「de-(下に)」+「fic(作る)」+「-it(〜すること)」の3パーツで構成されている単語です。
「基準に達するほど作れていない」がコアイメージで、“deficit“=「赤字」「不足・欠損」の意味を持ちますよ!
”deficit”の意味と使い方 コアイメージは「作り足りない」
”deficit(発音:défisat / デフィシット)”は「赤字」「不足・欠損」の意味を持つ【名詞】です。
先ほど紹介した通り、「de-(下に)」+「fic(作る)」+「-it(〜すること)」が組み合わさっており、「基準に達するほど作れていない」というのがコアイメージになります。
「必要量を下回っている」状態=”deficit”になるわけですね!

ニュースなどでは「財政赤字(budget deficit)」や「貿易赤字(trade deficit)」という決まったフレーズで非常によく登場します。
”deficit”の語法と文法のポイント
”deficit”を実際の英文で正しく使うために、おさえておきたい文法ルールが2つあります!
deficitは数えられる名詞なので、単数形で使うときは “a deficit” としたり、複数形で “deficits” としたりする必要があります。
② 一緒に使われやすい動詞・前置詞をセットで覚える
・run a deficit:赤字を出す、赤字を抱えている
・reduce / cut a deficit:赤字を削減する
・cover / plug a deficit:赤字を埋める(補填する)
・a deficit of [金額・点数]:〜の赤字、〜の劣勢
・a deficit in [分野]:〜における不足
「deficit」を使った例文
・The government is trying to reduce the budget deficit.
(政府は財政赤字を削減しようとしている。)・Our company ran a large deficit last year due to unexpected expenses.
(わが社は予期せぬ支出が原因で、昨年大きな赤字を出した。)・The team has a deficit of three points in the second half.
(そのチームは後半、3点の劣勢[不足]に立たされている。)・She managed to cover the financial deficit with her savings.
(彼女は貯金で金銭的な不足分をなんとか埋めることができた。)
”deficit”の関連語①:「赤字・損失」を意味する単語”loss / shortfall”との違い
例えば”loss”や”shortfall”なども「赤字、損失、足りない額」を意味する単語ですよ!
⇒「赤字・損失」の意味を持つ単語”loss / shortfall”
それぞれのニュアンスの違いは以下の通りです!
deficit ⇒「収入よりも支出が多い状態」=(計算上の)赤字、不足額
loss ⇒「持っていた価値あるものを失うこと」=損失、損害(行為や結果そのもの)
shortfall ⇒「目標や計画した数量に届かないこと」=(一時的な)不足、未達分
といった感じです!
実際のフレーズと例文を見比べて、それぞれの感覚を掴んでみましょう!
●run a trade deficit
「貿易赤字を出す」
⇒ 輸出(収入)より輸入(支出)が多い、収支バランスのマイナス(赤字幅)を表すイメージです。
●suffer a financial loss
「金銭的な損失を被る」
⇒ 投資の失敗や盗難などで、手元にあった資産がガクッと減って「損をする」という出来事に焦点があります。
●a shortfall in the budget
「予算の不足」
⇒ 「100万円必要だったのに80万円しか集まらなかった」というように、目指していた目標に対して「届かなかった20万円の不足分」を指すイメージです。
”deficit”の関連語②:「不足・欠乏」を意味する単語”shortage / lack”との違い
⇒「不足・欠乏」の意味を持つ単語”shortage / lack”
それぞれの違いのイメージはこんな感じです!
deficit ⇒「数値や計算上のマイナス」=赤字、数量の不足(客観的なマイナス)
shortage ⇒「需要に対して供給が追いつかないこと」=(物資などの)品不足、困窮する不足
lack ⇒「必要なものが全くない、または著しく少ないこと」=欠乏、皆無に近い状態(概念的なものにも使う)
こちらも例文を通して、具体的な感覚をマスターしちゃいましょう!
●a deficit of talent
「(組織の運営目標に対して)人材が不足している」
⇒ 「運営には5人必要だが現状4人しかいない」というように、基準の人数を下回っているという数値的・客観的なイメージです。
●a water shortage
「水不足」
⇒ 雨が降らないなどで供給が追いつかず、生活に困るような「物資の品不足」を表すイメージです。
●lack of experience
「経験不足」
⇒ 経験という要素そのものが、決定的に「欠けている、ゼロに近い」というイメージです(lack of confidence:自信の欠如、などにもよく使われます)。
”deficit”の語源はラテン語「dēficit」 意味は「不足している」

”deficit”の語源についても、確認していきましょう。
”deficit”の語源はラテン語の「dēficit」です。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”deficit”の起源について、下記の記載があります。
Origin
First recorded in 1775–85; from Latin dēficit “(it) lacks,” 3rd-person singular present of dēficere “to fail, run short, lack, weaken”; see deficient日本語訳:1775〜85年に初めて記録された。ラテン語の dēficit(それには〜が欠けている、の意)から来ており、これは dēficere(失敗する、不足する、欠ける、弱まる、の意)の三人称単数現在形である。deficient(欠陥のある)を参照。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容からみるに、”deficit”はラテン語の動詞「dēficere(不足する)」の三人称単数形「dēficit(それは不足している)」から発祥していることが分かります。
では、なぜ「〜は不足している」という動詞が、そのまま英語で名詞として使われるようになったのでしょうか?
実は、かつてのヨーロッパでは公的な文書や会計の帳簿がラテン語で記録されていました。帳簿の計算で資金が足りない際、欄外に「dēficit(不足している)」と書き込まれていたのです。
これが18世紀後半になり、そのまま名詞として英語に取り入れられ、「赤字」や「不足額」を意味するようになったと言われています。
ラテン語「dēficere(不足する、弱まる)」
※「de-(下に、離れて)」+「facere(作る、なす)」の組み合わせ
↓
ラテン語「dēficit(それは欠けている:三人称単数)」
※当時の会計帳簿で「資金が不足している」というメモとして使われていた
↓
18世紀後半、英語で「欠損・赤字」を意味する名詞「deficit」として定着
ちなみに元となったラテン語「dēficere」からは、現代英語の「deficient(欠陥のある、不十分な)」や「deficiency(不足、欠乏)」といった親戚の単語も生まれていますよ!
構成パーツで覚える”deficit” 「de-」+「fic」+「-it」

ここからは、英単語をバラバラに分解して覚える「語源パーツ」の視点から、”deficit”を深く理解していきましょう!
”deficit”は、「de-(下に・離れて)」+「fic(作る)」+「-it(〜する・〜である)」という3つのパーツから成り立っています。
それぞれのパーツが持つ本来のイメージを知ると、他の難関単語も一気に記憶に残りやすくなりますよ!
① “de-” は「下に」「離れて」を意味するパーツ
”de-”は、位置が「下に(down)」向かうイメージや、基準から「離れて(away)」いくマイナスのイメージを持つパーツ(接頭辞)です。
”deficit”においては、「必要な基準よりも下に」「目標のラインから離れて」という意味合いを添えています。
例えば、以下のようなお馴染みの単語たちも、すべてこの “de-” のイメージから作られているんですよ。
⇒「de-(下に)」+「press(押す)」=気持ちや経済を下にグッと押し下げるイメージ。
● decline(減少する、断る)
⇒「de-(下に)」+「cline(傾く)」=グラフなどが下に向かって傾いていくイメージ。お誘いに対して首を「下へ傾ける(うつむく)」ことから「断る」という意味にもなります。
● decrease(減少する、低下する)
⇒「de-(下に)」+「crease(増える・育つ)」=増える(increase)の反対で、数量が下へ向かって変化していくイメージ。
② ”fic” は「作る」「行う」を意味するパーツ
”fic”は、ラテン語で「作る・行う」を意味する動詞(facere)が形を変えたものです。
英語では “fic” のほかに、“fac” や “fect”、あるいは動詞の語尾につく “-fy”(〜化する・〜にする)もすべて同じ「作る」の仲間(親戚)になります。
”deficit”においては、そのまま「(必要なものを)作る」という意味を担当しています。
形が少し変わっても、すべて「何かを作り出すイメージ」で繋がっていますよ!
⇒「ex-(外に ※ef-に変化)」+「fic(作る)」+「-ent(形容詞:〜の性質を持つ)」=成果を外にどんどん作り出せる、という意味から「効率的な」になります。
● artificial(人工的な、作り物の)
⇒「arti(技術・芸術)」+「fic(作る)」+「-al(形容詞)」=人間の「技術によって作られた」もの。自然(natural)の対義語ですね!
● beneficial(有益な、ためになる)
⇒「bene(良く)」+「fic(作る)」+「-al(形容詞)」=お互いにとって「良い状態や利益を作る」というイメージです。
③ ”-it” は「〜する」「〜である」というラテン語の動詞の語尾
ここが一番のポイントであり、”deficit”の面白いところです!
この “-it” は、英語の一般的な接尾辞(名詞や形容詞にするもの)とは少し毛色が違います。実は、ラテン語の動詞の形(三人称単数現在形:「それは〜する、〜である」)が、そのまま英語の「名詞」として残ったパーツなのです。
・de-(基準より下に)
・fic(作る)
・-it(〜している・〜である)
を組み合わせると、ラテン語の段階で「それは(基準より)下に作られている = 足りていない」という1つの動詞のフレーズだったわけですね。それが長い歴史の中で英語に入ってきたときに、「不足」「赤字」という名詞の単語として定着しました。
このように「ラテン語の動詞の形が、そのまま英語の名詞になった」という親戚の単語は、実は他にも身近なものがたくさんあります!
⇒「cred(信じる)」+「-it(〜する)」=ラテン語の「彼は信じる(crēdit)」が語源。信じるに値することから「信用」という意味の名詞になりました。
● audit(監査する、会計監査)
⇒「aud(聴く ※audioの語源)」+「-it(〜する)」=ラテン語の「彼は聴く(audit)」が語源。昔の監査は、口頭での報告を「聴く」スタイルだったことから、名詞として「監査」の意味になりました。
● exit(出口、退場)
⇒「ex-(外へ)」+「it(行く ※ラテン語の動詞 ire の三人称単数形)」=ラテン語の「彼は外へ出ていく(exit)」が語源。そこから「出口」という名詞になりました。
どうでしょう?こうして見ると、“-it” がつく単語たちの裏側にある共通の歴史が見えてきて、ただの丸暗記よりもずっと記憶に残りやすくなりますよね!
”deficit”の意味と語源・覚え方のまとめ

以下、”deficit”の意味と覚え方についてのまとめです。
⇒コアイメージは「基準に達するほど作れていない」
⇒”deficit”=「赤字」「不足・欠損」の意味
●語法・文法のポイント ⇒ お金や物資などの数値・計算上のマイナスを表す名詞。対義語は「surplus(黒字、余剰)」。
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