ 人生全体、生き方としての幸福

Estoy feliz.
「私は今うれし/幸せを感じている」⇒ 何かがあって、今そういう気分

合格発表を見た直後なら Estoy muy feliz.、人生観を語る場面なら Soy feliz con mi vida.(私は自分の人生に満足している)。「原因になった出来事」が思い浮かぶなら estoy、と覚えると選びやすくなります。

¿Cómo eres? と ¿Cómo estás? はまったく別の質問

コダック

最後に、この2つの質問の違いが分かれば、soy と estoy の感覚は完全に身についたと言えます!

どちらも「あなたはどう?」に見えますが、返す答えが全然違うんですよ。

2つの「どう?」を答えで見分ける

Q:¿Cómo eres?(あなたはどんな人ですか?)
A:Soy tranquilo y un poco tímido.(私は落ち着いていて、少し内気です。)
性格・人柄を聞かれている

Q:¿Cómo estás?(元気ですか?/調子はどう?)
A:Estoy un poco cansado, pero bien.(ちょっと疲れてますが、元気です。)
今日のコンディションを聞かれている

わ、¿Cómo eres? に「元気です」って答えたら、話が噛み合わないやつだ…!
コダック

そうなんです、「あなたってどんな人?」に「元気です」と返すことになってしまいます(笑)。

ちなみに tranquilo という同じ形容詞でも、Soy tranquilo なら「私は落ち着いた性格だ」、Estoy tranquilo なら「今は落ち着いている(=さっきまで慌てていたかも)」。

動詞を変えるだけで、性格の話が今日の話に変わる。ここがスペイン語の面白いところですね!

soy と estoy の使い分けまとめ

以下、この記事の内容のまとめです。

soy=日本語の「〜だ」。自分を何かに分類するときの動詞
⇒ 名前・国籍・出身・職業・見た目・性格
うしろが名詞なら100% soy

estoy=日本語の「〜にいる」「〜ている」。自分の今の状態を言うときの動詞
⇒ 居場所・気分・体調・進行中の動作
「〜ている」で訳せたら estoy

●迷いポイント
⇒ Soy de Osaka(出身)/ Estoy en Osaka(今いる)
⇒ Soy camarero(職業)/ Estoy de camarero(期間限定の仕事)
⇒ Soy feliz(幸せな人生)/ Estoy feliz(今うれしい)
⇒ ¿Cómo eres?(どんな人?)/ ¿Cómo estás?(調子どう?)

「だ」か「いる・ている」か。この一本の線で考えればいいんだね。なんか自己紹介できる気がしてきた!
コダック

その調子です!

まずは Soy 〜.Estoy 〜. を口に出して、自分の自己紹介を5行だけ作ってみてください。頭で理解するより、口が覚えるほうがずっと早いですよ!

コダック
今回は「自分のことを話す」場面に絞って解説しました。
ser と estar というしくみそのものを最初から整理したい方は、下の総まとめ記事もあわせてどうぞ!

【総まとめ】スペイン語のserとestarの違い|be動詞が2つに割れる理由

参考文献
「Real Academia Española, Diccionario de la lengua españolahttps://dle.rae.es/serhttps://dle.rae.es/estar)」
「Real Academia Española y ASALE, Diccionario panhispánico de dudas, 2.ª ed.(https://www.rae.es/dpd/serhttps://www.rae.es/dpd/estar)」
「WordReference Spanish-English Dictionary(https://www.wordreference.com/)」