「bouge(革袋)」+「-ette(小さいもの)」という2つのパーツから成り立っている単語です。
コアイメージの「小さな革袋」から、なぜ現代の“budget”=「予算」「家計」という意味に繋がるのか、詳しく解説していきますよ!
”budget”の意味と使い方 コアイメージは「小さな革袋」
”budget(発音:bʌ́dʒit(バジット))”は「予算」「家計」という意味を持つ単語です。
語源のパーツを紐解くと「bouge(革袋)」+「-ette(小さいもの)」となり、「小さな革袋(中身の詰まったお財布)」がコアイメージとなります。
「その袋の中に入っている限られたお金」や「それをどう使うかという計画」を指すようになり、現在の”予算(budget)”という意味に変化したわけですね!

そのため、”budget”には「あらかじめ使える分だけ取り分けたお金(決まった枠組み)」というニュアンスが強くあります。
あらかじめ食費はいくらまで、交際費はいくらまで…と取り分けたお金の中からやりくりしますよね。
また、特定の目的のために提供される「資金」そのものや、組織全体の「財政状況」などを表す場合は、後述する”fund”や”finances”を使い分けます。
例文
We need to balance the budget for the next fiscal year.
(私たちは次年度の予算の収支を合わせる必要がある。)She manages the family budget tightly.
(彼女は家計をきっちりと管理している。)
※参考・例文引用「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
文法・語法のポイント:動詞や形容詞としての”budget”

動詞としての”budget”は、**「予算を立てる」「(時間やお金を)計画的に割り当てる」**という意味になります。日常会話ではお金だけでなく、**時間(time)**のやりくりに対してもよく使われます。
また、名詞の前に置く形容詞として使うと、**「低予算の」「格安の」**という意味(=cheap / low-cost)になります。「budget airline(格安航空会社=LCC)」などが代表例ですね!
例文
You should **budget** your time wisely.
(時間は賢く**割り当てる(計画的に使う)**べきだ。)We stayed at a **budget** hotel during our trip.
(私たちは旅行中、**格安の**ホテルに泊まった。)
”budget”の関連語①:「お金」を意味する単語”budget / fund / finances”
例えば”fund”や”finances”も、ビジネスや日常でよく見かける重要な単語ですよ!
⇒「お金の枠組み・状態」の意味を持つ単語”fund / finances”
コアとなるイメージの違いをまとめると、次のような感じです!
budget ⇒「計画された予算」=枠内でやりくりするお金
**fund** ⇒「**特定の資金**」=**ある目的のために集められた・提供されるお金**
**finances** ⇒「**財政・財務**」=**国・企業・個人のすべての財源や経済状態**
それでは、「新しいプロジェクト」という共通テーマの表現を見ながら、ニュアンスの差をすっきり整理してみましょう!
● The **budget** for the new project is 1 million yen.
「新プロジェクトの**予算(やりくりの枠)**は100万円だ。」
⇒限られた枠内でどう配分するかという「計画・やりくり」のイメージ
● We need to raise **funds** for the new project.
「新プロジェクトのために**資金(元手)**を集める必要がある。」
⇒その目的のために準備・提供される「具体的ないくつかのお集まり」のイメージ
● The company’s **finances** are stable enough to start the new project.
「その会社は新プロジェクトを始められるほど**財政(台所事情)**が安定している。」
⇒入ってくるお金と出ていくお金を含めた「全体の経済・財務状況」のイメージ
”budget”の語源と文法:知っておきたい2つの重要ポイント

まず1つ目のポイントは、”budget”が**「数えられる名詞(可算名詞)」**である点です。
「予算」と聞くと、なんとなく形のないモヤッとしたもの(不可算名詞)に思えるかもしれませんが、英語では「1つの予算案」「2つの予算」とハッキリ数えられます。そのため、単数形で使うときは **a** budget や **the** budget のように冠詞が必要だったり、複数形なら **budgets** になる点に注意しましょう!
2つ目のポイントは、日常会話やビジネスでも頻出する **「on a budget」** という熟語です。
これは「限られた予算で」「予算内でやりくりして」という意味になります。よく後ろに形容詞を伴って **「on a tight budget(厳しい予算で=カツカツの状態で)」** という形でもよく使われますよ!
例文
The government has approved **a** new **budget**.(単数形なので a が必要)
(政府は新しい**予算案**を承認した。)We managed to complete the project **on a budget**.
(私たちはなんとか**限られた予算内で**プロジェクトを完了させた。)As a学生, I am living **on a tight budget**.
(学生なので、私は**カツカツの(限られた)予算で**生活している。)
”budget”の語源は「小さな革袋」?財務大臣の鞄から生まれた歴史

”budget”の語源についても、確認していきましょう。
”budget”の語源は中期フランス語の「bougette(小さな革袋)」です。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”budget”の起源について、下記の記載があります。
Origin of budget
First recorded in 1400–50; late Middle English bowgett, from Middle French, bougette, from bouge “bag” (from Latin bulga; see bulge) + -ette -ette )日本語訳:1400〜50年に初めて記録された。後半の中期英語 bowgett から。それは中期フランス語の bougette(「袋」を意味する bouge(ラテン語の bulga(膨らむ袋)に由来)に、小さいものを表す「-ette」がついたもの)から発祥している。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容から分かるように、”budget”はもともと「お金や書類を入れて持ち歩くための革袋」を表す言葉として生まれました。
では、なぜただの「袋」が現在のような「予算」という意味になったのでしょうか?そこには、イギリス議会の面白い歴史的背景があります。
● ラテン語の「bulga(膨らむ革袋)」
↓
● 古フランス語の「bouge(袋)」に小さなものを表す「-ette」が結びつき、「bougette(小さな革袋)」になる。
↓
● イギリスに伝わり、18世紀頃になると、イギリスの財務大臣が議会で国家の財政方針を発表する際、書類を入れた**「革鞄(budget)」**を開けるようになる。
↓
● この鞄を開けて財政案を提示する行為が**「open the budget(予算案を発表する)」**と呼ばれるようになる。
↓
● やがて鞄そのものではなく、**「鞄の中に入っている財政計画や書類の中身」**を指すようになり、現在の「予算」という意味に定着!
言葉の成り立ちにイギリスの歴史が関わっているのは、とても面白いポイントです!
構成パーツで覚える”budget” 「bouge(革袋)」+「-ette(小さい)」

ここからは構成パーツの面から”budget”についてさらに深く覚えていきましょう!
”budget”の構成パーツは「bouge(革袋)」+「-ette(小さいもの)」の2つです。
これらのパーツがどうやって「予算」という概念に結びつくのか、詳しく解説していきます。
“bouge”は「膨らんだ革袋」を意味するパーツ
”bouge”は、ラテン語の「bulga(膨らんだ革袋)」を起源とする、「袋・革袋」を意味するパーツです。
お金がたっぷり詰まって「中身がパンパンに膨らんだ袋」をイメージすると分かりやすいですよ!
現代英語でも、この「膨らむ」というニュアンスは別の単語にしっかりと受け継がれています。それが”bulge(膨らみ・膨張)”です。
名詞で「膨らみ」、動詞で「膨らむ」という意味を表します。
内側から革袋のようにグッと外側に張り出す様子を表現する単語で、”budget”の語源(ラテン語のbulga)と同じルーツを持つ親戚のような関係にあります。
”-ette”は「小さいもの」を意味するパーツ(指小辞)
”-ette”は、単語の後ろにくっついて「小さなもの」「可愛らしいもの」を意味するパーツです。文法用語では「指小辞(ししょうじ)」と呼ばれます。
ホテルやワンルームマンションなどにある簡易的な小さい台所(=「ミニキッチン」)を表しています!
その他の” -ette ”を使用する身近な単語についても、いくつか紹介していきますね。元の単語と比べて「ミニサイズ」になっていることに注目してください。
⇒ cigar(葉巻)+ -ette(小さい) = タバコ(紙巻きタバコ)
※太い葉巻に比べて、細くて小さいことから。
● **cassette**(カセット)
⇒ casse(ケース・箱)+ -ette(小さい) = 小さなケース(カセットテープなど)
※磁気テープを収めた小さな箱のことですね。
● **statuette**(スタチュエット)
⇒ statue(彫像)+ -ette(小さい) = 小彫像・フィギュア
※オスカー像やフィギュアのような、卓上に置けるサイズの小さな像を指します。
”budget”の意味と語源・覚え方のまとめ

以下、”budget”の意味と覚え方についてのまとめです。
⇒ コアイメージは「小さな革袋」
⇒ “budget”=「予算」「家計」の意味
● 語法・文法のポイント
⇒ 動詞として「計画的に割り当てる」、形容詞として「格安の(低予算の)」という意味も持つ
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!