学術論文やビジネス文書でよく見かける、歴史のある単語です。
「前に述べたことを受ける」がコアイメージで、“thus”=「したがって、それゆえに」「このように、このようにして」の意味を持ちますよ!
”thus”の意味と2つのニュアンス(コアイメージ)
”thus(発音:ðʌ́s / ザス【副詞】)”は「したがって、それゆえに」「このように、このようにして」という2つの大きな意味を持つ単語です。
一見、全く違う意味のように思えるかもしれませんが、コアイメージは1つだけです。それは、「前に述べたことを受けて『このように』」となる指示の感覚です。
「だからこそ、その結果として(=「したがって」)」と論理的な結論を導いたりするわけですね!どちらも「前のことを受けて」という点で共通しています。
”thus”は「硬い論理的なつながり」のイメージが非常に強く、主に学術論文やビジネスの報告書、フォーマルなスピーチなどで好まれます。
逆に日常会話で「だからね〜」とカジュアルに言う場合は、後述する”so”を使用するのが一般的です。
基本的な例文
・He speaks thus.
(彼はこのように話す。)
・We haven’t enough money and thus we cannot buy it.
(私たちには十分なお金がない、したがってそれを買うことができない。)※参考・例文引用「南出康世(2014),ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
”thus”の正しい使い方・文法解説(頻出パターン)

thusを使いこなす上で、最も重要な文法上の注意点があります。それは、thusは「副詞」であり「接続詞」ではないということです。
そのため、becauseやsoのように「文章と文章(節と節)を単独で繋ぐ」ことはできません。論文や英文法でよく狙われる、thusの代表的な3つの使い方を押さえましょう。
パターン1:接続詞(and等)やセミコロン(;)と一緒に使う
2つの文を1つの文章に繋ぎたい場合は、接続詞のandを補って「and thus」とするか、セミコロン(;)を使って文を一度区切ってからthusを置きます。
(データベースがひどく破損した。したがって、いくつかのデータが完全に失われた。)
・He worked hard and thus achieved his goals.
(彼は懸命に働き、その結果目標を達成した。)
パターン2:分詞構文「, thus doing…」(その結果〜となる)
前の文の内容を受けて、「その結果、〜という状態を引き起こす」という結果を表す分詞構文です。論文などで非常に好まれる洗練された表現です。
(会社は製造コストを削減し、その結果、純利益を増加させた。)
・The new policy restricts parking, thus creating fewer traffic jams.
(新しい政策は駐車を規制し、その結果、交通渋滞を減らしている。)
パターン3:文頭に単独で置いて、コンマ(,)を打つ
前の文で理由や背景をしっかりと述べた後、新しく文を始めて「したがって、」「このようにして、」と結論を述べるパターンです。
(このようにして、長年の問題はついに解決された。)
・Thus, we must find alternative solutions to this issue.
(したがって、私たちはこの問題に対する代替案を見つけなければならない。)
”thus”の類義語・ニュアンスの違いを徹底比較

thusには2つの意味(「したがって」「このように」)があるため、それぞれの意味における類義語との使い分けが大切です。スッキリ整理して覚えましょう!
①「したがって・だから」を意味する単語(thus / so / therefore)
⇒「したがって」の意味を持つ単語”so / therefore”
それぞれのニュアンスと硬さの違いは以下の通りです!
thus ⇒「文脈上の結果・方法」=(最も硬い・文語)このようにして、それゆえに
so ⇒「日常の因果関係」=(カジュアル・口語)だから、それで
therefore ⇒「論理的な帰結」=(堅い・論理的)ゆえに、論理的にいって
● thus
「The test paper was leaked; thus the exam was void.」
⇒試験問題が漏洩した、したがって試験は無効となった(公的な事実の冷徹なつながり)
● so
「It was raining, so I stayed home.」
⇒雨だったから、家にいたんだよね(日常会話で誰もが使うお馴染みのイメージ)
● therefore
「I think, therefore I am.」
⇒我思う、ゆえに我あり(哲学や数学の証明のように、一歩一歩論理を組み立てるイメージ)
②「このように」を意味する表現(thus / like this / in this way)
⇒「このように」の意味を持つ表現”like this / in this way”
「方法」を表すときのイメージの違いはこちらです!
thus ⇒「文章としての表現」=(文語体で)かくして、このように
like this ⇒「目の前の動作を示す」=(手振りなどを交えて)こんな風に
in this way ⇒「やり方やプロセス」=この方法によって、このようにして
● thus
「Thus, the story ended.」
⇒かくして、物語は幕を閉じた(小説やナレーションなどの文章でビシッと決めるイメージ)
● like this
「Hold the racket like this.」
⇒ラケットをこんな風に(実際に手本を見せながら)持ってね、という身振り手振りのイメージ
● in this way
「In this way, we solved the problem.」
⇒このアプローチ(具体的な手順ややり方)によって、私たちは問題を解決したというイメージ
”thus”の語源と成り立ち:指示語「this」の仲間

単語を深く記憶するために、”thus”の歴史(語源)を紐解いていきましょう。
”thus”は英語の歴史の中でも非常に初期(古期英語)から存在する、由緒正しい言葉です。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には、その起源について次のように記載されています。
Origin of thus
First recorded before 900; Middle English, Old English; cognate with Dutch dus日本語訳:900年より前に最初の記録がある。中期英語、古期英語に由来し、オランダ語の「dus」と同語源(同根語)である。
※参考・引用「Dictionary.com」
歴史をさらに遡ると、実は”thus”は私たちがよく知っている指示代名詞の「this(これ)」や「that(それ)」と根っこが同じ親戚の言葉なんです。
古期英語の時代、指示語のパーツから「この(this)ような方法で」という意味がギュッと凝縮されて生まれたのが、この”thus”という単語です。だからこそ「**前に述べたこれを受けて**、このように」というコアイメージに繋がっているわけですね。
オランダ語の”dus”は今でも意味が全く同じ!
Dictionary.comの解説にもあった通り、オランダ語の「dus」とは同じ先祖を持つ「同根語(親戚の言葉)」です。
面白いことに、現代のオランダ語でも「dus」は英語の「thus / therefore」と全く同じ「したがって、だから」という意味で、毎日のようにカジュアル・フォーマル問わず使われています。
”thus”の意味と語源・覚え方のまとめ

最後に、”thus”の意味と使い方のポイントをまとめましょう。
⇒「前のことを受けて『このように』『したがって』」
● 主な意味
⇒「したがって、それゆえに」「このように、このようにして」(硬い文語表現)
● 語法・文法の最重要ポイント
⇒**副詞**なので、単独で文と文を繋ぐことはできない。「and thus…」の形にするか、セミコロン(;)を使う、あるいは「, thus doing…(分詞構文)」の形で結果を表すのが定番。
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