おなじみの「ピンク色」ですが、実は語源を辿ると「突き刺す」「ギザギザに切り込みを入れる」という意外な歴史を持つ単語です。
「突き刺す・ギザギザに切り込む」がコアイメージで、そこから派生して“pink“=「ピンク色(の)」「(服の裾などに)ギザギザの切り込みを入れる」「最高峰、極致」といった幅広い意味を持ちますよ!
”pink”の意味と使い方 コアイメージは「突き刺す・ギザギザに切り込む」
”pink(発音:píŋk/ピンク【名詞・形容詞・動詞】)”は「ピンク色(の)」「ギザギザの切り込みを入れる」「最高峰・極致」の意味を持つ単語です。
「色」のイメージが強すぎるため一見単純な単語に見えますが、古くは「突き刺す・穴を開ける」がコアイメージでした。
布の端をハサミでギザギザにカットする(=「ピンキング」)状態のこと=”pink”なわけですね!
どうして「ギザギザ」が「ピンク色」になるの?
① 布をギザギザに切ることを “pink” と呼んだ
② 花びらの先がギザギザになっている「ナデシコ科の花」を “pink” と呼ぶようになった
③ そのナデシコの花が「鮮やかな桃色」だった
という流れで、17世紀頃からのちに色そのものを「ピンク色」と呼ぶようになったんです!
ちなみに”pink”は色だけでなく、「状態が尖っていること、際立っていること」を表す名詞や動詞としても使われます。
より淡く上品な桃色や、いわゆる「サクラ色」などを表現したい場合は、後述する”rose”や”coral”を使用することもあります。
例文
・She was wearing a beautiful pink dress.
(彼女は美しいピンク色のドレスを着ていた。)・The tailor pinked the edges of the fabric.
(仕立て屋は布の端をギザギザに切りそろえた。)
【頻出フレーズ】絶対に覚えたい”pink”を使った重要イディオム

”pink”は日常英会話で非常によく使われるイディオム(慣用句)を持っています。とくに有名な2つをご紹介します!
コアイメージの「尖っている=際立っている」から派生した「最高峰・極致」という意味が使われています。血色が良く、最高の健康状態にあることを指します。
・My grandfather is 80 years old, but he is still in the pink.
(祖父は80歳だが、今でもすこぶる元気だ。)
直訳すると「くすぐられてピンク色になる」ですが、嬉しいことや褒められたことで「(顔がピンク色になるほど)大喜びしている」という非常によく使われる表現です。
・I was tickled pink to receive such a wonderful gift.
(あんなに素晴らしい贈り物をもらって、とても嬉しかった[大喜びした]。)
”pink”の関連語①:「桃色・赤系の色」を意味する単語”rose/magenta/coral”

⇒「赤・桃色系」の意味を持つ単語”rose / magenta / coral”
イメージの違いとしては
pink ⇒「明るく鮮やかな桃色」=一般的なピンク(ナデシコの花の色)
rose ⇒「少し濃くて上品な赤紫色を帯びた桃色」=バラのような深いピンク
magenta ⇒「非常に強烈で青みのある鮮やかな赤紫」=プリンターのインクでおなじみのマゼンタ
coral ⇒「黄色みを帯びた温かみのあるピンク」=サンゴ色(コーラルピンク)
といった感じです!実際の表現を見ながら確認してみましょう!
● pink cheeks
「(健康的な子供などの)桃色のほっぺた」
⇒ 明るく健康的、初々しいイメージ
● rose-colored glasses
「バラ色のメガネ(楽観的な見方)」
⇒ 人生や未来を美しく、理想的に美化して見るイメージ
● magenta sky
「マゼンタ色の空」
⇒ 夕焼けの終わり際などに見られる、非日常的でドラマチックな青紫の空のイメージ
● coral lipstick
「コーラル(サンゴ色)系の口紅」
⇒ 肌なじみが良く、オレンジがかった温かいピンクのイメージ
”pink”の関連語②:「最高のもの・頂点」を意味する単語”pinnacle/peak”

実はこれ、語源の「尖った部分」というイメージで繋がっているんですよ!
⇒「最高・頂点」の意味を持つ単語”pinnacle / peak”
それぞれの表現の違いとしては
pink ⇒「状態や品質がこれ以上ないほど際立っている」=(状態の)極致・極み
pinnacle ⇒「経歴や名声など、ピラミッドの頂点に登り詰める」=(象徴的な)最高峰・絶頂
peak ⇒「グラフや活動、需要などが一番高い位置にある」=(数値・活動の)全盛期・ピーク
といったイメージです。
● in the pink of condition
「(アスリートなどが)最高のコンディションで」
⇒ 体調や状態が「これ以上尖れない」ほど研ぎ澄まされているイメージ
● reach the pinnacle of his career
「キャリアの頂点に達する」
⇒ 高い塔の尖塔(pinnacle)のように、組織や業界のトップに君臨するイメージ
● at the peak of summer
「夏の真っ盛りに」
⇒ 山頂(peak)のように、暑さや活動が最も激化しているポイントのイメージ
”pink”の語源はオランダ語・ラテン語など複数 意味は「突き刺す、ギザギザにする、小舟」

”pink”の語源についても、確認していきましょう。
”pink”には語源の説がいくつかあり、複数の起源が混ざり合って現在の言葉になっています。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”pink”の起源について、下記の記載があります。
Origin of pink1
First recorded in 1565–75; origin uncertainOrigin of pink2
First recorded in 1275–1325; Middle English pinge(n), pinken, pung(en) “to push (a door), batter, shove; prick, stab, pierce; punch holes in,” Old English pyngan “to prick,” possibly from Latin pungere “to prick, pierce”; cf. point, puncheonOrigin of pink3
First recorded in 1425–75; late Middle English pynck(e), from Middle Dutch pinke “fishing boat”※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容からみるに、”pink”は大きく分けて「色や花(起源は諸説あり)」「刺す・穴を開けるという動作」「古い漁船」という3つの流れから発祥している模様。
●ラテン語 pungere(突き刺す、穴を開ける)
↓
●中英語 pinken(穴を開ける、ギザギザに切り込みを入れる)
↓
●ギザギザの花びらを持つ花(ナデシコ・カーネーション)を “pink” と呼ぶようになり、のちにその「色」へと定着
ちなみにラテン語の ”pungere(刺す)” というと、英語の ”point(点、先端)” や ”punch(穴を開けるパンチ)” にも繋がっている、非常に歴史のある言葉なんですよ。
構成パーツで覚える”pink” 「pin-(尖ったもの)」の仲間たち

ここからは構成パーツに近い、語根や単語の関連性の面から”pink”について覚えていきましょう。
”pink”はそれ単体で一つのパーツのようになっていますが、語頭の **「pin- / pin(k)-」** は「尖ったもの、突き刺すもの」という共通のニュアンスを持っています。
各関連パーツや単語について紹介していきます。
“pin”は「留め針、尖ったピン」を意味するパーツ
”pin”はそのまま私たちが使う「ピン(針)」のことです。
先端が尖っている(=「突き刺せる状態」)を表しています。
その他に pincers(ハサミ、ペンチ)や、pinpoint(正確に狙う[針の先で突く])等も”pin-”の「尖った・刺す」イメージを使用する単語です。
”pinking”は「ギザギザの切り込み」を意味するパーツ
”pinking”は裁縫などで使われる「ギザギザカット」を意味するパーツです。
刃物で連続して切り込みを入れる(=「ギザギザにする」)を表しています。
その他の”pink-”の派生語についても、下記で紹介していきます。
・pinky(小指 ※一番端の尖った・小さな指という意味から)
”punct-”は「点・刺す」を意味するラテン語由来のパーツ
”punct-”は、Dictionary.comの語源にあったラテン語 `pungere`(刺す)の過去分詞形に由来する、よりカチッとした英単語を作るパーツです。
これもすべて ”pink” の大元の祖先(=「刺して穴をあける」)から繋がっている仲間なんですよ!
その他に punctual(時間をきっちり守る[時間を点で刺すように正確な])や、punctuation(句読点[文章に点を打つこと])等も”punct-”を使用する単語です。
”pink”の意味と語法・覚え方のまとめ

以下、”pink”の意味と使い方・覚え方についてのまとめです。
● ”pink”は歴史的に「突き刺す」「ギザギザに切り込む」というイメージから生まれた単語。
● コアイメージは「突き刺す・ギザギザに切り込む」。
● ギザギザの花(ナデシコ等)を経由して、のちに現在の「ピンク色」の意味になった。
【語法・フレーズの超重要ポイント】
● 色だけでなく「in the pink (of health)(非常に健康で)」のように「極致・最高」という意味の名詞としての使い方も重要!
● 「tickled pink(大喜びして)」という日常会話で超頻出のイディオムもセットで覚えると英会話力がグッと上がります。
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!
