単語そのものが古くからある、「far(遠くへ・前方へ)」の1つのパーツ(語根)で成り立っている単語です。
「前方へ、さらに先へ進む」がコアイメージで、“far“=「遠い、遠くに」「(時間・程度が)はるかに」の意味を持ちますよ!
”far”の意味と使い方 コアイメージは「前方へ、さらに先へ進む」
”far(発音:fɑ́ːr/ファー【形容詞・副詞】)”は「遠い、遠くに」「(時間・程度が)はるかに」の意味を持つ単語です。
印欧祖語の「前方へ」に由来する単語で、「前方へ、さらに先へ進む」がコアイメージです。
そこから、物理的な距離が離れている(=「遠い・遠くに」)ことや、比較級などを強調して「基準よりさらに先へ行っている」=”はるかに”なわけですね!
”far”は「限界を作らず、どんどん先へ離れていく」なイメージが強いです。
ここで1つ、大切な語法のポイントがあります!実は、物理的な距離の「遠い」を表す表現として、farは「否定文」や「疑問文」で単独で使われることが多く、「肯定文」ではあまり単独で使われません。肯定文で「遠い」と言いたいときは、”a long way” や ”far away” を使うのが一般的です。
基本的な使い方の例文
・The station is not far from here.
(駅はここから遠くない。※否定文での使用)
・Is the station far from here?
(駅はここから遠いですか?※疑問文での使用)
・The station is a long way from here.
(駅はここから遠い。※肯定文では a long way が一般的)
【最重要】文法・語法解説!far を使った比較級・最上級の強調表現

farのもう1つの大役が、「比較級や最上級の意味を強める(はるかに、断然)」という使い方です。これは肯定文でも大活躍します!
① 比較級の強調:「far + 比較級」(はるかに〜、ずっと〜)
比較級の前に far を置くことで、「差がとても大きいこと」を強調できます。
・This laptop is far better than that one.
(このノートパソコンはあのパソコンよりもはるかに良い。)
・Learning English is far more important than you think.
(英語を学ぶことは、あなたが思うよりもずっと重要です。)
② 最上級の強調:「by far + the + 最上級」(断然〜、ずば抜けて〜)
最上級を強調する場合は、単独の far ではなく “by far” という形にするのがルールです。基本的には the の前に置きます。
・He is by far the best player on the team.
(彼はチームの中で断然トップの選手だ。)
・This is by far the most interesting book I’ve ever read.
(これは私が今まで読んだ中でずば抜けて一番面白い本です。)
③ 間違いやすい!farther と further の違い
farの比較級には farther と further の2つの形があり、ニュアンスによって使い分けられます。
● further:抽象的な「程度・時間」がさらに進んだ、さらなる
・My house is farther from the school than yours.
(私の家は、あなたの家よりも学校から遠い。※物理的な距離)
・If you have any further questions, please let me know.
(もしさらなる質問があれば、私に知らせてください。※抽象的な程度)
日常会話で頻出!far を使った重要イディオム・熟語

farは単体だけでなく、特定のフレーズ(熟語)になることで、日常会話や資格試験にも頻出する重要表現に化けます。代表的な3つをマスターしましょう!
① so far(これまでのところ、今のところ)
過去から現在に至るまでの状況を指して「今のことろはね」と言いたい定番のフレーズです。
・So far, so good.
(これまでのところ順調です。※お決まりの超頻出フレーズ)
・We haven’t had any problems so far.
(今のところ、私たちは何の文句も問題も抱えていません。)
② as far as(〜する限りは ※範囲・限界の制限)
自分の知識や見渡せる「範囲」を限定して話を切り出す時に使います。
・As far as I know, the rumor is true.
(私が知る限りでは、その噂は本当です。)
・As far as the eye can see, there is only green grass.
(目で見渡せる限りの範囲には、緑の草しかありません。)
③ far from(決して〜ではない、〜からほど遠い)
「〜から距離的に遠く離れている」という意味から転じて、「理想やあるべき状態から程遠い=決して〜ではない」という強い否定を表します。
・The project is far from complete.
(そのプロジェクトは完成にはほど遠い。/ 決して完成していない。)
・He is far from a fool; he is actually very smart.
(彼は決してバカではない。実際はとても賢い。)
類義語とのニュアンス比較:遠さや程度を表す表現

”far”の関連語①:「遠い」を意味する単語”distant / remote”
例えば”distant”や”remote”なども「遠い」を意味する単語ですよ!
⇒「遠い」の意味を持つ単語”distant / remote”
イメージの違いとしては
far ⇒「主観的に遠い」=心理的・距離的に離れていく感覚
distant ⇒「客観的に距離がある」=測定できる具体的な隔たり
remote ⇒「人里離れている」=中心地から孤立した遠さ
といった感じです!
それぞれのイメージを実際の表現を見ながら確認してみましょう!
● far
「We walked far.」
⇒(自分たちの感覚として)たくさん、遠くまで歩いたという主観的なイメージ
● distant
「a distant star」
⇒何光年も離れた星など、客観的・天文学的に途方もない距離があるイメージ
● remote
「a remote island」
⇒都会や中心地からポツンと離れた、リモコン(remote)のように隔離されたイメージ
”far”の関連語②:「たくさん・大いに」を意味する単語”much / way”
類義語があるので覚えてしまいましょう!
⇒「はるかに」の意味を持つ単語”much / way”
それぞれの表現の違いとしては
far ⇒「超えている度合いが大きい」=フォーマルな「はるかに」
much ⇒「量が圧倒的に多い」=最も一般的な「ずっと」
way ⇒「道のりの先にある」=カジュアル・口語の「断然」
といったイメージです。
● far
「far more important」
⇒(文脈として硬め)はるかに重要である、という知的な響きを持つイメージ
● much
「much cheaper」
⇒(一番よく使う)値段がずっと安い、と差が大きいことを示すイメージ
● way
「way too expensive」
⇒(若者や日常会話で)いくら何でも高すぎる!と「はるかに」を崩したイメージ
”far”の語源はゲルマン祖語や印欧祖語 意味は「前方へ、さらに先へ」

”far”の語源についても、確認していきましょう。
”far”の語源は古い英語の「feorr」やラテン語の「porrō」などと同じ祖先です。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”far”の起源について、下記の記載があります。
Origin of far
First recorded before 900; Middle English far, fer, Old English feorr; cognate with Old High German ferr, Old Norse fjar, Gothic fairra; akin to German fern “far,” Latin porrō “forward, further,” Greek prós(s)ō, pórsō, pórrō “forward, onward”日本語訳:900年より前に最初の記録がある。中英語の far, fer、古期英語の feorr に由来。古高地ドイツ語の ferr、古ノルド語の fjar、ゴート語の fairra と同系。ドイツ語の fern(遠い)、ラテン語の porrō(前方へ、さらに)、ギリシャ語の prós(s)ō, pórsō, pórrō(前方へ、前進して)と同源である。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容からみるに、”far”はヨーロッパの言語の共通の祖先の時代から「前へ前へと突き進む」という意味で使われていた模様。
● 印欧祖語:*per-(前方へ、超えて)
↓
● 古期英語:feorr(遠く離れた、前方の)
↓
● 現代英語:far(遠くへ、はるかに)
ラテン語の「porrō」やギリシャ語の「pórrō」も、すべて「前へ(forward)」という同じコアから広がった言葉なんです。
構成パーツや同源の仲間で覚える関連英単語

ここからは構成パーツや、共通の語源を持つ「親戚の単語」の面から”far”について覚えていきましょう。
”far”はこれ以上分解できないシンプルな単語ですが、この「前方へ」というコア自体が他の多くの重要単語を形作っています。
① “far”の仲間:「前方へ、さらに先へ」を意味するパーツ
”far”そのものが「前方へ」という強い前進のイメージを持っています。
farewell は、古い英語の fare(行く、旅する)+ well(よく)が合体したもので、去っていく人に対して「道中ご無事で、良い旅を!」と送り出す言葉が「さようなら」という意味になりました。これも「前へ進んでいく」イメージが繋がっていますね。
② ラテン語・ギリシャ語系の「pro-」のパーツ
Dictionary.comの解説にあったように、ラテン語の porrō やギリシャ語の pórrō と同源であるため、英語の「pro-(前方へ)」という接頭辞とも深い親戚にあたります。
その他の”前方へ(pro-)”を使用する親戚のような単語についても、下記で紹介していきます。合わせてセットで覚えてしまうと、一気に語彙力がアップしますよ!
● promote(促進する / pro- 前方へ + mote 動かす)
● project(企画・投影する / pro- 前方へ + ject 投げる=前にアイデアや光を投げ出すイメージ)
”far”の意味と語源・覚え方のまとめ

以下、”far”の意味と覚え方についてのまとめです。
⇒コアイメージは「前方へ、さらに先へ進む」
⇒”far”=「遠い、遠くに」「(時間・程度が)はるかに」の意味
●語法・文法の注意点 ⇒距離のfarは肯定文で単独で使われにくく、否定文・疑問文でよく使われる(肯定文では a long way / far away)。
●比較級・最上級の強調 ⇒比較級を強める時は「far better」「far more」のように使い、最上級を強める時は「by far the best」のように「by far」の形にする。
●日常の重要熟語 ⇒「so far(今のところ)」「as far as(〜する限り)」「far from(決して〜でない)」
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!
