「turn(ひっくり返す、回る)」+「over(〜を超えて、覆って)」の2つのパーツで構成されている単語です。
「ぐるっと1回転して新しく入れ替わる」がコアイメージで、ビジネスシーンでは主語によって“turnover“=「総売上高、取引高」「離職率、人員の入れ替え」という重要な意味を持ちますよ!
”turnover”の意味と使い方 コアイメージは「ぐるっと1回転して入れ替わる」
”turnover(発音:tə́ːrnòuvər/ターンオーヴァー【名詞】)”は、主にビジネスで「総売上高、取引高」や「離職率、人員の入れ替え」という意味で使われる重要単語です。
一見すると「売上」と「離職率」は全く違う意味に見えますが、パーツを分解してコアイメージを掴むと、すべて同じコアから派生していることが分かります。
また、組織の中で古い人が出ていき、新しい人が入って1回転する(=「人員の入れ替わり・離職率」)こと。
どちらも、中身がパタンと新しく入れ替わるサイクル(=”turnover”)を指しているわけですね!
「ひっくり返して中身を新しくする動き」が根底にあるんですよ。

💡 ”turnover”の語法・文法の解説(頻出フレーズ)
”turnover”を実際のビジネスや試験で正しく使うために、おさえておきたい文法のポイントが3つあります。
① 主に「不可算名詞(数えられない名詞)」として使う
ビジネスにおける「売上高」や「離職率」を意味する場合、原則として数えられない名詞(不可算名詞)として扱います。ただし、「具体的な数字を伴う売上」や「特定の入れ替わり」を指すときは `a turnover of ~` のように `a` がつくこともあります。
② イギリス英語とアメリカ英語での使われ方の違い
実は、”turnover”を「総売上高(sales / revenue)」の意味で頻繁に使うのは、主にイギリス英語(および環境が近いヨーロッパ・オーストラリア等)です。アメリカ英語では「売上」の意味ではあまり使われず、主に「離職率」や「在庫回転率」、あるいはスポーツの攻守交代の意味で使われることが多いです。TOEICなどではどちらも登場するので注意しましょう!
③ 組み合わせて使われる頻出フレーズ(コロケーション)
前後の単語を見ることで、「お金(売上)」と「人(離職)」のどちらの意味で使われているかを一瞬で見分けることができます。
- 【お金・売上】annual turnover(年間総売上高)
- 【人・離職】staff turnover / labor turnover(スタッフの離職率・入れ替わり)
- 【商品・在庫】inventory turnover / stock turnover(在庫回転率)
- 【フレーズ】a high/low turnover(高い/低い 回転率・離職率)
「turnover」の頻出例文
【売上・取引高の意味での使い方】
・The company has an annual turnover of $10 million.
(その会社は1000万ドルの年間総売上高[取引高]がある。)・Large supermarkets rely on a high turnover of goods to make a profit.
(大型スーパーマーケットは、利益を上げるために商品の高い在庫回転率に依存している。)【離職率・人員入れ替えの意味での使い方】
・A high turnover of staff can be a major problem for businesses.
(スタッフの離職率の高さ[頻繁な入れ替わり]は企業にとって大きな問題になり得る。)・We need to find ways to reduce employee turnover and improve morale.
(従業員の離職率を下げ、士気を高める方法を見つける必要がある。)※参考・例文引用「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
”turnover”の関連語①:「売上・利益」を意味する単語”revenue/profit”との違い
⇒「お金の動き」の意味を持つ単語”revenue/profit”
イメージの違いをまとめると、以下のようになります!
turnover ⇒「商品や資本が年間でどれくらい回転したか」=総売上高(※主に英)
revenue ⇒「事業や国にドッと一方向に入ってくる全体の総収入」=総収入、歳入(※主に米・公的)
profit ⇒「総売上からコスト(経費)を差し引いて手元に残った儲け」=利益、純益
どれもビジネスでは必須の単語ですが、お金の「見方」が違うんですね。
● The company’s annual turnover increased by 15% this year.
「その会社の(在庫をどんどん回転させて積み上げた)年間総売上高は今年15%増加した。」
⇒ お金や商品がビジネスの中で「どれくらいの規模で回っているか」のイメージ。
● The government expects a drop in tax revenue due to the recession.
「政府は不況による(国に入ってくる)税金収入[歳入]の減少を予測している。」
⇒ 組織や国の中に「入ってくるお金の全額」のイメージ(まだコストを引いていない)。
● Our main goal is to maximize net profit by cutting unnecessary costs.
「私たちの主な目標は、不要なコストを削減して(経費を全て引いて残った)純利益を最大化することだ。」
⇒ 最終的に「自分たちの手元に純粋に残るお小遣い」のイメージ。
”turnover”の関連語②:「人の動き」を意味する単語”employment/retention”との違い
⇒「雇用と定着」の意味を持つ単語”employment/retention”
人の「出入り」に関する3つの単語の違いはこちらです。
turnover ⇒「人が辞めて新しい人が入る、出入りの激しさ・循環率」=離職率、人員の入れ替え
employment ⇒「人を新しく雇い入れている、働いている状態」=雇用、職
retention ⇒「雇った人が辞めずに、そのまま組織に留まること」=定着、維持
人事や経営のニュースでは、この3つがよくセットで議論されます。
● The IT industry often suffers from a high staff turnover.
「IT業界はしばしば(従業員がバタバタと入れ替わる)高い離職率に悩まされている。」
⇒ 出入口から人が激しく出入りして、組織がぐるぐる回っているイメージ。
● The new factory will provide employment for hundreds of local people.
「その新しい工場は、何百人もの地元の人々に(新しく働く場所となる)雇用を提供するだろう。」
⇒ 新しく組織の枠組み(雇用枠)の中に人を迎え入れるイメージ。
● The company introduced flexible working hours to improve employee retention.
「その会社は(社員を外へ逃がさずに留める)従業員の定着率を向上させるため、フレックスタイム制を導入した。」
⇒ 迎え入れた大切な人材を、外に流出させずにしっかり中に留めておくイメージ。
”turnover”の語源は動詞句「turn over」 物理的な「ひっくり返す」から「入れ替わりのサイクル」へ

”turnover”の語源についても、確認していきましょう。
”turnover”の語源は動詞句の”turn over”(ひっくり返す、裏返す)が名詞化したものです。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”turnover”の起源について、下記の記載があります。
Origin
First recorded in 1605–15; noun use of verb phrase turn over日本語訳:1605〜1615年に初めて記録された。動詞句「turn over」の名詞としての用法。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記録からも分かるように、”turnover”は元々「turn(回す)」と「over(超えて・覆って)」が組み合わさった動詞句から、一つの名詞へと発展しました。
最初は単なる「物理的に物をひっくり返すこと」を表していましたが、時代が進むにつれて様々な分野へと意味が派生していきました。
● 17世紀初頭(起源)
動詞句「turn over(ひっくり返す)」の名詞として誕生。パンやパイ生地をパタンと「ひっくり返して・折りたたんで」作る焼き菓子(アップル・ターンオーバーなど)を指す言葉としても使われるように。
↓
● ビジネスへの派生(お金・モノの入れ替わり)
お店の在庫が売れて棚が空になり、そこにまた新しい商品が補充される。この「商品がぐるぐると回転して入れ替わるサイクル」の概念から、「総売上高」や「取引高」を指す言葉へと発展。
↓
● ビジネスへの派生(人の入れ替わり)
「モノ」の循環だけでなく、「人」の循環にも使われるように。従業員が辞めては新しい人が入ってくる組織の入れ替わりのサイクルから、「離職率」や「人員の入れ替え」を意味するようになる。
↓
● スポーツへの派生(攻守の入れ替わり)
バスケットボールやアメリカンフットボールなどで、ボールの所有権が相手チームへ「ひっくり返る(攻守が交代する)」ことを「ターンオーバー」と呼ぶようになる。
ビジネスにおける「モノやお金、人の入れ替わり」、さらにはスポーツの「攻守の交代」にまで意味が広がっていったんですね!
「対象がひっくり返って、新しいものに入れ替わる」というコアイメージを持っておくと、一見バラバラに見える複数の意味もスッと頭に入ってきますよ!
構成パーツで覚える”turnover” 「turn」+「over」

ここからは、”turnover”を形作っている2つの構成パーツについて、さらに深く掘り下げていきましょう!
単語をパーツに分解して、それぞれの「本来の意味(コアイメージ)」を理解すると、他のたくさんの単語も芋づる式にラクに覚えられるようになりますよ。
それぞれのパーツが持つ本来のパワーと、それらを使った仲間たちの単語を詳しく解説しますね!
① “turn” は「円運動・回転・向きを変える」を意味するパーツ
”turn”は、もともとラテン語の「旋盤(せんばん)で削る、回す」という意味の言葉(tornare)に由来しています。
ここから、単に動くだけでなく、「円を描いてグルグル回る」「ガラリと向きを変える」という強力なコアイメージが生まれました。
重要語をパーツに分解して、どうしてその意味になるのか紐解いてみましょう。
● return(戻る、返却する)
⇒ re-(後ろへ・元へ) + turn(回る・向く)
⇒ ぐるっと向きを反対に変えて「元の場所へと回帰する」という意味になります。
● overturn(ひっくり返す、判決などを覆す)
⇒ over(上を越えて・逆さに) + turn正式(回す)
⇒ ガラッと上下を逆さまに「ひっくり返す、転覆させる」イメージです。そこから、裁判などの判決を「覆す」という意味にも発展します。
● turnout(イベントの参加者数、人出、生産高)
⇒ turn(向きを変えて進む) + out(外へ)
⇒ 家や会社の中から「外へ向かって出てきた」というイメージです。イベントに外へ出てきた人々の数(参加者数・人出)や、工場から外に送り出された製品の量(生産高)を表すようになりました。
② ”over” は「〜を超えて、覆って、上をまたぐ」を意味するパーツ
”over”のコアイメージは、「何かの上をアーチ状に越えていく」、または「上から全体をすっぽり覆う」という空間的な広がりです。
基準となるラインを「超える(超過・克服)」ニュアンスや、上からの「支配・管理」のニュアンスを持っています。
● overcome(克服する、打ち勝つ)
⇒ over(〜を越えて) + come(やって来る)
⇒ 目の前にある大きな壁や困難を「乗り越えてこちら側にやって来る」イメージから、困難を「克服する」という意味になります。
● oversee(監督する、取り締まる)
⇒ over(上から) + see(見る)
⇒ 高い位置から全体を「見下ろしてチェックする」イメージです。だからビジネスなどで仕事を「監督する」という意味になります。(ラテン語由来の supervise も全く同じ成り立ちです!)
● overlap(部分的に重なり合う)
⇒ over(〜の上に重なって) + lap(折り重ねる、包む)
⇒ 一方のものが、もう一方の物の上に「重なって覆う」状態を表します。スケジュールや意見が重複するときにもよく使われます。
● overall(全体的な、全面的な)
⇒ over(〜をすっぽり覆って) + all(すべて)
⇒ すべてのものを上から完全に覆い尽くしているイメージから、「全体的な」「総合的な」という意味になります。
そして、この2つがガッチャンコしたのが今回の主役”turnover”。
「turn(向きを変えて回す)」+「over(ガラリと超えて)」が組み合わさることで、お店の商品や資本、あるいは組織の人員が「ひっくり返って新しく回転・循環する」という強力なイメージに繋がるわけですね!
”turnover”の意味と語源・覚え方のまとめ
以下、”turnover”の意味と覚え方についてのまとめです。
⇒コアイメージは「ひっくり返って入れ替わる」
⇒”turnover”=「総売上高、取引高」「離職率、人員の入れ替え」の意味
●語法・文法のポイント ⇒ ビジネスシーンでは、お金の入れ替わり(売上)と人の入れ替わり(離職)のどちらを指しているかを、前後の単語(annual turnoverなら売上、staff turnoverなら離職)で見分けるのがコツ!
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!