art 美術品のイメージ図

【語源も分かって、忘れない】英単語「art」の意味と使い方・覚え方・文法解説【職人の手による技術】

 

 
コダック
今日の英語表現は”art”

ラテン語の「ars(技術・職人の技)」というコアパーツから来ている単語です。

「職人の手による技術」がコアイメージで、“art”=「芸術」「技術・コツ」の意味を持ちますよ!

 

”art”の意味と使い方 コアイメージは「職人の手による技術」

 

”art(発音:ɑ́ːrt/アート【名詞】)”は「芸術、美術」「(特別な)技術、コツ」の意味を持つ単語です。

ラテン語の「ars(技術、職人の技)」を語根に持つ単語で、「職人の手による技術」がコアイメージです。

 

 
コダック
もともとは、ただの「自然物(木や石)」に対して、人間の職人が手を入れて(art-)別の形に組み立てる職人技のこと。

そこから、人間が頭と技術を使って作り出す「芸術」や、何かを上手にこなすための「技術・コツ」”art”なわけですね!

 

art 美術品のイメージ図

”art”といえば上記のような美術館にあるような絵画や彫刻(Fine arts)等、美術品のイメージが強いですが、それだけではないんです。

英語圏では「会話のコツ(the art of conversation)」や「人付き合いの技術(the art of social skills)」のように、「経験や訓練によって身につく洗練された職人技・コツ」という意味でも非常によく使われます。

 

 
絵を描くことだけが ”art” じゃないんだね!
 
コダック
そうなんです!例えば「料理(culinary art)」も人間が自然の食材を人間の技術で加工するので、まさに ”art” です。
対義語としてよく「science(科学・客観的な理論)」が挙げられますが、理屈ではなく「体や感覚で覚える職人技」のニュアンスがあるのが特徴です!

 

このように”自然のままではなく、人間の手や知恵で美しく、あるいは機能的に仕上げる技術”という意味から、学術、ビジネスにおける交渉術、日常の趣味にいたるまで広く使用されます。

 

 
コダック
①「芸術・美術」の意味では【不可算名詞(数えられない)】
一般的な「芸術」や「美術」という意味で使うときは、数えられない名詞扱いになります。そのため、an artとしたり、artsと複数形にしたりはしません。
(例:I like modern art. 私は現代芸術が好きです。)

★作品を数えたい時は?
「1点の芸術作品」と言いたいときは、“a work of art”というフレーズを使います。複数なら”works of art”になりますよ!

②「技術・コツ」の意味では【可算名詞(数えられる)】
「~のコツ・技術」という意味で使うときは、通例単数形で、“the art of + 名詞 / 動名詞(-ing)”の形でよく使われます!マニュアル化できない、熟練した技術を指すのがポイントです。

 

「芸術・美術」の意味の例文

・She loves contemporary art.
(彼女は現代芸術[美術]が大好きだ。)
・The museum is full of beautiful works of art.
(その美術館は美しい芸術作品でいっぱいだ。)
・She studied art history at university.
(彼女は大学で美術史を学んだ。)

「技術・コツ」の意味の例文

・Management is an art, not a science.
(経営は科学[理論]ではなく、技術[職人芸的なコツ]である。)
・Listening is a vital part of the art of conversation.
(聞き上手であることは、会話のコツの重要な要素です。)
・He has mastered the art of making people feel at ease.
(彼は人をリラックスさせるコツをマスターしている。)

 

”art”の語源は2つ? 名詞の「芸術」と動詞「are」の古い形

”art”の語源について、英英辞典サイト「Dictionary.com」の記載を確認してみましょう。
実は、私たちがよく知っている名詞の「芸術・技術(art1)」と、古い英語で使われていた隠れた動詞(art2)という、全く異なる2つの起源が記載されています。

 

Origin of art1
First recorded in 1175–1225; Middle English, from Old French, from Latin ars (stem art- ) “skill, craft, craftsmanship”

日本語訳:【芸術・技術のart】1175〜1225年に初めて記録された。中期英語、古フランス語に由来し、ラテン語の ars(語幹 art-、「技術、職人の技、手細工」)から発祥している。

Origin of art2
First recorded before 950; Middle English; Old English eart, equivalent to ear- ( see are 1) + -t ending of 2nd person singular

日本語訳:【古い動詞のart】950年以前に初めて記録された。中期英語、古英語の eart に由来し、これは ear-(are を参照)に、二人称単数の語尾「-t」が結合したものである。

※参考・引用「Dictionary.com

 

この記載内容から分かるように、同じ ”art” という綴りでも、名詞と古い動詞では全く別のルーツを持っています。
それぞれの歴史的背景をさらに深く掘り下げてみましょう。

 

ルート1:名詞の ”art” (ラテン語「ars」に由来)

現在私たちが一般的に使う「芸術・技術」を意味する ”art” は、12世紀頃に古フランス語を経由して英語に取り入れられました。その大元はラテン語の 「ars(技術、職人の技)」 です。

さらに歴史を遡ると、インド・ヨーロッパ祖語(大昔の言語のルーツ)の語根 「*ar-(ぴったり合わせる、つなぎ合わせる)」 にたどり着きます。
もともとは自然界にあるバラバラの素材を「人間の手でうまく組み合わせて形にする」という動作を表していました。そこから「ものを組み立てる職人の腕前や技術」を指すようになり、やがて現代の「芸術」という意味へと発展していったのです。

 

ルート2:古い動詞の ”art” (古英語「eart」に由来)

一方で、10世紀以前の古英語時代から存在する ”art” は、現代のbe動詞 「are」の古い形 です。
かつての英語では、主語が「You(あなた)」の親称(親しい相手に対する呼びかけ)である 「Thou(汝)」 のとき、be動詞は「art」に変化していました(Thou art 〜 = You are 〜)。

 

”art”の2つのルーツ(歴史の流れ)まとめ
【ルート1:芸術・技術のart】
印欧祖語「*ar-(合わせる)」 → ラテン語「ars(職人技)」 → 古フランス語 → 1200年頃に英語へ

【ルート2:You are にあたる古い動詞art】
古英語「eart(お前は〜だ)」 → 中期英語 → 近代初期(シェイクスピア等の時代)に「Thou art」として使用

 

 

 
コダック
現代の私たちが使うのは、ほぼ100%【ルート1】の「芸術・技術」の意味です!
ちなみに、人間の体の「腕(arm)」も、肩に関節でぴったりとつなぎ合わされていることから、実は ”art” と同じ「*ar-(合わせる)」という語根から生まれた親戚の単語なんですよ。

また、古い文学や洋画、ゲームなどで “Thou art beautiful(汝は美しい)” のようなセリフが出てきたら、「あ、これは【ルート2】の古いbe動詞だな!」と思い出してくださいね!

 

 

語源パーツで芋づる式に覚える!「art-(技術・人の手によるもの)」の仲間たち

”art” という単語そのものが、「技術・人の手によるもの・つなぎ合わせる」を表す1つの独立したコアパーツ(語根)になっています。
この「art-」というパーツのコアイメージを頭に入れておくと、一見難しそうに見える関連英単語のニュアンスが驚くほどすんなりと理解できるようになります!

 

“art-” を含む重要英単語の深掘り解説

 

 
コダック
「art-」のパーツが隠れている重要な単語を4つピックアップしました。
それぞれのパーツの組み合わせから、なぜその意味になるのかというストーリーを解説します!

 

① artificial(形容詞:人工的な、作り物の)
【パーツ分解】art(人間の技術)+ fici(作る:facere由来)+ -al(形容詞の語尾:〜の)
【意味のつながり】神や大自然が作ったものではなく、「人間の技術(art)によって作り出された(fici)もの」という意味から、「人工的な」という意味になります。現代でおなじみの「AI」は、Artificial Intelligence(人工知能)の略ですね!自然物に対抗して人間が手を加えたというニュアンスが根本にあります。

② artisan(名詞:職人、工匠)
【パーツ分解】art(高度な技術)+ -isan(〜する人、〜に属する人)
【意味のつながり】単に指示通り作業をする労働者ではなく、長年の訓練によって磨かれた「洗練された職人技(art)を持つ人」を指します。機械による工場での大量生産ではなく、伝統的な手仕事で質の高いものを生み出す職人に対する、敬意が含まれた単語です。

③ article(名詞:記事、条項、冠詞)
【パーツ分解】art(関節・つなぎ合わせる)+ -cle(小さいものを表す指小辞)
【意味のつながり】一見「芸術」とは関係なさそうですが、語源の「ぴったり合わせる」から派生したラテン語の「articulus(小さなつなぎ目、節目・関節)」がルーツです。全体を構成する「小さく区切られたパーツ(節目)」という意味から発展し、新聞や雑誌の個々の「記事」、契約書の個別の「条項」、さらには名詞の前にカチッと結合する文法パーツの「冠詞(a, an, the)」という意味につながっています。

④ artifact(名詞:人工遺物、工芸品)
【パーツ分解】art(人間の技術)+ fact(作られたもの:fact/fect由来)
【意味のつながり】歴史や考古学のニュースでよく登場する単語です。自然の風化などで偶然できた石や地形ではなく、大昔の「人間の知恵と技術(art)によって製造された(fact)造形物」を指します。遺跡から発掘される土器や道具などの「人工遺物」を表す際に欠かせない単語です。

 

”art”の意味と語源・覚え方のまとめ

以下、”art”の意味と覚え方についてのまとめです。

●”art”のコアイメージは「職人の手による技術」
⇒絵画などの「芸術」だけでなく、マニュアル化できない「洗練された技術・日常のコツ」の意味を広く持つ
●語源のポイント ⇒名詞の「芸術(ラテン語由来)」以外に、古英語の二人称単数動詞(You areの古語)という全く別の歴史的ルーツを持つ。art-を含む単語(artificial, articleなど)は「人間の知恵で組み立てられたもの・パーツ」という共通のニュアンスがある。
 
 
コダック
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他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!

【まとめ・各単語の覚え方】英単語の効率的な覚え方【語源と絡めて記憶力アップ】

参考文献
「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
「Dictionary.com(https://www.dictionary.com/)」