古期英語の「thurh(〜を通り抜けて)」に由来し、実は「穴(hole)」という意味のパーツとも深いつながりがある単語です。
「トンネルを入り口から出口まで通り抜ける」がコアイメージで、“through“=「〜を通り抜けて、〜の至る所に」「〜の初めから終わりまで、〜によって(手段)」の意味を持ちますよ!
”through”のコアイメージは「3Dのトンネルを通り抜ける」
”through(発音:θrúː/スルー【前置詞・副詞・形容詞】)”は「〜を通り抜けて」「〜の初めから終わりまで」「〜によって(手段)」の意味を持つ単語です。
語源的な背景から、空間や時間を最初から最後までガッツリと「貫通して通り抜ける」のがコアイメージです。
物理的に森やトンネルを抜けることや、時間を突き抜けて「月曜日から金曜日まで(=「〜の間ずっと」)」なこと、さらにはそのプロセスを通過した=”〜という手段によって”物事を達成した、という意味になるわけですね!
”through”は「空間の貫通」だけでなく、「時間の終わりまでの通過」「手段・媒介」、そして完全にやり遂げたという「完了」のイメージへと派生していきます。それぞれの具体的な使い方を例文と一緒に見ていきましょう!
【意味①】空間の貫通(〜を通り抜けて、〜の至る所に)
物理的な立体空間の中に入り込み、通り抜ける一番基本の使い方です。また、通り抜けた結果として「〜の至る所にくまなく」という意味にもなります。
例文
・We walked through the forest.
(私たちはその森を通り抜けて歩いた。)※引用:ジーニアス英和辞典
・The river flows through the city.
(その川は街を通って流れている。)
・The rumor spread through the school.
(その噂は学校中に広まった。)
【意味②】時間の通過(〜の初めから終わりまで、〜の間ずっと)
時間のトンネルを最初から最後まで突き抜けるイメージです。ある期間の始まりから終わりまでずっと継続していることを表します。
例文
・I read through the book in one day.
(私はその本を一日で読み通した[初めから終わりまで読んだ]。)※引用:ジーニアス英和辞典
・He slept through the movie.
(彼は映画の間ずっと眠っていた。)
・The store is open Monday through Friday.
(その店は月曜日から金曜日まで営業している。)
【意味③】手段・媒介(〜を通じて、〜によって)
このように、何かを仲介役・プロセスとして通過させることで、目的を達成する「手段」を表します。
例文
・I found a temporary job through an agency.
(私は代理店を通じて一時的な仕事を見つけた。)
・We met through a mutual friend.
(私たちは共通の友人を通じて知り合った。)
【イメージ比較】似ている前置詞との使い分け・違い

”through”を正しく使いこなすために、受験英語や日常会話でみんなが迷いやすい類義語との違いをスッキリ整理しましょう!
1. 空間編:”through” と ”across / past” の違い
例えば”across”や”past”なども「〜を通る」を連想させる単語ですよ!
⇒「〜を通る」の意味を持つ単語”across / past”
イメージの違いとしては
through ⇒「3Dの空間の中にドップリ入り込んで」=〜を通り抜けて(立体)
across ⇒「2Dの平面を、端から端へ十字に横切る」=〜を横切って(平面)
past ⇒「特定の対象物のすぐそばを、立ち止まらずに通り過ぎる」=〜を通り過ぎて(通過)
といった感じです!
それぞれのイメージを実際の表現を見ながら確認してみましょう!
●walk through the park
「(草木が生い茂る3Dの空間を、入り口から出口まで)公園を通り抜ける」
⇒ 空間の内部に入り込んで突き抜けるイメージ
●walk across the park
「(公園の広場や敷地という2Dの平面を、直線的に)公園を横切る」
⇒ 平らな面を横断するイメージ
●walk past the park
「(公園の中には一切入らず、その横の道を)公園を通り過ぎる」
⇒ 対象物を横目にスルーして先へ進むイメージ
2. 手段・経路編:”through” と ”by / via” の違い
類義語があるので覚えてしまいましょう!
⇒「〜を通じて・によって」の意味を持つ単語”by / via”
それぞれの表現の違いとしては
through ⇒「人や組織、継続的なプロセスというトンネルを通じて」=〜を通じて(媒介・経過)
by ⇒「具体的な交通手段、通信手段、方法そのものをズバリ指して」=〜によって(直接的な手段)
via ⇒「地理的な経由地や、特定のルート・システムを中継して」=〜経由で(中継点)
といったイメージです。
●get a job through a friend
「友人の紹介[友人という間柄を通過すること]を通じて仕事を得る」
⇒ 人やプロセスを仲介役として通り抜けるイメージ
●apply for a job by email
「Eメールによって[Eメールという手段を直接使って]仕事に応募する」
⇒ 道具や方法をダイレクトに道具として使うイメージ
●fly to London via Paris
「パリ経由で[パリという中継地を通って]ロンドンへ飛ぶ」
⇒ ルート上のチェックポイントを通過するイメージ
”through”の文法・語法 定番表現「be through with」と注意したい形容詞の使い方

”through”をマスターする上で、絶対に外せない日常会話の定番フレーズと、形容詞としての役割について解説します。
1. 「やり遂げてスッキリ!」フレーズ “be through with A”
日常会話や海外ドラマで非常によく使われるのが “I’m through with A(Aはもう終わりだ、Aをやり遂げた)” という表現です。これもコアイメージの「トンネルを通り抜けた」からきています。
仕事や課題という長く暗いトンネルを『すっかり通り抜けて(through)』、それと『一緒にいる状態(with)』を脱出した、というニュアンスから、「〜を終える」「(恋人などと)関係を完全に断ち切る」という意味になります。
例文
・I’m through with my homework.
(宿題はもう終わったよ。)
・Are you through with the newspaper?
(その新聞はもう読み終わりましたか?)
・I’m through with him.
(彼とは完全に縁を切ったわ。)
2. 形容詞としての “through” 「直通の、終点までの」
“through” は前置詞だけでなく、形容詞としても使われます。ここでも「途中で遮られずに突き抜ける」イメージが活きています。
例えば、乗り換えなしで目的地まで突き抜ける電車のことを “a through train(直通列車)” と言ったり、街をノンストップで突き抜ける主要道路を “a through street(直通道路・優先道路)” と呼びます。最初から最後まで遮られない、という感覚を掴んでおきましょう。
例文
・This is a through train to Tokyo.
(これは東京への直通列車です。)
・Is this a through ticket to London?
(これはロンドンまでの通し切符ですか?)
”through”の語源は西ゲルマン祖語の「〜を通り抜けて」 意味は「穴を開けられた」

”through”の語源についても、確認していきましょう。
”through”の語源は古期英語の「thurh(〜を通り抜けて)」”です。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”through”の起源について、下記の記載があります。
Origin of through
First recorded before 900; Middle English (preposition and adverb), metathetic variant of thourgh, Old English thurh, cognate with German durch; akin to Old English therh, Gothic thairh “through,” Old High German derh “perforated,” Old English thyrel “full of holes” (adjective), “hole” (noun); see thirl日本語訳:900年より前に最初に記録された。中英語(前置詞および副詞)であり、thourghの音位転換による異体字。古期英語のthurhに由来し、ドイツ語のdurchと同源。古期英語のtherh、ゴート語のthairh(〜を通り抜けて)、古高ドイツ語のderh(穴を開けられた)、古期英語のthyrel(穴だらけの[形容詞]、穴[名詞])と同系。thirlを参照。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容からみるに、”through”は「向こう側まで突き抜けて穴が開いている状態」の言葉から発祥している模様。
● 西ゲルマン祖語(突き抜ける・穴を開けるという概念)
↓
● 古高ドイツ語「derh」(穴を開けられた)、古期英語「thyrel」(穴だらけの・穴)
↓
● 古期英語「thurh」(〜を通り抜けて)へと発展し、現在の中英語を経て ”through” へ!
ちなみに、鼻の穴を意味する「nostril(鼻腔)」の ”tril” も、この語源の仲間(thyrel=穴)から来ています。「鼻の穴」と「through」が同じルーツで繋がっているなんて、語源の世界は面白いですね!
構成パーツで覚える”through”の派生表現・イディオム

ここからは構成パーツ(他の単語との組み合わせ)の面から”through”の表現について覚えていきましょう。
”through”はそれ自体が強力なパーツとなり、他の語と組み合わさることで「完全に突き抜けた状態」の単語や熟語を作ります。
“break” + 「through」 は「突破する」を意味する表現
”break(壊す)” に ”through(突き抜ける)” が一体化した表現です。
その他に、動詞として障壁を物理的に突き破る際にも動詞フレーズとして使用します。
例文
・Scientists have made a major breakthrough in cancer research.
(科学者たちはがん研究において重大な大躍進[ブレイクスルー]を遂げた。)
・The sun broke through the clouds.
(太陽が雲を突き抜けて顔を出した。)
”drive” + 「through」 は「車で通り抜ける」を意味する表現
”drive(車を運転する)” に ”through(通り抜ける)” が組み合わさった表現です。
車から一歩も降りずに用事を済ませて「そのまま通り抜けていくシステム」を表していますよ。
例文
・Let’s grab some coffee at the drive-through.
(ドライブスルーでコーヒーを買おう。)
他にもある!重要イディオム(go through / see through)
その他の”through”を使用する動詞の組み合わせについても、下記のように完全に通過する・突き抜けるニュアンスが含まれます。
・see through(〜を見抜く、最後まで見届ける)
例文
・She went through a difficult time after losing her job.
(彼女は仕事を失った後、辛い時期を経験した。)※人生のトンネルを通り抜けるイメージ
・I can see through his lies.
(彼の嘘は見抜ける。)※嘘の障壁を突き抜けて本質を見るイメージ
”through”の意味と語源・覚え方のまとめ

以下、”through”の意味と覚え方についてのまとめです。
⇒コアイメージは「トンネルを入り口から出口まで通り抜ける」
⇒”through”=「〜を通り抜けて」「〜の初めから終わりまで」「〜によって(手段)」の意味
●語法・文法のポイント ⇒日常会話で頻出の「be through with A(〜を終える)」や、形容詞としての「直通の」という使い方を押さえる。
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!
