読み方は「トリステ」。意味は「悲しい」です。
ここまでは簡単なのですが、この単語には「他の形容詞と同じつもりで使うと必ず間違える」という特徴があるんですよ!
ずばり「男性形と女性形」です。
スペイン語の形容詞は男女で形が変わる、と習いますよね。ところが triste は変わらないんです。
まじめに勉強している人ほど引っかかるポイントなので、最初にここを潰しておきましょう!
triste の意味と使い方 コアイメージは「光が差していない状態」
triste(発音:トリステ【形容詞】)は、「悲しい」「悲しんでいる」を中心に、「わびしい」「陰気な」「みすぼらしい」まで意味の幅を持つ単語です。
人の気持ちだけでなく、部屋や風景、音楽、知らせなど、「明るさが失われているもの」全般に使えるのがポイントです。
イメージとしては「光が差していない状態」と捉えると、いろいろな使い方がひとつに繋がりますよ!
人の心に光が差していなければ「悲しい」、部屋に光が入っていなければ「わびしい」、金額に輝きがなければ「たかが〜ぽっち」。全部つながっているんです。
「意味と使い方」の基本例文
【人の気持ち:悲しい】
・Estoy triste.
(私は悲しい。)
・¿Por qué estás triste?
(どうして悲しいの?)【出来事・作品:悲しい】
・Es una película muy triste.
(それはとても悲しい映画だ。)
・Tengo una noticia triste.
(悲しい知らせがある。)【場所・雰囲気:わびしい・陰気な】
・Qué triste está este cuarto con las ventanas cerradas.
(窓を閉め切ったこの部屋は、なんとわびしいことか。)
日本語でも「わびしい部屋」「もの悲しい風景」と言いますよね。あの感覚がそのまま triste で言えるんです。
守備範囲が広いので、覚えておくと表現力がぐっと上がりますよ!
最大のポイント:triste は男性でも女性でも triste のまま
ここが今日いちばん大事なところです。スペイン語の形容詞は主語の性と数に合わせますが、triste は男性・女性で形が変わりません。
男性でも女性でも triste
・Carlos está triste.
(カルロスは悲しい。※男性)
・Ana está triste.
(アナは悲しい。※女性)【複数のときだけ -s がつく】
・Los niños están tristes.
(その子どもたちは悲しんでいる。)
・Las canciones tristes me gustan.
(悲しい歌が好きだ。)
その疑問こそ核心です! 答えは「語尾を見れば分かる」ですよ。
-o で終わる形容詞は男女で変わる。-e で終わる形容詞は変わらない。
enojado は -o で終わっているから enojada になる。triste は -e で終わっているから、そのまま。ルールが違うだけで、triste が変わり者なわけではないんです。
語尾で決まる形容詞の変化
●-o で終わる ⇒ 男女で変わる(4パターン)
enojado / enojada / enojados / enojadas(怒っている)
cansado / cansada / cansados / cansadas(疲れている)
●-e で終わる ⇒ 男女同形(2パターンだけ)
triste / tristes(悲しい)
alegre / alegres(陽気な)
fuerte / fuertes(強い)
⇒ triste は覚える形が半分で済む、むしろ楽な形容詞
その受け止め方でばっちりです!
ただ、ひとつだけ注意を。丁寧に性を合わせようとして Estoy trista や Estoy tristo と言ってしまう人がとても多いんです。
どちらもスペイン語には存在しない形なので、「triste は変えない」と体に入れておきましょう!
●誤り ⇒ Estoy trista. / Estoy tristo.(存在しない形)
●複数 ⇒ Estamos tristes.(私たちは悲しい)
estar triste と ser triste 使い分けると意味が変わる
スペイン語には「〜である」にあたる動詞が ser と estar の2つあります。triste と組み合わせると、意味そのものが変わってしまうので注意が必要です。
ざっくり言うと、estar は「今の状態」、ser は「そういう性質」を表します。
気持ちは移り変わるものなので、人の悲しみは必ず estarです。ここを取り違えると、思わぬ失礼になりますよ!
【estar triste = 今悲しい】
・Estoy triste porque se fue mi amiga.
(友達が行ってしまって悲しい。)
・Ella está triste hoy.
(彼女は今日は落ち込んでいる。)【ser triste = そういう性質のもの】
・Es una historia muy triste.
(それはとても悲しい物語だ。)
・La verdad es triste.
(真実は悲しいものだ。)
その場合、「あなたって陰気な人だよね」と言ったことになってしまいます。
慰めるつもりが性格の批評になるわけですね。かなり気まずいので、ここは絶対に押さえておきたいポイントです。
はい、人が主語なら estarと覚えてしまって大丈夫です!
ser を使うのは、映画・歌・物語・知らせといった「それ自体が悲しいもの」のときだけ、と整理しておきましょう。
ser / estar で意味が変わる形容詞は他にもある
●triste:ser triste(陰気な人だ)/ estar triste(悲しんでいる)
●aburrido:ser aburrido(つまらない人だ)/ estar aburrido(退屈している)
●listo:ser listo(頭がいい)/ estar listo(準備ができている)
⇒ 共通ルールは「ser は中身の性質、estar は今の状況」
「悲しくなる」は ponerse triste
「悲しい」ではなく「悲しくなる」という変化を言いたいときは、ponerse を使います。
・Me pongo triste cuando escucho esa canción.
(あの歌を聴くと悲しくなる。)
・Se puso triste al leer la carta.
(彼はその手紙を読んで悲しくなった。)※sentirse triste(悲しく感じる)も自然です。
・Me siento triste últimamente.
(最近、気持ちが沈んでいる。)
整理が上手ですね!
estar triste は「その状態にある」、ponerse triste は「その状態に入る」。この対比で覚えると、他の形容詞にもそのまま応用できますよ。
Me pongo nervioso(緊張してくる)、Se puso rojo(顔が赤くなった)などですね。
triste(形容詞)と tristeza(名詞)の切り分け
triste が「悲しい」という形容詞なのに対して、名詞の「悲しみ」は tristeza(トリステサ・女性名詞)です。
【感嘆はどちらも自然】
・¡Qué triste!(なんて悲しいんだ。)
・¡Qué tristeza!(なんという悲しみだ。)【「悲しみを感じる」】
・Siento tristeza.(悲しみを感じる。)
・Tengo tristeza. ⇒ 不自然。tener では言いません【「〜が悲しくさせる」】
・Me da tristeza esta noticia.
(このニュースは悲しい/これを聞くと悲しくなる。)
直訳するとそうですね。でも実は日本語の発想にとても近いんですよ!
日本語でも「あのニュースは悲しい」と言いますよね。悲しんでいる本人ではなく、出来事のほうを主語にする。スペイン語のこの形は、まさにその感覚なんです。
だから日本語話者は、この構文をむしろ自然に受け入れられるはずですよ。
そのとおりです! この me da 〜 の形は感情表現の万能パターンなので、名詞を差し替えて丸ごと使い回せますよ。
Me da miedo(怖い)、Me da rabia(腹が立つ)、Me da pena(気の毒だ)といった具合ですね。
triste のもうひとつの顔「みすぼらしい・たかが〜」
辞書を引くと、triste には「悲しい」以外の意味も載っています。名詞の前に置いたとき、triste は「取るに足りない」「わずかな」というニュアンスを帯びることがあります。
・Lo hizo por cuatro tristes pesos.
(彼はたった数ペソぽっちのためにそれをやった。)
・No tengo ni un triste café en casa.
(家にはコーヒー1杯すらない。)
まさに「ぽっち」がぴったりの訳ですね!
コアイメージの「光が差していない」に戻ると納得しやすいですよ。金額に輝きがない、つまり「しょぼい」ということなんです。
初学者のうちは自分から使わなくても大丈夫ですが、読んだり聞いたりしたときに「悲しい」と訳して詰まらないよう、頭の隅に置いておきましょう。
triste は「寂しい」ではない
最後にもうひとつ、大事な切り分けです。
triste は「悲しい」であって「寂しい」ではありません。
「寂しい」と言いたいときは solo / sola を使いますよ!
・Me siento solo.(話し手が男性)
・Me siento sola.(話し手が女性)
(寂しい。)
・Estoy solo, pero no estoy triste.
(一人だけど、悲しくはない。)
そこが日本語話者の強みなんです!
英語の sad ひとつで両方をまかなう感覚だと、ここで必ず混乱します。日本語の区別をそのままスペイン語に持ち込めばいいので、迷わず使い分けられますよ。
ちなみに solo は -o 語尾なので、こちらは男女で形が変わります。triste と逆なので、セットで確認しておきましょう!
そのまま使える triste の定番フレーズ
triste を使った頻出表現
・Estoy triste. ⇒「悲しい。」
・¿Por qué estás triste? ⇒「どうして悲しいの?」
・Estoy triste por la noticia. ⇒「その知らせで悲しい。」(理由は por)
・No estés triste. ⇒「悲しまないで。」
・Me pone triste. ⇒「それは私を悲しくさせる。」
・Es la parte más triste de la película. ⇒「映画で一番悲しい場面だ。」
・Qué triste. ⇒「なんて悲しいんだ。」
いい着眼点です! Estoy triste por 〜 の形は使い勝手が抜群ですよ。
動詞を続けたいときは Estoy triste porque 〜(〜だから悲しい)にすればOKです。por は名詞の前、porque は文の前、と覚えておきましょう。
triste の意味と使い方のまとめ
⇒ 人の気持ちだけでなく、部屋・風景・作品にも使える
●-e で終わる形容詞なので男女同形。複数だけ tristes
⇒ tristo / trista という形は存在しない
●人の気持ちは estar triste。人に ser triste を使うと「陰気な人」になる
●「悲しくなる」は ponerse triste、「悲しく感じる」は sentirse triste
●名詞は tristeza。Tengo tristeza は不自然で、Siento tristeza か Estoy triste
●Me da tristeza=「それが私を悲しくさせる」。日本語の「〜が悲しい」に近い形
●「寂しい」は triste ではなく solo / sola
triste は1語で「性数一致」と「ser / estar」の両方を復習できる、とても効率のいい単語なんです。
ここを固めておくと、他の形容詞の理解も一気に楽になりますよ!
悲しみにまつわるスペイン語は、triste 以外にもまだまだあります。
全体像をまとめた記事もありますので、あわせてどうぞ!
「SpanishDict, triste(https://www.spanishdict.com/translate/triste)」
「SpanishDict, Ser vs. Estar(https://www.spanishdict.com/guide/ser-vs-estar)」