英語を学ぶ上で誰もが最初に出会う、もっとも根本的な動詞(be動詞)ですね。
「そこに存在していること」がコアイメージで、ここから“be“=「〜である」「〜に存在する」という意味や、文法で大切な「助動詞」としての使い方が生まれます。今回はその本質をバッチリ解説しますよ!
”be”の意味と使い方 コアイメージは「そこに存在していること」
”be(発音:bíː/ビー【動詞・助動詞】)”は、「〜である(状態)」「〜に存在する・いる・ある(存在)」のほかに、(助動詞として)「〜されている(受動態)」「〜している(進行形)」の意味を持つ、英語で最も重要な単語です。
たくさんの意味があるように見えますが、すべての根底にあるのは「そこに存在していること」という共通のコアイメージです。
主語がどこに居るのかを表せば(=「〜に存在する・いる」)になり、主語がどういう性質や状態として存在するのかを表せば主語と後ろの言葉をイコール(=)で結ぶ(=「〜である」)という意味になるわけですね!
● She is a doctor.
(彼女は医者です。[彼女 = 医者 という状態で現実に存在している])
● The book is on the table.
(その本はテーブルの上にあります。[テーブルの上に存在している])
● I will be here tomorrow.
(私は明日、ここにいます。[ここに存在する予定だ])
【語法・文法】助動詞としての”be”と形を七変化させる特徴
文法で必ず習う「進行形」と「受動態」は、この助動詞の ”be” を使って作られますが、これもコアイメージから簡単に理解できます。
⇒ その動作をまさにやっている最中の状態で「存在している」イメージ。
② 受動態(be + 過去分詞):「〜される・された」
⇒ 相手からその動作を「受けた状態」で「存在している」イメージ。
助動詞としての例文
・They are playing soccer in the park.
(彼らは公園でサッカーをしています。[進行形:サッカーをしている状態で存在している])・This beautiful house was built ten years ago.
(この美しい家は10年前に建てられました。[受動態:建てられた状態で過去に存在していた])
日常会話で超頻出! ”be” を使った重要フレーズ
”be” は、特定の形容詞や前置詞とセットになって、日常会話に欠かせない重要フレーズ(熟語)をたくさん作ります。これらも「〜という状態で存在する」というイメージを意識すると、すんなり覚えられますよ!
● be going to ~ : 〜するつもりだ、〜しそうだ(予定に向かって進んでいる状態で存在している)
● be good at ~ : 〜が得意である(特定の分野で優れた状態で存在している)
重要フレーズの例文
・He is able to speak three languages fluently.
(彼は3ヶ国語を流暢に話すことができます。)・Look at those dark clouds! It is going to rain.
(あの黒い雲を見て!雨が降りそうだ。)・To be honest, I don’t really like celery.
(正直に言うと、私はセロリがあまり好きではありません。[※To be honest=正直な状態で存在すれば、というニュアンス])
”be”の関連語①:「状態・変化」を説明する単語”become / seem”との違い
例えば”become”や”seem”なども、主語の状態を説明する時によく使われる重要な単語ですよ!
⇒ be(現在の事実) / become(変化のプロセス) / seem(外見・推測)
絵的なイメージの違いとしては、以下のような感じです!
be ⇒「=(静止画)」=現在すでにその状態である(事実)
become ⇒「→(動画)」=その状態へと変化していく(プロセス)
seem ⇒「?(フィルター)」=真実はともかく、主観的にそう見える(推測)
それぞれのイメージの差を、実際の例文を見ながら確認してみましょう!
● He is a teacher.
「彼は先生です」
⇒ 彼の現在のアイデンティティや職業そのものが「先生」である事実(静止画のイメージ)。
● He became a teacher.
「彼は先生になった」
⇒ 昔は違ったけれど、努力や勉強を経て「先生」という新しい状態に変化した(動画のイメージ)。
● He seems to be a teacher. (または He seems a teacher.)
「彼は先生のように見える(思える)」
⇒ 実際の職業は知らないけれど、話し方や知的な雰囲気から「先生っぽいな」と主観的に推測している(フィルターを通したイメージ)。
”be”の関連語②:「存在する」を意味する単語”exist / remain”との違い
⇒ be(日常的な存在) / exist(客観的・科学的な実在) / remain(そのまま留まる存在)
それぞれの表現の違いとしては、以下のようなイメージです。
be ⇒「ただそこに居る」=最も広く使われる日常的でカジュアルな存在
exist ⇒「現実に客観的にある」=科学的・哲学的な事実としての「実在」(概念や生物)
remain ⇒「そのまま居残り続ける」=周囲の環境が変わっても、その状態をキープして「留まる」
● God is.
「神はまします(存在する)」
⇒ 信仰や文学的な古いニュアンスで、大いなるものがそこに「在る」という絶対的なイメージ。
● Do aliens exist?
「宇宙人は実在するのか?」
⇒ 空想の産物ではなく、客観的な事実、または物質や生命としてこの宇宙に「実在するか」という科学的なイメージ。
● She remained calm.
「彼女は冷静なままでいた」
⇒ 周囲がパニックになって状況が激変していても、彼女の心だけはその場に「静かな状態をキープして留まり続けた」というイメージ。
”be”の語源は「成長する・生まれる」!複数のルーツが合体した奇跡の単語

”be”の語源は非常に奥深く、英語という言語の歴史そのものを体現していると言っても過言ではありません。
現在の”be”の直接のルーツは、900年より前に使われていた古期英語の「bēon」にまで遡ります。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”be”の起源について、下記の記載があります。
Origin of be1
First recorded before 900; Middle English been, Old English bēon “to be” (akin to Old Frisian, Old High German bim, German bin, Old Saxon bium, biom “(I) am,” Old English, Old High German, Old Saxon būan, Old Norse būa “reside,” Latin fuī “(I) have been,“ Greek phy- “grow, become,” Old Irish boí “(he) was,” Sanskrit bhávati “(he) becomes, is,” Lithuanian búti “to be,” Old Church Slavonic byti, Persian būdan “to be”); see am, is, are 1, was, were日本語訳:900年より前に最初の記録がある。中期英語のbeen、古期英語のbēon(〜である、存在する)に由来する。(古期フリジア語、古高ドイツ語のbim、ドイツ語のbin、古サクソン語のbium, biom「(私は)〜である」、古期英語・古高ドイツ語・古サクソン語のbūan、古ノルド語のbūa「居住する」、ラテン語のfuī「(私は)〜であった」、ギリシャ語のphy-「成長する、〜になる」、古アイルランド語のboí「(彼は)〜であった」、サンスクリット語のbhávati「(〜に)なる、である」、リトアニア語のbúti「〜である」、古教会スラヴ語のbyti、ペルシャ語のbūdan「〜である」と同系)。am, is, are, was, wereも参照。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容から分かるように、”be”の根源となる印欧祖語(大昔の共通言語)には「phy-(成長する、〜になる)」や「būa(居住する・住む)」といった言葉が含まれています。
つまり、”be”は元々単なる記号的な「=(イコール)」ではなく、「植物がすくすくと成長する」「命が生まれてそこに定住する」という、非常にダイナミックで力強い生命活動を表す言葉だったのです。
さらに、”be”を深く理解する上で欠かせないのが「全く異なる複数の単語が合体してできた」という言語の歴史(補充法)です。
実は、現在のbe動詞は以下の3つの別々の語源が合体して出来ています。
● *es-系(存在する) ⇒ 現在の am, is, are に変化
● *bheue-系(成長する・生じる) ⇒ 現在の be, been, being に変化
● *wes-系(住む・留まる) ⇒ 現在の was, were に変化
元々は「ただそこに在る(es)」「すくすく育つ(bheue)」「そこに住み着く(wes)」という3つの異なる意味合いの言葉が、長い歴史の中で「存在や状態を表す言葉」として1つのグループ(be動詞)にまとめられていきました。
無機質な「イコール」ではなく、色々な生命の営みがギュッと詰まった究極の単語なんですね!
構成パーツ(語源)で覚える”be”の仲間たち 印欧祖語「*bheu-」

ここからは構成パーツ(語源の核)の面から”be”について深掘りしていきましょう!
”be”という言葉の根っこ(印欧祖語)にあるのは、単なる記号としてのイコールではなく、「存在する・生きる・住む」という力強い生命の営みのイメージです。
英語には、この「be」と同じ血を引く、日常の重要な英単語がいくつもあります。「存在する・住む」という核のイメージがどのように形を変えたのか、意外な仲間たちを紹介しますね!
”be”の仲間①:”neighbor”は「近所の人・隣人」
一見、”be”とは全く関係がなさそうに見える”neighbor(ネイバー)”ですが、実は深い繋がりがあります。
この後ろのパーツ「bor」の根っこにあるのが、”be”と同じ「住む・存在する(*bheu-)」という言葉なんです!つまり、語源そのままのニュアンスは「自分のすぐ近くに存在している(住んでいる)人」となり、ここから「近所の人・隣人」という意味になったんですよ!
”be”の仲間②:”build”は「建てる・築く」
建物を「建てる」という意味の”build(ビルド)”も、語源をたどると”be”にたどり着きます。
「人がそこに安全に存在し、生きていくための場所(家)を構える」という、”be”の持つ「住む・生きる」というエネルギーが具体的なアクションになった単語なんです。ビルを「建てる」という言葉の根底に、「生きるための場所を作る」という温かいイメージがあるのは素敵ですよね!
”be”の仲間③:”booth”は「屋台・小部屋」
日本語でも「投票ブース」や「電話ブース」と言うときの”booth(ブース)”です。これも同じパーツから生まれています。
言葉の核にあるのは、やはり「住む・存在する」というイメージ。ここから、人が一時的にそこに【存在する・留まる】ための小さな仕切られた空間(=「屋台、マーケットの出店、小部屋」)を表す単語になったわけですね!
”be”の仲間④:”future”は「未来」
最後に紹介するのは、まさかの「未来」を意味する”future(フューチャー)”です。実はこれも”be”の遠い親戚にあたります。
語源的なニュアンスは「これから新しく生まれ、そこに存在するもの」。そこから一歩進んで、まだ見ぬ「未来」を指す言葉になりました。日常でよく使う単語たちが、実はみんな「存在や生命」という同じ根っこで繋がっていると思うと、すごく関連付けて覚えやすいですよね!
”be”の意味と語源・覚え方のまとめ

以下、”be”の意味と覚え方についてのまとめです。
⇒コアイメージは「そこに存在していること・生きていくこと」
⇒”be”=「〜である、〜に存在する」「(助動詞として)〜されている、〜している」の意味
●語源の核「*bheu-(存在する・住む)」を共有する仲間たち
⇒ neighbor(近くに住む人=隣人)、build(住む場所を作る=建てる)、booth(一時的に存在する小部屋=ブース)、future(これから存在するもの=未来)など、多くの重要単語に繋がっています!
●語法・文法のポイント ⇒現在形(am, is, are)や過去形(was, were)など、主語や時制によって形が激しく七変化する世界で一番不思議な動詞です。
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!
