普段私たちが着る「コート」でお馴染みの単語ですが、実は語源をたどると「被う(おおう)、包む」というコアなイメージから発展している単語なんです。
「覆うもの・包むもの」がコアイメージで、“coat“=「上着、コート、被膜」「(動物の)毛皮、〜を覆う」の意味を持ちますよ!
”coat”の意味とコアイメージは「覆うもの・包むもの」
”coat(発音:kóut/コウト【名詞・動詞】)”は「上着、コート、被膜」「(動物の)毛皮、〜を覆う」の意味を持つ単語です。
アウターとしてのコートだけでなく、何かを「表面からすっぽりと覆うもの」はすべて ”coat” と表現できるのが、この単語の面白いところです。
さらに、チョコレートで表面を「覆う」ことや、ペンキを「上塗りする(覆う)」という風に、動詞としても”coat”が使われるわけです!
”coat”は名詞として日常会話でも非常によく使われますが、ビジネスや工業、料理の分野でも「コーティング(coating)」という言葉があるように、動詞・名詞の両方で大活躍します。
このように”coat”で表現するものは、「外側から膜や層を作って覆うもの・こと」が多いです。逆に、中身を隠すためではなく、ただ重ねて着るだけの衣服などは別の表現を使用します。
例文
・Put on your coat; it’s cold outside.
(コートを着なさい。外は寒いから。)・The dog has a thick winter coat.
(その犬は厚い冬の毛皮[被毛]に覆われている。)・The pills have a sugar coat to make them easier to swallow.
(その錠剤には、飲み込みやすくするための糖衣[砂糖の被膜]が施されている。)※参考・一部例文引用「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
【重要文法】”coat”の語法・覚えておきたい動詞のパターン

”coat”を動詞として使う際の、絶対に外せない最重要フレーズを押さえておきましょう。
「A(物)の表面全体を、B(液体や粉など)で満遍なく包み込む」と言いたい時に使われます。また、受動態の「be coated with B(Bで覆われている)」の形でも日常会話からニュースまで頻出しますよ!
例文
・Coat the fish with flour before frying.
(揚げる前に魚に小麦粉をまぶしなさい[小麦粉で覆いなさい]。)・The roads were coated with ice this morning.
(今朝、道路は氷で覆われていた[凍結していた]。)・His teeth are coated with tartar.
(彼の歯には歯石がこびりついている[歯石で覆われている]。)
”coat”の類義語:「上着」や「層・膜」を意味する単語との違い

せっかく”coat”を覚えるのであれば、似たような意味を持つ単語も一緒に整理して覚えてしまいましょう!
類義語①:「上着・アウター」を意味する単語 ”jacket / overcoat”
⇒「上着」の意味を持つ単語”jacket/overcoat”
イメージの違いとしては
coat ⇒「体全体を覆う」=比較的丈が長めの上着(または膜)
jacket ⇒「腰やヒップ丈の」=短めで軽めの上着
overcoat ⇒「服の一番外側に」=防寒用にスーツなどの上に着る厚手の外套
といった感じです!
●wear a heavy winter coat
「(体をしっかり覆う)厚手の冬用コートを着る」
⇒ すっぽりと体を包み込んで防寒するイメージ。
●a suit jacket
「(スーツの)ジャケット」
⇒ 丈が短く、室内でも脱がずにカチッと着ていられるイメージ。
●put on an overcoat over a suit
「スーツの上にオーバーコートを羽織る」
⇒ 一番外側に重ねて、外の寒気から完全に身を守るイメージ。
類義語②:「覆うもの・層」を意味する単語 ”layer / film”
⇒「表面の層・膜」の意味を持つ単語”layer/film”
それぞれの表現の違いとしては
coat ⇒「一面に塗られた」=塗装や液体の1回分の膜・層
layer ⇒「何かが積み重なった」=一般的な「層」(地層、積み重ね)
film ⇒「ごく薄い」=うっすらと表面に張った薄膜(油膜など)
といったイメージです。
●apply a second coat of paint
「ペンキを二度塗り[2層目の塗装]する」
⇒ 表面全体を均一に覆う1回分の膜のイメージ。
●an ozone layer
「オゾン層」
⇒ 物理的に積み重なったり、階層をなしているイメージ。ケーキの層(layers of a cake)などにも使われます。
●a thin film of oil on the water
「水面の薄い油膜」
⇒ 向こう側が透けるような、ごく薄い膜が張っているイメージ。
”coat”の語源はゲルマン語起源 意味は「ウールの衣服」

”coat”の語源についても確認していきましょう。
”coat”の起源は1250〜1300年頃に遡り、元々はウール(羊毛)の服”を指していました。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”coat”の起源について、下記の記載があります。
Origin of coat
First recorded in 1250–1300; Middle English cote, from Anglo-French, Old French, from Germanic; compare German Kotze, Old Saxon cott “woolen coat”日本語訳:1250–1300年に初めて記録された。中期英語の「cote」に由来し、これはアングロ=フランス語、古フランス語を経て、ゲルマン語に起源を持つ。ドイツ語の「Kotze(粗いウールの毛布/衣服)」や、古サクソン語の「cott(ウールのコート)」と比較される。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容からみるに、”coat”は古くからヨーロッパで使われていた「羊毛(ウール)で編まれた温かい衣服」から発祥している模様です。
ゲルマン語(サクソン語のcott:ウールの衣服)
↓
古フランス語 / アングロ=フランス語
↓
中期英語(cote)
↓
現代の英語(coat:体を覆う上着、そして広く「覆うもの全般」へ)
元々が「羊毛で体をしっかりと包み込むもの」だったからこそ、現代英語でも服に限らず「表面をしっかり覆う被膜や毛皮、動詞の〜を覆う」という意味にまでイメージが広がっていったのがよく分かります!
構成パーツで覚える”coat”の関連語

今回の ”coat” は単体で1つのパーツ(語幹)として機能するため、”prevent” のように「接頭辞+語根」に分解することはできません。
その代わりに、”coat” という言葉が含まれる日常会話やビジネスで超重要な「派生語」をセットで覚えてしまいましょう!
“coating” は「コーティング、塗装、被膜」を意味する名詞
”coat” に名詞を作る「-ing」がくっついた形です。「表面を覆っている層そのもの」や「覆う作業」を指します。
「a thin coating of chocolate(チョコレートの薄い層)」「a waterproof coating(防水コーティング)」などの形でよく使われます。
”raincoat” は「レインコート、雨合羽」
”rain(雨)” + ”coat(覆うもの・上着)” が合体した、非常にわかりやすい単語です。
”overcoat” は「オーバーコート、外套」
”over(〜の上に、超えて)” + ”coat(上着)” が合体した単語です。
”coat”の意味と語源・覚え方のまとめ

以下、”coat”の意味と覚え方についてのまとめです。
● ”coat”は元々「ウールの衣服」を指し、現代では「覆うもの・包むもの」がコアイメージ。
● アウターの上着(コート)だけでなく、動物の「毛皮」や、表面の「被膜」の意味もある。
● 動詞として「〜を満遍なく覆う」という意味でも使われる。
【語法・文法の超重要ポイント】
● 動詞では「coat A with B(AをBで覆う)」または受動態の「be coated with B(Bで覆われている)」の形をセットで覚えるのが最重要!
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!
