hear of、hear about、hear fromは、どれも日本語では「〜について聞く」「〜から聞く」と訳されやすい表現です。
でも英語では、存在だけ知っているのか、詳しい情報を得たのか、本人から連絡が来たのかによって前置詞を使い分けます。
この記事では3表現の違いに加え、hear+人+do / doing、Can you hear me?、hearの語源と覚え方まで、hearの重要用法をまとめて整理します!
- 1 hear of・hear about・hear fromの違いを一言で整理
- 2 hearの意味・発音・活用
- 3 hear ofの意味|「存在を聞いたことがある」
- 4 hear aboutの意味|「その件について情報を聞く」
- 5 hear fromの意味|「人・組織から連絡を受ける」
- 6 hear of・hear about・hear fromの比較表
- 7 hear+人+doとhear+人+doingの違い
- 8 Can you hear me?の意味と返し方
- 9 hearの「音」以外の重要用法
- 10 hearの語源|もともと「聞く・従う」まで含んだ語
- 11 hearの覚え方|「HEREに音が来る」とイメージする
- 12 よくある間違い
- 13 例文で3表現を使い分ける
- 14 よくある質問
- 15 理解度チェック
- 16 hear of・hear about・hear fromのまとめ
hear of・hear about・hear fromの違いを一言で整理
●hear of+人・物
存在や名前を聞いたことがある
例:Have you heard of this author?
(この作家のことを聞いたことがありますか?)
●hear about+出来事・話題
その件について情報や詳細を聞く
例:Did you hear about the accident?
(その事故のことを聞きましたか?)
●hear from+人・組織
その人・組織から連絡や返答を受ける
例:I heard from the bank yesterday.
(昨日、銀行から連絡がありました。)
hear ofは「名前くらいは知ってる」、hear aboutは「その話を聞いた」、hear fromは「本人から連絡が来た」って感じかな?
そのまとめでほぼ完璧です!
of=存在、about=話題の中身、from=情報の出どころと覚えると、前置詞のイメージともきれいにつながります。まずはhear自体の基本から確認して、3つの違いを詳しく見ていきましょう。
hearの意味・発音・活用
hearは「音が耳に入る」「人づてに情報を得る」という意味の動詞です。発音はアメリカ英語で/hɪr/、イギリス英語で/hɪə/。カタカナでは「ヒア」に近いものの、日本語の「ヒーア」のように母音を分けず、一息で発音します。
hearの活用
原形:hear
三人称単数現在:hears
過去形:heard
過去分詞:heard
現在分詞:hearing
heardは米英とも、おおむね「ハード」ではなく「ハァド/ハードの中間」に近い音です。綴りのeaを「イー」と読まない点に注意しましょう。
hearのコアイメージは、音や情報が外から自分のところへ届くことです。物音なら耳に届き、ニュースなら人づてに届き、メールなら相手から連絡が届きます。hear of / about / fromも、この「届く」に前置詞の視点が加わった表現です。
hear ofの意味|「存在を聞いたことがある」
hear of+人・物・名称は、その存在や名前について聞いた経験がある、つまり「〜のことを聞いたことがある」「〜を知っている」という意味です。詳しい内容まで知っているとは限りません。
・Have you ever heard of Marie Curie?
(マリー・キュリーのことを聞いたことがありますか?)・I’ve never heard of that app.
(そのアプリは聞いたことがありません。)・Most people have heard of Mount Fuji.
(ほとんどの人は富士山のことを聞いたことがある。)
have heard ofがよく使われる理由
「今までに聞いた経験があるか」を表すため、hear ofは現在完了のhave heard ofで非常によく使われます。
Have you heard of+名前?
=「その名前・存在をこれまでに耳にしたことがありますか?」
初対面の人物、店、作品、学説、病名などを相手が知っているか確認するときに便利です。Do you know …?よりも知識の程度を低く設定し、「詳しく知らなくても、名前だけ聞いたことはある?」と柔らかく尋ねられます。
not hear ofには別の意味もある
wouldn’t hear of itやwill not hear of somethingは、単に「聞いたことがない」ではなく、提案を受け入れない・絶対に許さないという定型表現です。
・I offered to pay, but she wouldn’t hear of it.
(私が払うと申し出たが、彼女はどうしても受け入れなかった。)・My parents won’t hear of me traveling alone.
(両親は私の一人旅を絶対に許してくれない。)
同じhear ofでも、never heard ofは「知らない」、wouldn’t hear ofは「そんな話は受け入れない」なんだ。文の形で見分ける必要があるね。
そうなんです!
have never heard of+名詞なら「存在を知らない」。一方、won’t / wouldn’t hear of+提案や行為なら、「その話を聞き入れる余地がない」=拒否するです。後者はかたまりで覚えましょう。
hear aboutの意味|「その件について情報を聞く」
hear about+出来事・問題・話題は、対象について情報を得ることです。hear ofよりも、中身や事情へ意識が向いているのが特徴です。
・Did you hear about the fire?
(火事のことを聞きましたか?)・I heard about your new job. Congratulations!
(新しい仕事のことを聞いたよ。おめでとう!)・We were sorry to hear about your loss.
(ご不幸を知り、残念に思います。)・I’d like to hear more about your project.
(あなたのプロジェクトについて、もっと聞きたいです。)
hear ofとhear aboutの境界は「存在」と「内容」
Have you heard of the Aurora Project?
「オーロラ計画」というものを知っていますか?
→名称・存在の認知を確認
Have you heard about the Aurora Project?
オーロラ計画について何か聞きましたか?
→最近の動き、内容、うわさなどの情報を確認
I’ve heard of her, but I don’t know much about her.
彼女の名前は聞いたことがあるが、詳しくは知らない。
→hear ofの「知識の浅さ」がよく分かる例
実際の会話では重なる場面もあります。新しい映画について「聞いた?」と尋ねる場合、存在そのものならheard of、公開日や評判などのニュースならheard aboutが自然です。話し手がどこまでを「聞いた」と捉えるかで選択が変わります。
hear fromの意味|「人・組織から連絡を受ける」
hear from+人・組織は、その相手から手紙、電話、メール、メッセージ、返事などを受け取ることです。日本語では「〜から連絡がある」「〜から便りをもらう」と訳すと自然です。
・Have you heard from Aya recently?
(最近、アヤから連絡あった?)・I haven’t heard from him in weeks.
(彼から何週間も連絡がない。)・We’re waiting to hear from the bank.
(私たちは銀行からの返事を待っています。)・You’ll hear from us by Friday.
(金曜日までにこちらからご連絡します。)
hear fromとhear aboutを同時に使う形
誰から、何について連絡を受けたかを両方言うこともできます。
・I heard from Ken about the schedule change.
(ケンから日程変更について連絡を受けた。)
この文ではfrom Kenが情報源、about the schedule changeが話題です。前置詞の役割がはっきり見えます。
I look forward to hearing from youの意味
ビジネスメールの定番I look forward to hearing from you.は、「あなたから連絡を受けることを楽しみにしています」から、自然な日本語では「ご連絡をお待ちしております」です。
ここでのtoは不定詞ではなく、表現look forward toの前置詞です。そのためhearではなく動名詞hearingになります。
○ I look forward to hearing from you.
× I look forward to hear from you.
hear of・hear about・hear fromの比較表
| 表現 | 中心となる意味 | 後ろに来やすい語 | 典型的な質問 |
|---|---|---|---|
| hear of | 存在・名前を知る | 人、作品、会社、場所、概念 | Have you heard of it? |
| hear about | 話題・出来事の情報を得る | 事故、ニュース、計画、問題、経験 | Did you hear about it? |
| hear from | 相手から連絡・意見を受ける | 人、会社、銀行、学校、担当者 | Have you heard from them? |
of:対象を外側から眺める → 存在だけ認識
about:対象の周りに情報がある → その話題について聞く
from:出発点を示す → その人から情報・連絡が届く
日本語訳ではなく、前置詞が作る関係を見ると使い分けやすくなります。
hear+人+doとhear+人+doingの違い
hearの後ろには、人+動詞の原形または人+動詞ingを置けます。どちらも「人が〜するのを聞く」ですが、聞いた範囲の捉え方が違います。
hear+人+do:動作を一まとまりとして聞く
原形は、行為の始まりから終わりまで、または完結した出来事を一まとまりとして捉えます。知覚動詞の後ろなのでtoのない原形です。
・I heard him open the door and leave.
(彼がドアを開けて出ていくのを聞いた。)・We heard the baby cry twice.
(赤ちゃんが2回泣くのを聞いた。)
hear+人+doing:進行中の一場面を聞く
-ing形は、その動作が進んでいる途中の音を耳にしたことを表します。全部を聞いたかどうかは重要ではありません。
・I heard him talking on the phone.
(彼が電話で話しているのが聞こえた。)・She heard someone knocking at the window.
(誰かが窓をノックしているのを彼女は聞いた。)
I heard her sing the song.
彼女がその歌を歌うのを聞いた。
→歌う行為全体・一回のまとまり
I heard her singing the song.
彼女がその歌を歌っているのが聞こえた。
→歌っている途中の一場面
原形=出来事を一枚の写真ではなく一本の線として捉える
-ing=進行中の場面を切り取る
受け身ではtoが戻る
能動文でtoのない原形を使っても、受け身にするとto不定詞になります。
・People heard him shout.
(人々は彼が叫ぶのを聞いた。)・He was heard to shout.
(彼が叫ぶのを聞かれた。)
この受け身はやや書き言葉的です。ニュースや報告文ではHe was heard shouting.のような-ing形もよく使われます。
Can you hear me?の意味と返し方
Can you hear me?は「私の声が聞こえますか?」です。電話、オンライン会議、離れた場所、大きな騒音の中などで、音声が相手へ届いているかを確認します。
よく聞こえる
Yes, I can hear you clearly.
(はい、はっきり聞こえます。)
少し小さい
I can hear you, but you’re a little quiet.
(聞こえますが、少し声が小さいです。)
途切れる
You’re breaking up.
(音声が途切れています。)
聞こえない
No, I can’t hear you.
(いいえ、聞こえません。)
ミュートを指摘
I think you’re on mute.
(ミュートになっていると思います。)
Can you listen to me?だとダメなの?文法的には「私の話を聞ける?」って言えそうだけど。
文法的に作れる場面はありますが、音声テストには不自然です。
Can you hear me?は「音が届く能力・状態」の確認。Will you listen to me?やCan you listen to me for a minute?なら、「ちょっと私の話に耳を傾けてくれる?」というお願いになります。目的が違うんですね。
hearの「音」以外の重要用法
hear that+文:〜だと聞く
・I hear that you’re moving to Osaka.
(大阪へ引っ越すと聞きました。)・We heard that the event had been canceled.
(イベントが中止になったと聞いた。)
現在形のI hear …は「人づてにそう聞いています」というやや距離を置いた伝聞表現です。thatは会話で省略されることがあります。
hear+疑問詞節:何が起きたかを聞く
・Have you heard what happened?
(何が起きたか聞いた?)・I heard why she left.
(彼女がなぜ去ったのか聞いた。)
hear someone out:最後まで話を聞く
hear+人+outは、相手の主張を途中で遮らず、最後まで聞くことです。
・Please hear me out before you decide.
(決める前に、私の話を最後まで聞いてください。)
単なる知覚ではなく「言い分を受け止める」に近いため、議論や説得でよく使われます。
hearの語源|もともと「聞く・従う」まで含んだ語
Online Etymology Dictionaryによると、hearは古英語のheran / hieranなどにさかのぼり、「耳で知覚する」だけでなく、聞く、従う、受け入れる、判断するといった意味も持っていました。さらにゲルマン祖語を経て、印欧祖語の「聞く」に関わる語根へつながると説明されています。
この歴史を見ると、現代英語のhearに「音が聞こえる」だけでなく、知らせを受ける、訴えを聞く、裁判を審理するといった意味があるのも理解しやすくなります。
・The court will hear the case next month.
(裁判所は来月、その事件を審理する。)・Hear me out.
(私の言い分を最後まで聞いて。)
どちらも、単に音波を受けるのではなく、耳へ届いた内容を取り上げるという古い意味の広がりを残しています。
hearの覚え方|「HEREに音が来る」とイメージする
hearとhereは発音が同じ同音異義語です。語源的に同じ単語ではありませんが、学習上は次のイメージが役立ちます。
音や情報が HERE(ここ)へ来る → HEAR(聞こえる)
●音がここへ来る:I can hear music.
●話題がここへ来る:I heard about the news.
●名前だけここへ来る:I’ve heard of the company.
●本人から連絡がここへ来る:I heard from her.
hearの主語は、音や情報を追いかけるよりも、届いたものを受け取る側です。
なお、hearとhereの綴りが区別されるようになったのは中英語期以降とされています。ただし、現在の意味を説明する正式な語源が「here+何か」というわけではないため、あくまで覚え方として使ってください。
よくある間違い
× I heard him yesterday. で「彼から連絡が来た」
I heard him.は通常「彼の声を聞いた」です。「彼から連絡があった」ならfromを付けます。
○ I heard from him yesterday.
(昨日、彼から連絡があった。)
hear aboutを名前の認知だけに使う
使えないわけではありませんが、単純に「その人物・名称を知っている?」ならHave you heard of …?がより直接的です。aboutを使うと、その人についてのニュースや評判を聞いたか、という含みが出ます。
hear+人+to doにする
× I heard her to sing.
○ I heard her sing.
○ I heard her singing.
知覚動詞hearの能動文では、目的語の後ろに原形か-ing形を置きます。
I’m hearing you.を音声確認に使う
現在の聞こえ方は通常I can hear you.です。I hear you.は文脈によって「言いたいことは分かるよ」「気持ちは理解する」という相づちにもなります。
例文で3表現を使い分ける
I’ve heard of the restaurant, but I’ve never been there.
(そのレストランの名前は聞いたことがあるが、行ったことはない。)
使い分け:存在のみ
I heard about the restaurant’s new chef.
(そのレストランの新しいシェフについて聞いた。)
使い分け:具体的な話題
I heard from the restaurant about my reservation.
(予約についてレストランから連絡が来た。)
使い分け:連絡元
Have you heard of this condition?
(この病気・状態を聞いたことがありますか?)
使い分け:名称の認知
I was shocked to hear about the damage.
(被害について聞いて驚いた。)
使い分け:出来事の情報
We hope to hear from you soon.
(近いうちにご連絡いただければ幸いです。)
使い分け:相手からの返信
よくある質問
hear ofとknowの違いは?
hear ofは、名前や存在を耳にした経験に焦点があります。knowは知識として知っていることを広く表し、人を目的語にすると「知り合いである」の意味にもなります。I’ve heard of him, but I don’t know him.なら「名前は聞いたことがあるが、知り合いではない」です。
hear aboutとlearn aboutの違いは?
hear aboutは主に人から話を聞く・知らせが届くニュアンスです。learn aboutは授業、読書、調査なども含めて、対象について知識を得ることを表します。体系的に学ぶならlearn aboutが合いやすいです。
hear fromは直接会って話す場合にも使える?
使えます。Cambridge Dictionaryでは、手紙・メール・電話だけでなく、その人が何かを伝えることも含めています。また、会議でWe’d like to hear from everyone.と言えば「全員から意見を聞きたい」です。ただし日常のI heard from Ken.は、多くの場合「ケンから連絡があった」と理解されます。
Have you heard of it?とDid you hear about it?の違いは?
前者は「それの存在を知っている?」、後者は「その出来事・ニュースを聞いた?」です。新製品の名前を知っているかならheard of、発売延期というニュースを知っているかならheard aboutが自然です。
理解度チェック
空欄にof / about / fromを入れてください。
1. Have you ever heard ___ this singer?
2. I heard ___ the storm on the news.
3. We haven’t heard ___ the client yet.
4. I heard ___ Mika ___ the change in venue.
5. She had heard ___ the book, but knew nothing ___ its author.
【答え】
1. of
2. about
3. from
4. from / about
5. of / about
hear of・hear about・hear fromのまとめ
●hear of=存在・名前を聞いたことがある
⇒ Have you heard of …? が定番
●hear about=出来事や話題について情報を聞く
⇒ Did you hear about …? が定番
●hear from=人・組織から連絡や意見を受ける
⇒ I look forward to hearing from you. は「ご連絡をお待ちしています」
●hear+人+do=行為を一まとまりとして聞く
●hear+人+doing=進行中の一場面が聞こえる
●Can you hear me?=声・音声が届いていますか?
覚える軸は、of=存在、about=内容、from=出どころです。
hearは一見すると用法が多い単語ですが、どれも「音や情報が自分へ届く」という一本のイメージでつながっています。
前置詞まで日本語の丸暗記にせず、ofは存在、aboutは話題、fromは出発点と整理すれば、会話でもメールでも自然に使い分けられますよ!
参考文献
Cambridge Dictionary「hear」「hear from」「not hear of」
Cambridge Dictionary, English Grammar Today「Hear, see, etc. + object + infinitive or -ing」
Merriam-Webster「hear」「hear of」
Online Etymology Dictionary「hear」