「ne-(ない)」+「ullus(いかなる〜も)」のパーツが組み合わさってできた単語です。
「中身が何もない」がコアイメージで、“null”=「無効の」「価値のない」「存在しない」の意味を持ちますよ!
”null”の意味とコアイメージは「存在自体が何もない」
”null(発音:nʌ́l/ナル【形容詞】)”は「無効の」「価値のない」「ゼロの」といった意味を持つ単語です。
「ne-(ない)」+「ullus(いかなる〜も)」という語源から成り立っており、「中身が何もない(存在すらしていない)」というのが根本的なコアイメージになります。
目に見えるモノだけでなく、契約やデータ、価値の面でも「完全に空っぽで機能していない」=「無効」「無」なわけですね!
このように”価値や効果、データが最初から完全に存在しない”という意味合いから、ビジネスにおける「契約の無効」、IT・プログラミングにおける「未定義のデータ」、統計学の「帰無仮説」にいたるまで、専門的な場面で幅広く使用されます。
例文
・The election was declared null because of fraud.
(その選挙は不正があったため無効と宣言された。)・His influence in the company is almost null.
(会社における彼の影響力は、今やほぼ無に等しい。)※参考・一部例文引用「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
”null”の使い方・頻出フレーズ(ビジネス・IT・統計学)

”null”は単独で使われることもありますが、特定の分野において「決まったフレーズ」として使われることが非常に多い単語です。ここでは絶対に押さえておきたい3つの使い方を解説します。
1. 法律・ビジネスの超定番フレーズ ”null and void”
”null”を実際のビジネスや法律の場で使うとき、圧倒的に多いのが **”null and void(完全に無効で法的効力がない)”** という3語セットのフレーズです。
「void」も「空っぽの、無効の」という意味なので、同じような意味の単語を2つ並べることで**「跡形もなく、完全に無効である!」と意味を強調**しています。
・The treaty was rendered null and void.
(その条約は完全に無効となった。)
・If you break the rules, this contract becomes null and void.
(もしルールを破れば、この契約は無効になります。)
2. プログラミング・IT分野での ”null”
プログラミングにおいて「0」は「ゼロという数値データ」ですが、「null」は「データそのものがまだ存在していない(未定義)」という状態を表します。
・A null pointer exception occurred in the program.
(プログラムでヌルポインタ例外[何も参照していないエラー]が発生した。)
・The value is returned as null.
(その値はnull[データなし]として返されます。)
3. 統計学での ”null hypothesis(帰無仮説)”
統計学では、最初に立てる仮説(差や効果がないとする仮説)のことを **”null hypothesis(帰無仮説:きむかせつ)”** と呼びます。「関連性や効果が何もない(null)」と仮定するところから、この名前がついています。
・The researchers rejected the null hypothesis.
(研究者たちは帰無仮説を棄却した。=効果や差があると結論付けた。)
似ている単語 ”null / zero / empty” の違いを分かりやすく解説

例えば”zero”や”empty”なども「ゼロ、空っぽ」を意味する単語ですが、それぞれ明確なニュアンスの違いがありますよ!
⇒「ゼロ・空っぽ」の意味を持つ単語”zero/empty”
大違いです!イメージの違いとしては以下のようになります。
null⇒「値やデータ、効果そのものが「最初から全く存在しない」状態」=存在が未定義・無効
zero⇒「数字の「0」という値が、そこにハッキリと存在している状態」=数値としてのゼロ
empty⇒「箱や部屋などの「器」はあるけれど、その中身が空っぽの状態」=中身が空(から)
テストの点数を例に、分かりやすくイメージの差を確認してみましょう!
●The score is null.
「テスト結果(点数データ)が存在しない」
⇒ そもそもテストを欠席したため、点数というデータがどこにも無いイメージ。
●The score is zero.
「テストの点数が『0点』である」
⇒ テストは受けたけれど、一問も正解できずに「0」という数字が記録されたイメージ。
●The classroom is empty.
「教室が空っぽである」
⇒ 教室という「器(枠組み)」はそこに存在するけれど、中に生徒が一人もいないイメージ。
”null”の語源はラテン語「nūllus」 (いかなる〜もない)

”null”の語源についても、確認していきましょう。
”null”の語源はラテン語の「nūllus」です。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”null”の起源について、下記の記載があります。
Origin of null
First recorded in 1555–65; from Latin nūllus, equivalent to n(e) “not” + ūllus “any”日本語訳:1555〜1565年に初めて記録された。ラテン語の nūllus に由来し、これは n(e)(〜ない)+ ūllus(いかなる〜も)と同等である。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容からみるに、”null”は16世紀半ばに、法的な効力が何もない状態や、数が存在しない状態を指す専門用語としてラテン語から英語に取り入れられ、定着していったことが分かります。
ラテン語:n(e)-(否定:ない)+ ūllus(いかなる〜も)
↓
ラテン語で「nūllus(どれひとつとして〜ない、皆無の)」という言葉に発展
↓
1550年代:英語に入り、法的な書類などの「効力を持たない、無効の」という意味の「null」として定着
「いかなるもの(ullus)も、無い(ne)」という強い否定から、「何も存在しない=無効」へと繋がっているのが面白いですね。
構成パーツで覚える”null” ――「ne-」+「ullus」

ここからは構成パーツの面から”null”についてさらに深く覚えていきましょう。
”null”の構成パーツは「ne-(ない・否定)」+「ullus(いかなる〜も)」が短縮されてできた2パーツです。
つぎから各パーツについて紹介していきます。
“ne- (n-)”は「〜ない、否定」を意味するパーツ
”ne-”はラテン語由来の「否定(〜ない)」を意味する非常に重要なパーツです。
「かつて一度も〜ない」⇒「決して〜ない」を表しています。
その他にも、neutral(ne-[どちらでもない]+ uter[どちらか一方]=どちらの一方でもない⇒中立の)等の単語も、この”ne-”の否定パーツから来ています。
”ullus”は「いかなる〜も、少しの〜も」を意味するパーツ
”ullus”は、ラテン語で「少しの〜、いかなる〜」という、全体のなかの任意のひとつを指すパーツです。
これが先ほどの否定パーツ「ne-」とくっつくことで、「少しのもの(ullus)すら、無い(ne-)」となり、最終的に何も存在しない究極のゼロ **”null”** になったわけです。
”null”の意味と語源・覚え方のまとめ

以下、”null”の意味と覚え方についてのまとめです。
⇒コアイメージは「中身が何もない(存在自体がゼロ)」。
⇒”null”=「無効の」「価値のない」の意味。
●語法・文法のポイント
⇒ビジネスや法律では「null and void(完全に無効な)」というセットフレーズが鉄板。
⇒ITの世界では「データが未定義の空っぽな状態」を指す。
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!
