この2つ、英語ではどちらも ask の1語です。だから英語話者は必ずつまずくんですが、日本語話者はここが得意です。
なぜなら日本語にはすでに「頼む」と「聞く・質問する」という区別があるから。ほぼそのまま対応しますよ!
7割はそうです!ただし日本語の「聞く」が曲者なんですよ。
「時間を聞く」の聞くと、「お願いを聞いてもらう」の聞くは、まったく別のことをしていますよね。ここが混ざると事故ります。残り3割をしっかり潰していきましょう!
1問判定:返ってくるのがモノか、情報か
先に判定基準を出してしまいます。これ1つで大半は決まります。
答えとして返ってくるのが「モノ・行為」なら pedir
答えとして返ってくるのが「情報」なら preguntar
「コーヒーをください」と言えば、返ってくるのはコーヒーというモノ。だから pedir。
「今何時?」と言えば、返ってくるのは時刻という情報。だから preguntar。
pedir と preguntar のコアイメージ
pedir⇒「モノや行動を求める」= 日本語の「頼む」「お願いする」「注文する」
preguntar⇒「情報を求める」= 日本語の「尋ねる」「質問する」
pedir の使い方:モノ・行為を求める
1. 一番基本の形 ⇒ pedir + モノ
相手から何かを受け取りたいときはすべて pedir です。前置詞は要りません。
・Pedí un café.
(コーヒーを注文した。)
・Le pedí ayuda.
(彼に助けを求めた。)
・¿Te puedo pedir un favor?
(ひとつお願いしてもいい?)
2. レストランの注文は必ず pedir
ここは実用度がとても高いところです。飲食店での注文はすべて pedir。店員さんに「聞く」わけではなく、モノを「頼んでいる」からです。
・¿Qué vas a pedir?
(何にする?=何を注文する?)
・La cuenta, por favor. / Voy a pedir la cuenta.
(お会計をお願いします。/お会計を頼んでくるね。)
pedir la cuenta は旅行でも留学でも必ず使う表現なので、フレーズごと覚えてしまいましょう!
「お会計」は店員さんに持ってきてもらうモノですよね。だから pedir。「返ってくるのはモノか情報か」で考えれば迷いませんよ!
3. 人に何かしてほしい ⇒ pedir que + 接続法
「〜してほしいと頼む」と言いたいときは、pedir que のあとを接続法にします。日本語からは見えない文法上のルールなので、ここは意識して覚える必要があります。
・Te pido que vengas temprano.
(早く来てほしいんだ。)※ vengas は venir の接続法
・Me pidió que le ayudara.
(彼は私に手伝ってほしいと頼んだ。)
いいところに気づきました!
pedir は「相手を動かそうとする動詞」だからです。querer(〜してほしい)や recomendar(勧める)も同じ仲間で、相手の行動に働きかける動詞は que のあとが接続法になります。
「まだ起きていないこと」をお願いしているので、事実を述べる形(直説法)ではないんですね!
なお × pedir de que という形は誤りです。que だけで繋ぎます。
preguntar の使い方:情報を求める
1. 疑問詞と一緒に使う
・Le pregunté la hora.
(彼に時間を聞いた。)
・Me preguntó dónde estaba el baño.
(彼はトイレがどこか私に尋ねた。)
・¿Te puedo preguntar cuándo sale el tren?
(電車がいつ出るか聞いてもいい?)
2. 「〜かどうか」を尋ねる ⇒ preguntar si
・Preguntó si estabas en casa.
(彼は君が家にいるかどうか尋ねた。)
・Voy a preguntar si está abierto.
(開いてるかどうか聞いてくるね。)
3. 人の消息や在否を尋ねる ⇒ preguntar por
preguntar por は「〜のことを尋ねる」「〜はいますかと聞く」という意味で、とてもよく使われます。
・Ayer estuvo aquí preguntando por ti.
(昨日、彼がここに来て君のことを聞いていたよ。)
・Preguntó por su madre.
(彼はお母さんの様子を尋ねた。)
ここで注意点をひとつ!preguntar por と pedir por は別物です。
preguntar por=人や物事について尋ねる
pedir por=値段を求める(¿Cuánto piden por este coche?=この車、いくらで売ってるの?)
同じ por でも中身が全然違うので、セットで覚えておきましょう!
「質問をする」は preguntar una pregunta ではない
日本語の「質問をする」をそのまま組み立てて × preguntar una pregunta と言ってしまう人が本当に多いのですが、これは言いません。
正しくは hacer una pregunta(質問を「する」)です。
・¿Te puedo hacer una pregunta?
(ひとつ質問してもいい?)
・Hizo muchas preguntas.
(彼はたくさん質問した。)
まさにその感覚です!動詞と名詞がほぼ同じ形で重なってしまうので、動詞側を hacer に譲るんですね。
覚え方はシンプルで、「質問を1個する」なら hacer una pregunta、「〜を聞く」なら preguntar + 内容。この2パターンだけです!
紛らわしい場面:「許可をもらう」はどっち?
実際の会話でよく迷うのが許可を取る場面です。ここも「返ってくるのはモノ・行為か、情報か」で決まります。
許可を取る2つの言い方
pedir permiso(許可をもらう)
⇒ 相手から「許可」という行為・お墨付きを受け取りにいく
Le pedí permiso a mi jefe.(上司に許可をもらった。)
preguntar si puedo(できるか尋ねる)
⇒ 「可能かどうか」という情報を確認しにいく
Voy a preguntar si puedo entrar.(入れるかどうか聞いてくる。)
日本語だとどちらも「聞いてくる」で済ませてしまいますが、前者は許可そのものを取りにいっていて、後者は可否を確認しているだけです。この差が動詞に出ます。
活用の落とし穴:pedir は語幹の母音が変わる
意味の使い分けが分かっても、活用でつまずいては使えません。この組で覚えるべき活用は1つだけです。
preguntar は完全な規則動詞なので、何も覚えることがありません。問題は pedir の方で、語幹の e が i に変わります。
pedir の現在形(e ⇒ i)
pido, pides, pide, pedimos, pedís, piden
⇒ nosotros と vosotros だけが e のまま(pedimos / pedís)
⇒ それ以外は全部 i になる
参考:preguntar は pregunto, preguntas, pregunta… と完全規則
変化するのはアクセントが語幹に乗るときだけ、と考えると理屈が通りますよ!
pedimos と pedís は語尾側にアクセントがあるので、語幹は e のまま。形が変わる4つと変わらない2つ——この分かれ方は servir(給仕する)や repetir(繰り返す)でもまったく同じです!
pedir / preguntar でやりがちな間違い
・× preguntar una pregunta
⇒ ○ hacer una pregunta(質問をする)
・「コーヒーを聞いた」つもりで × Le pregunté un café.
⇒ ○ Pedí un café.(注文はモノを求める行為なので pedir)
・× Te pido de que vengas.
⇒ ○ Te pido que vengas.(de は付けない。que のあとは接続法)
・「君のこと聞いてたよ」を × pidiendo por ti
⇒ ○ preguntando por ti(人の消息は preguntar por)
その通りです!日本語で「頼む」と言い換えられるなら pedir、「尋ねる」と言い換えられるなら preguntar。
迷ったら頭の中で日本語を「頼む」か「尋ねる」に置き換えてみる——これが一番速い確認方法ですよ!
pedir と preguntar の違い・まとめ
以下、この記事のまとめです。
●1問判定:返ってくるのがモノ・行為なら pedir、情報なら preguntar
●飲食店の注文はすべて pedir(pedir la cuenta=お会計をお願いする)
●人に何かしてほしいときは pedir que + 接続法(Te pido que vengas.)。× pedir de que は誤り
●preguntar por=人や物事について尋ねる/pedir por=値段を求める。別物なので混ぜない
●「質問をする」は hacer una pregunta。× preguntar una pregunta とは言わない
●活用:pedir は e ⇒ i(pido, pides, pide, pedimos, pedís, piden)/preguntar は完全規則
pedir と preguntar は、スペイン語が「話し手が求めているものの種類」を動詞に入れている例です。
同じ発想で2つに割れる動詞ペアが、スペイン語にはあと3組あります。まとめて見ると、覚えることが一気に減りますよ!
「Real Fast Spanish, Pedir vs Preguntar: How to Ask, Wonder & Request(https://www.realfastspanish.com/vocabulary/pedir-vs-preguntar)」
「SpanishDictionary.com Pedir vs. Preguntar por(https://www.spanishdict.com/compare/pedir/preguntar por)」