ラテン語の「fēmina(女性)」に由来し、歴史の途中で「male(男性)」の形に影響を受けて現在の姿になった、ちょっと面白い歴史を持つ単語です。
「女性の、雌(メス)の」がコアイメージで、”female”=「女性の、雌の(形容詞)」「女性、雌(名詞)」の意味を持ちますよ!
”female”の意味と使い方 コアイメージは「生物学的な性別(メス・雌)」

”female(発音:fíːmeil/フィーメイル【形容詞・名詞】)”は「女性の、雌の」「女性、雌(メス)」の意味を持つ単語です。
ラテン語の「fēmina(女性)」をベースにしながら、のちに「male(男性)」の綴りに引っぱられてスペルが変化したという背景があり、「生物学的な性別としてのメス・女性」がコアイメージです。
社会的・文化的な役割としての女性というよりは、生物学的な性別(=「メス側」)を表す=”female”なわけですね!
”female”で表現するものは、「生物学的な性別や、客観的なデータとしての女性・メス」が多い為、
文化的な意味での女性や、大人の女性への敬意を込めた表現などは、後述する”woman”や”lady”を使用します。
【超重要】”female”を使うときの注意点・文法解説
実は、日常会話で人間の女性を名詞の”a female”や”females”と呼ぶのは、基本的に避けたほうが良いんです!
そうなんです。”female”は「生物学的なメス」という客観的なニュアンスが強すぎるため、日常会話で一人の女性を指して ”I saw a female yesterday.” のように名詞で使うと、人間味を剥ぎ取った「動物の個体」を観察しているような、非常に冷淡で失礼(場合によっては見下した)響きになってしまうんです。
警察の調書や医学的なレポート、統計データなどでは名詞として使われますが、通常の会話では大人の女性なら ”woman”、女の子なら ”girl” を使いましょう!
ただし、「形容詞(女性の〜、雌の〜)」として名詞の前に置く使い方(female students など)は日常的にもよく使われるので問題ありませんよ!
・名詞の”female” ⇒ 人間に使うのは統計や警察・医学のデータのみ。日常会話で使うと失礼になるので注意!動物の「雌」には普通に使ってOK。
・形容詞の”female” ⇒ 「女性の〜」「雌の〜」として、後ろの名詞を修飾する形なら日常会話やビジネスでも広く使われます。
”female”の頻出フレーズ
”female”がよく使われる定番の組み合わせを押さえておきましょう!
- Male / Female(【名詞・形容詞】男性・女性 ※書類の性別欄)
- female hormones(【形容詞】女性ホルモン)
- a female lion(【形容詞】雌のライオン)
- female employees(【形容詞】女性の従業員 ※統計的・客観的なニュアンス)
- female athletes(【形容詞】女子アスリート)
英語と日本語訳で確認!”female”の例文
それでは、実際の使われ方を例文で確認してみましょう!形容詞としての使い方と、名詞としての使い方の両方をセットにしました。
例文
【形容詞としての使い方】
・The company has a large number of female employees.
(その会社には多数の女性従業員がいる。)
・Female mosquitoes are the ones that bite humans for blood.
(人間を刺して血を吸うのは雌の蚊だ。)
・The university is trying to attract more female students to its engineering program.
(その大学は、工学プログラムにより多くの女子学生を誘致しようとしている。)【名詞としての使い方】
・The study compared 100 males and 100 females.
(その研究では、男性100人と女性100人を比較した。※統計データとしての使用)
・The flower of this plant has both male and female parts.
(この植物の花には雄と雌の両方の部分がある。)※一部参考・例文引用「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
”female”の関連語①:「女性」を意味する単語”woman/lady”との違い
例えば”woman”や”lady”なども「女性」を意味する単語よ!
⇒「女性」の意味を持つ単語”woman/lady”
イメージの違いとしては
female ⇒「生物学的なメス」=年齢を問わず、動物・植物にも使える客観的な性別区分
woman ⇒「大人の人間の女性」=社会的・一般的な人間の女性(成人)を表す最も標準的な語
lady ⇒「上品な淑女」=敬意や礼儀を含んだ、あるいは気品のある女性への表現
といった感じです!
それぞれのイメージを実際の表現を見ながら確認してみましょう!
●female doctor
「(書類の記載や統計データ、あるいは職業的な性別区分としての)女性医師」
⇒ 客観的・生物学的な性別を明確にするイメージ(※日常会話では少し硬い響きになります)
●woman doctor
「(一般的に会話で使われる)女性の医者」
⇒ 一般的な「大人の女性」が医者であるという、より日常的で自然なイメージ
●ladies and gentlemen
「紳士淑女の皆さん(皆さん、こんにちは)」
⇒ 聞き手に対して最大の敬意と礼儀を払って呼びかけるイメージ
”female”の関連語②:「男性・オス」を意味する対義語”male”
対義語である「オス・男性」の表現についても一緒に覚えてしまいましょう!
⇒「オス・男性」の意味を持つ単語”male”
表現の成り立ちやペアとしてのイメージは
female ⇒「生物学的なメス側」=女性・雌
male ⇒「生物学的なオス側」=男性・雄
といったイメージです。”male”も名詞で人間に使うと失礼になり得るなど、使い方は”female”と全く同じですよ!
●a male student / a female student
「男子学生 / 女子学生」
⇒ 学校の統計やクラスの男女比などを表す際によく使われる表現
●male and female birds
「鳥の雄と雌」
⇒ 人間以外のあらゆる生物の性別ペアにそのまま適用できるイメージ
”female”の語源はラテン語「fēmina」!実は「male」とは全く別の由来を持つ単語

”female”の語源についても、確認していきましょう。
”female”のベースとなっているのは、ラテン語の「fēmina(女性)」です。
さらにルーツを遡ると、印欧語根の「dhe(i)-(乳を吸う、乳を飲ませる)」に行き着くと言われており、もともとは「乳を飲ませる者」というニュアンスから「女性」を指すようになった言葉です。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”female”の起源について、下記の記載があります。
Origin of female
First recorded in 1275–1325; Middle English, variant (by association with male ) of femelle, from Anglo-French femaile, female, femell, Old French femel(l)e, from Latin fēmella, diminutive of fēmina “woman” ( see -elle); in Vulgar Latin developing the sense “female of an animal”日本語訳:1275〜1325年に初めて記録される。中期英語において、male(男性)との関連性によって「femelle」という語が変化した変種。アングロ・フランス語のfemaile, female, femell、古フランス語のfemel(l)eに由来し、それはラテン語で「女性(woman)」を意味するfēminaの指小辞(小さなもの、愛らしいものを表す形)であるfēmellaに遡る。俗ラテン語において「動物の雌(メス)」という意味を発展させた。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容から、”female”がどのように現在の形になったのか、歴史的なステップが見えてきます。
もともと「fēmina」の指小辞(小さくて愛らしいものを示す形)である「fēmella(若い女性、女の子)」が、俗ラテン語の時代に「動物のメス」という意味で使われるようになりました。
そして、この単語の歴史で最も面白いのが、英語に入ってからの劇的な変化です。
古フランス語の「femelle(フメル)」として英語に入ってきたこの言葉は、本来ならそのまま「femel」や「femelle」という綴りになるはずでした。
しかし、対となる言葉である「male(男性)」と常に一緒に使われるため、昔の人々が「意味が対になっているのだから、綴りも同じ仲間のはずだ!」と勘違い(類推)してしまったのです。
●印欧語根:dhe(i)-(乳を飲ませる)
↓
●ラテン語:fēmina(女性)
↓(小さな・愛らしいを示す指小辞がついて fēmella へ変化)
●俗ラテン語:動物の「雌(メス)」という意味が定着する
↓(古フランス語の femelle を経て英語へ)
●中期英語:対義語の「male(男性)」にスペルを寄せて、現在の「female」に!
本来は無関係だった2つの言葉が、ペアで使われるうちに「fe- + male」のように見た目を合わせてしまった……。言葉を使う人間の心理が反映されていて、非常に面白いですよね!
”female”の意味と語源・覚え方のまとめ
最後に、今回学んだ”female”の意味と効率的な覚え方について、重要なポイントをギュッとまとめましょう!
●”female”の語源と成り立ち
⇒ ラテン語で「女性」を意味する「fēmina」がルーツ。歴史の途中で対義語の「male(男性)」の見た目に引きずられて変化(類推)した、ユニークな歴史を持つ単語。
●コアとなるイメージ
⇒ 「生物学的な性別としての女性、雌(メス)」
●意味と主な語法
⇒ 【形容詞】「女性の、雌の」 【名詞】「女性、雌(メス)」
⇒ 人間だけでなく動物・植物にも広く使われ、公的書類の性別欄(Data)や統計などで性別区分を明確にする際の定番表現。
●関連語とのニュアンスの違い
⇒ female:客観的・生物学的な「メス側」の性別区分(年齢不問・動植物OK)
⇒ woman:社会的・日常的な「大人の人間の女性」
⇒ lady:敬意や上品さ、礼儀を含んだ「淑女・女性への敬称」
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!