一見すると「農作物を産出する」というポジティブな意味と、「敵に屈服する」というネガティブな意味を持っていて、一筋縄ではいかなそうな難しさに思える単語です。
でも、「価値あるものを差し出す」というコアイメージが分かれば、すべての意味がすっきりと繋がります!
“yield“=「産出する、もたらす」「(権利や進路を)譲る、屈服する」の意味を、一緒にマスターしていきましょう!
”yield”の意味と使い方 コアイメージは「(内側にあるものを)差し出す」
”yield(発音:jíːld/イールド【動詞・名詞】)”は動詞で「産出する、もたらす、譲る、屈服する」、名詞で「産出量、利回り」の意味を持つ単語です。
支払うを意味する古英語gieldanに由来する単語で、「支払う」⇒「価値あるものを差し出す」というコアイメージを持ちます。
一見すると意味がバラバラで覚えるのが大変そうですが、このコアイメージを持っておけば、簡単に整理できます。
自分の持っている進路や権利を相手に差し出せば(=「譲る」)、
相手の強い圧力に対して自分の意志を折って差し出せば(=「屈服する」)となるわけです!
”yield”は、日常会話だけでなく、ビジネス、ニュース、さらには車の運転(道路標識)など、非常に幅広いシーンでこの「差し出すイメージ」をベースに使われています。

このように、「価値あるものを生み出す」という前向きな使い方と、「相手に譲って身を引く」という使い方の両方を押さえておきましょう。実際の例文を見ると、よりイメージが湧きやすいですよ!
「yield」の基本例文
【動詞:産出する・もたらす】
・These trees yield fruit every year.
(これらの木は毎年果実を実らせる[産出する]。)
・The investment yields a high profit.
(その投資は高い利益をもたらす。)【動詞:譲る・屈服する】
・The driver yielded the right of way to the pedestrian.
(運転手は歩行者に道を譲った。)
・He refused to yield to the peer pressure.
(彼は周囲の圧力に屈することを拒んだ。)【名詞:産出量・利回り】
・The crop yield was lower than expected this year.
(今年の作物の収穫量は予想を下回った。)※一部例文引用・参考「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
”yield”の関連語①:「(利益や成果を)生み出す」を意味する単語”produce/generate”
⇒「生み出す」の意味を持つ単語”produce/generate”
それぞれの核心にあるイメージの違いは、以下のように整理できます!
yield ⇒「投資や労働の結果として」=(成果や作物を)もたらす、産出する
produce ⇒「原材料からプロセスを経て」=(製品や作品を)生産する、作り出す
generate ⇒「仕組みなどからエネルギーを」=(電気・利益・感情を)発生させる
どれもビジネスの「利益」に対して使えますが、ニュアンスが少しずつ異なります。
●yield(手間やお金に対して、結果として実を結ぶイメージ)
例文:The new strategy is expected to yield high profits.
訳:(その新戦略は、高い利益をもたらすと期待されている。)
●produce(手を動かして物理的なモノや作品を作り出すイメージ)
例文:The company produces high-quality goods for profit.
訳:(その会社は利益のために高品質な商品を生産している。)
●generate(システムや仕組みから新しい価値を次々と湧き出させるイメージ)
例文:We need to generate profits from a new business.
訳:(私たちは新規事業から利益を生み出す必要がある。)
”yield”の関連語②:「(要求や力に)従う・屈服する」を意味する単語”surrender/submit”
⇒「従う・屈服する」の意味を持つ単語”surrender/submit”
それぞれのイメージの違いはこんな感じです!
yield ⇒「圧力に耐えかねて折れて」=譲歩する、屈する(大人の対応を含む)
surrender ⇒「戦いを完全に諦めて」=降伏する、明け渡す(白旗をあげる)
submit ⇒「権威や規則の下(sub)に身を置く」=服従する、甘んじて受ける
こちらも「要求」や「権力」に対して折れるシチュエーションを例文で比較してみましょう!
”yield”の語法・文法解説 「産出する(他動詞)」と「屈服する(自動詞)」

”yield”を実際に使う上で、絶対に押さえておきたい文法のポイントが2つあります。
それは、「何を」産出するのか(他動詞)と、「誰に」屈服・譲歩するのか(自動詞)による使い分けです。
ポイント①:他動詞(後ろに名詞をすぐ置く)は「〜を生み出す・譲る」
後ろに目的語(名詞)を直接置く場合は、「(利益や作物を)生み出す」、または「(権利や座席を)譲る」という意味になります。
例文
・Our investment yielded high profits.
(私たちの投資は高い利益をもたらした。)・He yielded his seat to an elderly woman.
(彼は高齢の女性に席を譲った。)
ポイント②:自動詞(yield to 〜)は「〜に屈服する・折れる」
前置詞の ”to” を後ろに続けて ”yield to 〜” とすると、「(圧力や誘惑、要求)に負ける、屈服する」という意味になります。
プレッシャーに対して自分が「しなる」ように折れて、相手に主導権を差し出すイメージです。
例文
・The government refused to yield to terrorist demands.
(政府はテロリストの要求に屈することを拒否した。)・Don’t yield to temptation.
(誘惑に負けるな。)
”yield”の語源は古英語「gieldan」 コアイメージの起源は「義務として支払う・捧げる」

ここからは”yield”の語源について、さらに深く掘り下げていきましょう。
”yield”の語源は古英語の「gieldan」に遡ります。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”yield”の起源について、下記の記載があります。
Origin of yield
First recorded before 900; (for the verb) Middle English y(i)elden, Old English g(i)eldan “to pay”; cognate with German gelten “to be worth, apply to”; noun derivative of the verb日本語訳:900年より前に最初の記録。動詞としては中期英語の y(i)elden、古英語の g(i)eldan(支払う)に由来。ドイツ語の gelten(価値がある、適用される)と同語源。名詞は動詞からの派生。
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容にあるように、”yield”はもともと「お金や税を支払う(pay)」という意味から出発しました。
しかし、当時の「支払う」には単なる金銭のやり取りだけでなく、「神への捧げ物をする」「義務として自分の持っている価値あるものを差し出す」「代価を返す」といった、より深く広い意味合いが含まれていました。
この「内側にある価値あるものを、外側(他者)へ差し出す」という感覚こそが、現代の”yield”の幅広い意味を生み出すベースとなっています。
① 古英語「gieldan」(支払う、捧げる、返す)
税金や負債を「支払う」ことや、神へ供物を「捧げる」など、義務として何かを差し出す行為を指していました。
↓
② 中期英語「y(i)elden」(差し出す、引き渡す、報いる)
時代が下るにつれ、お金に限らず「結果や実りを差し出す」という意味合いに広がっていきました。
↓
③ 現代英語「yield」(産出する / 譲る、屈服する)
・自然や投資が、その結果として「実り(作物や利益)を差し出す」⇒【産出する・もたらす】
・自分の持っている権利、進路、あるいは自分自身を「相手に明け渡す」⇒【譲る・屈服する】
畑が農作物を「支払って(差し出して)」くれると考えると【産出】ですし、敵の圧力に対して自分自身の身柄や権利を「支払う(明け渡す)」と考えると【屈服・譲歩】になります。
一見バラバラに見える意味も、語源である「価値あるものを外へ差し出す」というルーツを知ることで、スッキリと1つに繋がりますね!
”yield”の意味と語源・覚え方のまとめ

今回解説した、”yield”の意味と覚え方のまとめです。
⇒コアイメージは「価値あるものを外へ差し出す」
⇒動詞の用法:”yield”=「(成果を)産出する、もたらす」「(権利・進路を)譲る、屈服する」
⇒名詞の用法:”yield”=「産出量、収穫量、利回り(投資収益)」
●語法・文法の重要ポイント
⇒「〜に屈服する・道を譲る」は前置詞を伴って ”yield to 〜”(自動詞)。「〜を産出する」は後ろに直接名詞を置く(他動詞)。投資分野では「利回り」を指す必須単語。
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