tick チェックを入れる イメージ図

【語源も分かって、忘れない】英単語「tick」の意味と使い方・覚え方・文法解説

 

 
コダック
今日の英語表現は”tick”

実はこの単語、語源の異なる3つの独立したストーリーを持っている面白い単語なんです。

それぞれの核心にあるイメージを紐解くことで、“tick”=「(時計の)カチカチいう音、チェック印」「マダニ」「(布団などの)厚手のカバー」という意味がすんなり繋がって記憶できますよ!

”tick”の意味と使い方 コアイメージは「小さな接触・記号・覆い」

 

”tick(発音:tík / ティック【名詞・動詞】)”は、主に①「カチカチという音、チェック記号(✓)」、②「(吸血性の)マダニ」、③「(寝具の)厚手のカバー」という3つの全く異なる意味を持つ単語です。

一見、何の関連性もないように思えますが、実はこれらは「語源が異なる3つの独立した言葉」が、たまたま同じスペルになったもの。それぞれの意味の核心(コアイメージ)を掴むことで、すっきりと整理して覚えることができますよ!

 

 
コダック
日常会話やビジネスシーンで圧倒的によく使われるのが、①の「カチカチ音・チェック記号(✓)」のグループ(tick1)です!

時計が「チクタク」と音を立てるのも、タスクを終わらせて「チェックを入れる」のも、すべてこの ”tick” で表現できます。

tick チェックを入れる イメージ図

”tick”の頻出フレーズ・語法・文法解説

”tick”を実務や会話で使いこなすために、絶対に押さえておきたい重要イディオム・頻出フレーズと、文法的なポイントを解説します!

 

【重要フレーズ①】tick off (〜にチェックを入れる / 〜を怒らせる)
イギリス英語:リストなどの項目に「チェック印(✓)を入れる」という意味の他動詞として使われます。
アメリカ英語(口語):「(人を)怒らせる、イライラさせる」という意味になります。受動態の “be ticked off”(ムカついている、怒っている)の形でよく使われる必須表現です。

【重要フレーズ②】what makes someone tick (人の行動原理、人を動かす動機)
時計がカチカチ(tick)と動く仕組みから転じて、「その人を突き動かしている本音や動機」「その人の人間性・行動の源」を指す定番の比喩表現です。

【重要フレーズ③】tick away / tick by (時間がカチカチと過ぎていく)
時計の針が音を立てて進むことから、時間が刻一刻と経過していく、あるいは(期限などが)迫っている様子を表します。

 

 
へえ!アメリカ英語の口語だと「怒らせる」なんて意味にもなるんだ!同じ単語でも国によって使い方が変わるんだね。
 
コダック
その通りです!なお、日本のビジネス(IT)シーンで「チケットを切る(タスクを起票する)」と言いますが、これは英語の「ticket(切符・チケット)」に由来するもので、英単語の “tick” とは別物なので混同しないようにしましょう。英語の “tick” はあくまで「完了したタスクに✓を入れる」というニュアンスで使われます。

 

”tick”の日常会話・ビジネス例文

▼ ①「カチカチ音・チェック印(tick1)」の例文
・I could hear the tick of the clock in the silent room.
(静かな部屋で時計のカチカチいう音が聞こえた。※名詞としての用法)
・Please tick the boxes of the items you have completed.
(完了した項目のボックスにチェック印をつけなさい。※動詞としての用法・主に英式)
・She was really ticked off by his rude behavior.
(彼女は彼の失礼な態度に本当にイライラさせられた。※アメリカ口語:怒る)
・It took me years to understand what makes him tick.
(彼の行動原理[彼を突き動かしているもの]を理解するのに何年もかかった。)
・The seconds are ticking away before the deadline.
(締め切りを前に、秒単位で時間が刻々と過ぎていっている。)

▼ ②「マダニ(tick2)」の例文
・Check your dog for ticks after walking in the tall grass.
(背の高い草むらを歩いた後は、犬にマダニがついていないか確認してください。)

▼ ③「寝具の厚手カバー(tick3)」の例文
・The pillow tick was made of heavy cotton to keep the feathers inside.
(羽毛が外に出ないよう、枕の厚手カバーは頑丈な綿で作られていた。)

 

 

同音異義語の極み!”tick”の語源は全く異なる3つのルートから

”tick”の語源について、さらに深く確認していきましょう。

オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”tick”の3つの起源について、下記の記載があります。

 

Origin of tick1 (カチカチ音・チェック印)
First recorded in 1400–50; late Middle English tek “little touch”; akin to Dutch tik “a touch, pat,” Norwegian tikka “to touch or shove slightly”; see tickle

日本語訳:1400–50年に最初に記録。後期中英語の tek(小さな接触)に由来。オランダ語の tik(接触、軽く叩くこと)、ノルウェー語の tikka(わずかに触れる、押す)と同系。「tickle(くすぐる)」を参照。

Origin of tick2 (マダニ)
First recorded before 900; Middle English teke, tyke, Old English ticia, perhaps spelling error for tiica (i.e. tīca ) or ticca; akin to Low German tieke, German Zecke

日本語訳:900年より前に最初に記録。中英語 teke, tyke、古英語 ticia(おそらく tiica / tīca または ticca の綴りミス)に由来。低地ドイツ語 tieke、ドイツ語 Zecke(ダニ)と同系。

Origin of tick3 (寝具カバー)
First recorded in 1425–75; late Middle English tikke, teke, tyke (cognate with Dutch tijk, German Zieche ), ultimately derived from Latin tēca, thēca, from Greek thḗkē “case”

日本語訳:1425–75年に最初に記録。後期中英語 tikke, teke, tyke(オランダ語 tijk、ドイツ語 Zieche と同源)、最終的にはラテン語 tēca, thēca(ギリシャ語 thḗkē「ケース・箱・包み」)に由来。

※参考・引用「Dictionary.com

 

この記載内容から分かる通り、同じ「tík(ティック)」という発音・スペルでも、ルーツとなる言語や文化がまったく異なります。

それぞれがどのように現代の”tick”の意味に定着したのか、イメージを膨らませてみましょう。

 

”tick”の3大ルートと意味の繋がり

● ルート①:tek(擬音語的な小さな接触)⇒ カチカチ音・チェック印
ペン先が紙に「チクッ」「カチッ」と触れる短い感覚や、時計の針が刻む小さな音のイメージが由来です。物理的な「軽いタッチ」が、書類への「チェック印」へと進化しました。

● ルート②:ticia(古英語の虫の名)⇒ マダニ
900年以前から記録が残る、ゲルマン語系の非常に古い言葉です。時計やチェック印の概念が生まれるずっと前から、人々の生活を脅かす害虫としてこの名前で呼ばれていました。

● ルート③:thḗkē(ギリシャ語のケース・箱)⇒ 寝具の厚手カバー
ギリシャ語やラテン語という学術的なルーツから来ています。本来は「大切なものを収納する箱や入れ物」を意味していましたが、それが羽毛や綿をしっかり包み込んで外に漏らさない「布団やマットレスの頑丈なカバー」という意味に定着しました。

 

 

 
コダック
「ひとつの単語に色々な意味がある」と丸暗記しようとすると大変ですが、「出身地が全く違う3つの言葉が、長い歴史の中でたまたま同じ『tick』という姿に合流しただけ」と捉えると、頭がすっきり整理されますよね!

 

 

構成パーツ(同源語)で覚える”tick”

ここからは語源のコア(中心となる仲間)の面から”tick”のイメージを深めていきましょう。

それぞれのルートから、現代英語に繋がる面白い繋がり(パーツ・関連語)が派生しています。

 

“tick1″の仲間:チクタク刻む・触れる(tek)イメージ

”tick1”は「小さな接触・軽く叩く(little touch)」という中英語の「tek」がコアになっています。

 

 
コダック
Dictionary.comの解説にもあった”tickle(くすぐる)”は、まさにこの仲間です!

英単語の後ろにつく「-le」には「反復・連続」を表す働きがあります。(例:sparkle=火花が散り続ける、など)
つまり、「tick(軽く触れる)+ le(繰り返す)= 何度もチョンチョンと触れてくすぐる」という成り立ちなんですよ!

 

時計の音を表す ”tick-tock(チクタク)” も、時計の針が「軽く当たる音」を擬音語にしたものです。日本語の「チクタク」もここから来ていますね。

「軽くポンと触れる」というコアイメージを持っておくと、タスクに✓(レ点)をサッと書き入れる動作にもスムーズに結びつきます。

 

”tick3”の仲間:ケースや箱・包む(thḗkē)イメージ

”tick3(寝具の厚手カバー)”は、ギリシャ語の「thḗkē(ケース、箱、収納場所)」に由来します。

実はこの「thḗkē」、私たちがよく知っている他の英単語にも隠れているんです!

 

 
コダック
一番分かりやすいのは”discotheque(ディスコテーク)”です!
「disco(レコード)+theque(箱・置き場)」で「レコードの保管箱(そこから音楽を流すクラブ)」となり、これを略したのが日本語でもおなじみの「ディスコ」なんです!

 

 
へえー!「ディスコ」の語源が「箱」だったなんて驚き!

 

さらに、こんな身近な単語も同じ語源を持っています。

 

「thḗkē(ケース・保管庫)」を語源に持つ単語

boutique(ブティック・小売り店)
ギリシャ語「apotheke(倉庫・保管庫)」⇒ラテン語「apotheca」⇒フランス語「boutique」と変化し、「商品を置いておく箱・店」という意味になりました。

apothecary(薬局・薬剤師)
こちらも「apotheke(倉庫・保管庫)」から派生し、「薬を保管しておく場所・人」を表します。

 

このように、「大事なものを中にしっかり収める箱・ケース」というイメージから、布団やクッションの中身を包み込む「厚手のカバー(tick)」という言葉が生まれたわけですね。

 

”tick”の意味と語源・覚え方のまとめ

 

以下、”tick”の意味と覚え方についてのまとめです。

●”tick”には語源の異なる3つのストーリーがある
⇒① tek(小さな接触)=「カチカチ音」「チェック印」「tickle(くすぐる)」
⇒② ticia(虫)=「マダニ(吸血性の大型ダニ)」
⇒③ thḗkē(ケース)=「寝具用の厚手の布カバー」
●実務・会話のポイント ⇒ 日常ビジネスでは ✓(レ点)を入れる動詞・名詞として大活躍(主にイギリス英語)
 
 
コダック
当サイトでは英語表現について、このように語源、語法・文法、覚え方の面から解説を行っています。
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!

【まとめ・各単語の覚え方】英単語の効率的な覚え方【語源と絡めて記憶力アップ】

参考文献
「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
「Dictionary.com(https://www.dictionary.com/)」