実は、私たちがよく知っている「blood(血)」と同じルーツから生まれた単語です。
「神聖なものにする」がコアイメージで、“bless”=「祝福する」「(神が)恵みを与える」の意味を持ちますよ!
”bless”の意味と使い方 コアイメージは「神聖なものにする」
”bless(発音:blés/ブレス【動詞】)”は「祝福する」「(神が人・物に)恵みを与える」の意味を持つ単語です。
古来の「blood(血)」を使って人や場所を清める儀式に由来しており、「神聖なものにする」というのが根本にあるコアイメージです。
この「血をかけて神聖なものにする」という儀式から、神聖なパワーを宿らせる=神が人に「恵みを与える、祝福する」という意味の”bless”が生まれたわけですね!

”bless”は、キリスト教的な文化を背景にした「神からの恩恵」を表現する時に使われるのが基本ですが、現代では宗教的な枠を超えて、「素晴らしい才能、豊かな自然、素晴らしい環境に恵まれている」という状態を広く表現する時にも欠かせない動詞になっています。
基本的な例文
・May God bless you and your family.
(神があなたとあなたの家族を祝福してくださいますように。)
・The priest blessed the crowd.
(司祭は群衆を祝福した[聖なるものとして清めた]。)
”bless”の文法・語法 日常会話の定番フレーズと受動態のルール

1. くしゃみをした人への定番フレーズ ”(God) bless you!”
アメリカなどで誰かが「ハクション!」とくしゃみをしたとき、周りの人がすかさず”Bless you!”と声をかけるのを聞いたことがありませんか?
これは主語の God が省略された形で、「神の加護があなたにありますように」という意味の定番フレーズです。
昔は「くしゃみをすると魂が口から飛び出して、代わりに悪魔が入り込んでしまう」と本気で信じられていたため、相手を悪魔から守るためにこの言葉をかけました。今ではすっかり挨拶のような習慣として定着しています。もし言われたら、笑顔で ”Thank you.” と返しましょう!
【日常会話でのフレーズ例】
A: *Achoo!* (ハクション!)
B: Bless you! (お大事に!)
A: Thank you. (ありがとう。)
2. 超重要!能動態 ”bless A with B” と 受動態 ”be blessed with 〜”
「bless」の語法で試験や日常会話において最も重要となるのが、<bless + 人 + with + 恵み(才能や環境など)> という形です。「人に(恵み)を授ける」という意味になります。
・God blessed her with a beautiful voice.
(神は彼女に美しい声を授けた。)
そして、この表現は「(人間側の視点から)〜に恵まれている」と言いたいとき、受動態(受け身)の ”be blessed with 〜” の形で超頻出フレーズとなります!
これらは自分の努力で勝ち取ったというより、「大いなる存在や環境から、ありがたくも授かった」という感謝のニュアンスが含まれるのが特徴です。
”be blessed with 〜” の例文
・They were blessed with three children.
(彼らは3人の子供に恵まれた。)
・She is blessed with musical talent.
(彼女は音楽の才能に恵まれている。)
・We were blessed with perfect weather for our wedding.
(私たちは結婚式で最高の天候に恵まれた。)※参考・一部例文引用「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
”bless”の関連語:「祝う・褒める」を意味する単語”congratulate/praise”との違い
例えば”congratulate”や”praise”なども「祝う、褒める」を意味する単語ですが、”bless”とは明確なニュアンスの違いがあります。
⇒「祝う・称える」の意味を持つ単語”congratulate/praise”
イメージの違いを一言でまとめると、以下のようになります!
bless⇒「神のような高い存在が、大いなる愛で人々に「恵みや加護を与える」」=(天からの)祝福・恵み
congratulate⇒「人が相手に対して、その努力や実績、幸運に対して「おめでとう」と言う」=(努力・成果への)お祝い
praise⇒「人が相手の素晴らしい行動や作品、神の偉大さを「言葉で褒めたたえる」」=(実績・存在への)称賛
といった感じです!
実際のシチュエーションをベースに、例文とニュアンスの差をはっきり確認してみましょう!
●bless their marriage
(二人の未来が幸せで満たされるよう神の加護を祈って)二人の結婚を祝福する
⇒ 例文:May love bless your marriage.
(二人の結婚に愛の恵みがありますように。/天からの温かい光で包み込んであげるイメージ)
●congratulate him on passing the exam
(彼のこれまでの猛勉強の努力に対して)試験合格をお祝いする
⇒ 例文:I congratulated him on passing the exam.
(私は彼の試験合格をお祝いした。/対等な人間同士で「やったね!頑張ったね!」と拍手を送るイメージ)
●praise the child for honesty
(正直に話したことに対して)子どもを褒める
⇒ 例文:The teacher praised the child for honesty.
(先生は正直に言ったことでその子を褒めた。/優れた行いや立派な態度に対して、「素晴らしい!」と言葉で評価するイメージ)
”bless”の語源は古期英語の「血」 キリスト教化で意味が変化した歴史

ここからは、少し意外な”bless”の語源について詳しく確認していきましょう。
”bless”の語源は古期英語の「blētsian / blēdsian(血で清める・神聖なものにする)」です。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”bless”の起源について、下記の記載があります。
Origin of bless
First recorded before 950; Middle English blessen, Old English blētsian, blēdsian “to consecrate” (originally done with blood), earlier *blōdisōian ( blōd “blood” + -isō- derivational suffix + -ian verb suffix); see blood日本語訳:950年より前に初めて記録された。中期英語の blessen、古期英語の blētsian, blēdsian(聖別する、神聖なものにする。元々は血を使って行われた)に由来し、さらに遡ると *blōdisōian(blōd[血]+ 派生接尾辞 -isō- + 動詞接尾辞 -ian)である。blood を参照。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容からみるに、”bless”は1000年以上前(950年以前)の古い英語から存在していました。
元々は、動物などの血を用いて祭壇や人を清めるという、古来の厳かな儀式に発祥していることが分かります。
当時の人々にとって「血」は生命力の象徴であり、それを使うことで対象を「特別なもの・神聖なもの」に変える力があると信じられていたのです。
ゲルマン共通祖語:blōd(血)
↓
古期英語:blētsian / blēdsian(血を用いて神聖なものにする・清める)
↓
中期英語:blessen(キリスト教の影響により「神の加護を祈る」という意味が定着)
↓
現代英語:bless(血のニュアンスは完全に消え去り、「祝福する・恵みを与える」へ変化)
「血で清める」が「祝福」へと大きく意味を変えた背景には、イギリスへのキリスト教の伝来が深く関わっています。
キリスト教の聖書に登場するラテン語「benedicere(良い言葉をかける=祝福する)」を英語に翻訳する際、すでに「神聖なものにする」という意味を持っていたこの単語がピッタリだとして訳語に選ばれました。
そこから本来の「血」のイメージが徐々に薄れ、現代の美しい「祝福」のイメージへと生まれ変わっていったのです。
構成パーツと関連語で一網打尽!“bless” と「血(blood)」のつながり

ここからは、語源やパーツのつながり(芋づる式記憶法)の面から、”bless”の関連ワードを学んでいきましょう!
”bless”自体はこれ以上分解できない単一のパーツ(語根)ですが、歴史をたどると根っこにある「blood(血)」から派生した言葉です。この「血」という共通のコアを意識するだけで、他の派生語や関連語も一気に、そして深く記憶に定着させることができますよ。
1. ”bless”の名詞形 ”blessing” は「神から与えられた具体的な恵み・承認」
動詞 ”bless” の後ろに、名詞をつくるパーツ(接尾辞)である「-ing」がくっついた形が ”blessing(名詞)” です。
「神の恵み、ありがたいもの、お墨付き(承認)」という意味に発展したわけですね!
この ”blessing” は、日常会話からビジネス、さらにはことわざまで非常によく使われる重要単語です。いくつか代表的な使い方を押さえておきましょう!
● give one’s blessing(承認を与える、賛成する)
⇒ 元々は「上の者が下の者に祝福や許可を与える」という宗教的なニュアンスから。ビジネスシーンでも、上司や会社から「ゴーサイン(お墨付き)」をもらう時に “get the boss’s blessing”(上司の承認を得る)のように頻出します!
● a blessing in disguise(姿を変えた恵み = 災い転じて福となす)
⇒ 直訳すると「変装した(disguise)恵み(blessing)」。一見すると「最悪な出来事」に見えるけれど、結果的にはそれがきっかけで素晴らしい幸運をもたらしてくれた、という時に使う超有名ことわざです。
2. 母音が変化して動詞になった ”bleed” は「出血する・心が痛む」
名詞の「blood(血)」の真ん中の母音(oo)が(ee)に変化して、動詞のパーツに姿を変えたのが ”bleed(動詞)” です。
「出血する、(比喩的に)心が痛む、資金が流出する」という意味になりますよ!
例えば、以下のような単語たちも全く同じ仕組みで成り立っていますよ!
・food(名詞:食べ物) ⇒ feed(動詞:エサ・食べ物を与える)
・song(名詞:歌) ⇒ sing(動詞:歌う)
・blood(名詞:血) ⇒ bleed(動詞:血を流す)
このように仕組み(パーツのルール)を理解しておくと、単なる丸暗記ではなく、納得しながら記憶の引き出しにしまうことができますね。
まとめ
以上、”bless”についての紹介記事でした。