「de-(離れて)」+「leg-(送る・委ねる)」+「-ate(〜する)」+「-ion(〜こと)」のパーツで構成されている単語です。
「自分の手元から切り離して、相手に送り任せること」がコアイメージで、“delegation”=「委任、権限委譲」「代表団、派遣団」の意味を持ちますよ!
“delegation”の意味と使い方 コアイメージは「手元から切り離して、送り任せること」
“delegation(発音:dèligéiʃən/デリゲイション【名詞】)”は「委任、権限委譲」「代表団、派遣団」の意味を持つ単語です。
「de-(離れて)」+「leg-(送る・委ねる)」+「-ate(〜する)」+「-ion(〜こと)」のパーツで構成されている単語で、「自分の手元から切り離して、相手に送り任せること」がコアイメージです。
そこから、上司が部下に仕事を「任せる・委ねる(権限委譲)」ことや、組織を代表して送り出される「代表団・派遣団」を表すのが“delegation”なわけですね!
“delegation”には大きく分けて「①委任・権限委譲(行為・概念)」と「②代表団・派遣団(人の集まり)」の2つの意味があります。
①はビジネスやマネジメントの文脈で「仕事を任せること」を、②は政治・外交やイベントの文脈で「派遣された一団」を指します。動詞形は“delegate(委任する/代表)”です。

どちらも「本体(自分・本国)から切り離して、外へ送り出す」という同じ動きが根っこにあります。送り出すのが「仕事・権限」なら委任、送り出すのが「人」なら代表団になる、というわけですね!
2つの意味は、表で並べると違いがハッキリします。
①委任・権限委譲(送り出すのは”仕事・権限”)
⇒ 主な分野:ビジネス、マネジメント
⇒ 数え方:ふつう不可算(無冠詞で使うことが多い)
⇒ 例:Delegation is a key management skill.(委任は重要な管理スキルだ。)
②代表団・派遣団(送り出すのは”人”)
⇒ 主な分野:政治・外交、国際会議、学校行事
⇒ 数え方:可算(a delegation/two delegations)
⇒ 例:A delegation visited the UN.(代表団が国連を訪問した。)
このように”本体から切り離して、外へ送り委ねる”という意味から、ビジネスのマネジメント論から、国際政治の外交、学校行事の代表選出にいたるまで広く使用されます。下記に意味別の例文をまとめました。
例文①:委任・権限委譲の意味
・Good delegation is an essential skill for every manager.
(上手な権限委譲は、すべての管理職にとって不可欠なスキルだ。)・Through delegation, she freed up time for more strategic work.
(委任することで、彼女はより戦略的な仕事のための時間を確保した。)・The manual explains the delegation of decision-making authority.
(そのマニュアルは、意思決定権の委譲について説明している。)例文②:代表団・派遣団の意味
・A delegation from Japan attended the international conference.
(日本からの代表団が、その国際会議に出席した。)・The president sent a delegation to the peace talks.
(大統領は和平交渉に代表団を派遣した。)・A trade delegation of twenty business leaders flew to Berlin.
(20名の経済界リーダーからなる貿易代表団がベルリンへ飛んだ。)
「任せられる人ほど優秀なマネージャー」というわけで、”delegation”はビジネス英語のキーワードとしてとても大事な単語なんですよ!
“delegation”の関連語①:「委任・委譲」を意味する単語”assignment/authorization”
例えば”assignment”や”authorization”なども「任せる・委ねる」に関わる単語ですよ!
⇒「委任・委譲」の意味を持つ単語”assignment / authorization”
イメージの違いとしては
delegation ⇒「自分の権限ごと、責任を持って相手に委ね任せる」=権限つきの委譲
assignment ⇒「特定の仕事・課題を、誰がやるか割り当てる」=タスクの割り当て
authorization ⇒「「やってよい」という公式な許可・お墨付きを与える」=権限・許可の付与
といった感じです!
それぞれのイメージを実際の表現を見ながら確認してみましょう!
●delegation of authority
「(部下に判断権ごと預ける)権限の委譲」
⇒ 仕事だけでなく「決める権限」までセットで相手に委ねるイメージ
●the assignment of tasks
「(誰が何をやるかを決める)タスクの割り当て」
⇒ やるべき作業を、担当者にふり分けて指定するイメージ
●authorization to sign the contract
「(契約書にサインしてよいという)許可」
⇒ 「やっていい」という公式なお墨付き・ライセンスを与えるイメージ
delegation は”権限”までセットで渡す点が、いちばんの特徴なんですね!
“delegation”の関連語②:「代表団・派遣団」を意味する単語”deputation/mission”
類義語があるので覚えてしまいましょう!
⇒「代表団・派遣団」の意味を持つ単語”deputation / mission”
それぞれの表現の違いとしては
delegation ⇒「本国・本部を代表して送り出された、権限を託された一団」=代表団(一般的・最頻出)
deputation ⇒「陳情・交渉などのために、特定の用件で送られる少人数の一団」=(用件を帯びた)代表団
mission ⇒「特別な任務(外交・宗教など)を帯びて派遣される使節団」=使節団・派遣団
といったイメージです。
●a trade delegation
「貿易代表団」
⇒ 国や企業を代表して送られた、権限つきの一団(最も一般的な「代表団」)のイメージ
●a deputation of residents
「住民代表(の陳情団)」
⇒ 特定の要望・交渉のため送り出された少人数のグループのイメージ
●a diplomatic mission
「外交使節団」
⇒ 外交という特別な任務を帯びて派遣される使節団のイメージ
“deputation”はやや古風・かための語、”mission”は「任務」のニュアンスが前面に出る語、と押さえておくと使い分けがスッキリしますよ!
“delegation”の文法・語法 2つの意味の見分け方と頻出フレーズ

“delegation”の意味や類義語との違いが分かったところで、ここからは実際の試験やライティングで押さえておきたい「文法・語法上のルール」を3つ解説します!
特に「委任」と「代表団」の2つの意味の見分け方は、長文読解でつまずきやすいポイントなので、しっかり押さえておきましょう!
1. 可算・不可算で意味が変わる! 「委任」か「代表団」かの見分け方
“delegation”は、冠詞や数えられるかどうかに注目すると、2つの意味を見分けやすくなります。
⇒ a/an がつかず、抽象概念として使われることが多い
⇒ 例:Delegation saves time.(委任は時間の節約になる。)
●「代表団」の意味(可算:a delegation / delegations)
⇒ a delegation、two delegations のように数えられる
⇒ 例:A delegation arrived yesterday.(代表団が昨日到着した。)
「代表団」は人の集まり=一つ二つと数えられるのでa/the/複数形がつき、「委任」は行為・概念=形のない抽象なので無冠詞で使われやすい、と覚えておくと読解でグッと役立ちますよ!
⇒ “delegation”は集合名詞。団体を一つのまとまりと見れば単数(The delegation has arrived.)、メンバー個々を意識すれば複数(The delegation have arrived.)扱いになります。アメリカ英語では単数、イギリス英語では複数も可、と覚えておくと安心です。
2. 動詞・名詞で発音が変わる “delegate” に注意!
“delegation”の動詞形“delegate”は、動詞と名詞でつづりが同じなのに発音(特に語尾)が変わる、いわゆる「名前動後」型の単語です。読解・リスニング・スピーキングすべてで差がつくポイントです。
⇒ 語尾は「ゲイト」とはっきり発音(relegate と同じ韻)
⇒ delegate A to B(AをBに委任する)
●delegate【名詞】(発音:déligət/デリゲット):代表(者)、代議員
⇒ 語尾は「ゲット」とあいまいに発音(delicate と同じ韻)
TOEICのリスニングでも、語尾の音で品詞を聞き分けられると一気に有利になりますよ!
3. 頻出コロケーション “delegation of 〜”
“delegation”は“delegation of 〜(〜の委譲)”という形で非常によく登場します。”of”の後ろにくる名詞ごと、フレーズで覚えてしまいましょう。
●delegation of authority(権限の委譲)
●delegation of power(権力の委譲)
●delegation of responsibility(責任の委譲)
●delegation of tasks / duties(仕事・職務の委任)
<「代表団」側の頻出フレーズ>
●a trade delegation(貿易代表団)/a government delegation(政府代表団)
●send / lead / head a delegation(代表団を派遣する/率いる)
実際の例文で、それぞれの使われ方のパターンを比較してみましょう!
① 動詞 delegate(委任する)の例文
A good leader knows how to delegate tasks to the team.
(優れたリーダーは、チームに仕事を委任する方法を知っている。)② 名詞 delegate(代表者)の例文
Each country sent two delegates to the summit.
(各国はサミットに2名の代表者を送った。)③ 頻出フレーズ delegation of authority(権限の委譲)の例文
The delegation of authority improved the team’s efficiency.
(権限の委譲は、チームの効率を改善した。)
「delegationは委任と代表団の2つの意味がある」「動詞delegateと、頻出フレーズdelegation of authority」をまとめて押さえておくだけで、ビジネス英語の長文やTOEICのPart7でスムーズに意味が取れるようになりますよ!
“delegation”の語源はラテン語「dēlēgātiō」 意味は「割り当て、任命」

“delegation”の語源についても、確認していきましょう。
“delegation”の語源はラテン語の”dēlēgātiō(デーレーガーティオー=割り当て、任命)”です。これは動詞“dēlēgāre(人に委ねる、送り出す)”から生まれた名詞で、さらに分解すると“dē-(離れて)”+”lēgāre(送る・委ねる)”という構成になっています。
オンラインの英英辞典サイト「Dictionary.com」には”delegation”の起源について、下記の記載があります。
Origin of delegation
First recorded in 1605–15; from Latin dēlēgātiōn-, stem of dēlēgātiō “assignment, appointment,” equivalent to dēlēgāt(us) “assigned, appointed” (see delegate) + -iō -ion(日本語訳:初出は1605〜1615年頃。ラテン語「dēlēgātiōn-」(「dēlēgātiō=割り当て、任命」の語幹)に由来する。これは「dēlēgātus」(割り当てられた、任命された/delegateを参照)と、名詞をつくる接尾辞「-iō(-ion)」が等価な構成である。)
※参考・引用「Dictionary.com」
この記載内容からみるに、”delegation”はラテン語から17世紀初頭の英語に取り入れられて発祥している模様です。
●ラテン語「dē-(離れて、下へ)」+「lēgāre(送る、委ねる、使者に立てる)」
↓
●ラテン語「dēlēgāre(人に委ねる、任命する)」
↓
●その過去分詞「dēlēgātus(委ねられた、任命された)」+名詞語尾「-iō」
↓
●ラテン語「dēlēgātiō(割り当て、任命)」
↓
●1605〜1615年頃に、英語「delegation(委任・代表団)」として定着
「自分から離して(dē-)、相手に送り委ねる(lēgāre)」というコアが、「権限を送り委ねる=委任」にも「人を送り出す=代表団」にも、一本の線でつながっているのがよく分かりますね!
さらにおもしろいのが、この”delegation”が持つ「委任」と「代表団」という2つの意味が、歴史的にいつ生まれたかです。実は両者には”時間差”がありました。
●17世紀初頭 …「委任・権限委譲(行為)」の意味でまず登場
↓
●19世紀(1818年頃〜) …「送り出された人々=代表団」の意味が派生
↓
●1828年頃(アメリカ) …「(州の)選出代表の総称」という政治的な意味も加わる
「行為」→「その行為で送り出された人」へと意味が広がったわけで、コアの”送り委ねる”がしっかり生きているんですね。語源を知ると、なぜ1つの単語に2つの意味があるのか、スッと腑に落ちます!
構成パーツで覚える”delegation” 「de-」+「leg-」+「-ate」+「-ion」

ここからは構成パーツの面から”delegation”について覚えていきましょう。
“delegation”の構成パーツは「de-(離れて、下へ)」+「leg-(送る・委ねる)」+「-ate(〜する)」+「-ion(〜こと)」のパーツです。
つぎから各パーツについて紹介していきます。
“de-“は「離れて、下へ」を意味するパーツ
“de-“は、ラテン語に由来する接頭辞で、「離れて」「下へ」「分離」といった“本体から切り離して移動させる”ベクトルを表す超定番のパーツです。”delegation”では「自分の手元から離して」というニュアンスを加えています。
その他にdetach(離して+くっつける→引き離す)、deduct(下へ+導く→差し引く)等も”de-“を使用する単語です。
“leg-“は「送る・委ねる」を意味するパーツ
“leg-“は、ラテン語の”lēgāre(送る・委ねる・使者に立てる)”に由来し、「正式に人へ委ねる・代理として送り出す」イメージを持つパーツです。
“colleague(同僚)”も「com-(共に)+leg-(選ばれ送られた)」で、”同じ役目に一緒に送り出された仲間”というわけですね!
その他にlegate(教皇大使・使節)、relegate(後ろへ+送る→左遷する・格下げする)等も、同じ”送る・委ねる”の”leg-“を使う単語です。
「送る・委ねる」の”leg-“とは語源の枝が分かれているので、”delegation”の仲間として覚えるのはlegacy・colleague・legate・relegateあたり、と整理しておくと混乱しませんよ!(※さらに大もとをたどると「集める」という同じ根にたどり着くという説もあり、ことばのつながりは奥深いですね)
“-ate”+”-ion”は「〜する」+「〜すること」を意味するパーツ(接尾辞)
“-ate”は名詞・形容詞を「〜する/〜の状態にする」という動詞に変える接尾辞、”-ion”はその動詞を「〜すること/〜の状態」という名詞に変える接尾辞です。この2つが連結することで、「ある行為・その結果を表す名詞」を作ります。
“-ate”動詞に”-ion”を加えるだけで(=「〜すること・〜という行為」)という名詞に早変わりしますよ!
その他にcommunicate→communication(伝達)、operate→operation(操作・手術)、graduate→graduation(卒業)等も”-ate+-ion”の組み合わせです。
“delegation”の意味と語源・覚え方のまとめ
以下、”delegation”の意味と覚え方についてのまとめです。
⇒コアイメージは「自分の手元から切り離して、相手に送り任せること」
⇒”delegation”=「委任、権限委譲」「代表団、派遣団」の意味(”送り出すのが権限か・人か”で意味が分かれる)
●類義語の使い分け
⇒委任系! delegation=権限ごと委譲/assignment=仕事の割り当て/authorization=許可の付与
⇒代表団系! delegation=一般的な代表団/deputation=用件を帯びた陳情団/mission=任務を帯びた使節団
●文法ポイント① 「委任」は不可算(無冠詞)/「代表団」は可算(a delegation)で見分ける
●文法ポイント② 動詞delegate(デリゲイト)と名詞delegate(デリゲット)は発音が変化する「名前動後」型
●文法ポイント③ 頻出フレーズ”delegation of authority(権限の委譲)”をフレーズごと覚える
ぜひ今回の方法を参考に、たくさんの英単語を効率よくマスターしていきましょう!最後までお読みいただきありがとうございました!
他の単語もぜひご確認いただければ幸いです!