実はこの単語、「wan-(欠けている)」+「-t(接尾辞)」という2つのパーツから成り立っています。
コアイメージは「何かが欠けていて空っぽの状態」なんですよ!そこから「欲しい」や「欠乏」という意味が生まれています。
”want”の意味とコアイメージ:根底にあるのは「何かが欠けていて空っぽの状態」
”want(発音:wɑ́nt/ワント【動詞・名詞】)”は、動詞で「欲しい、〜したい」、名詞で「欠乏、困窮、必要」という意味を持つ単語です。
学校では単純に「欲しい」と習いますが、語源的なコアイメージは「何かが欠けていて空っぽの状態」です。
その穴を何かで埋めたいと強く願う主観的な心が「欲しい」であり、物理的に物資やお金が足りていない状態そのものが「欠乏・困窮」になるわけですね!
”want”は、「主観的にどうしても手に入れたい!」という強い欲求のニュアンスを含みます。客観的な必要性というよりは、本能的・感情的な「〜したい」を表すのが特徴です。
このように「自分に足りないものを求める」という意味の広がりから、日常会話の「〜したい(want to do)」だけでなく、ビジネスやニュースで「人手不足(for want of hands)」のように「欠乏・不足」の名詞としても広く使用されます。
「欲しい(動詞)」と「欠乏(名詞)」の基本例文
【動詞:〜が欲しい】
・I want something cold to drink.
(何か冷たい飲み物が欲しい。)
・Do you want another cup of coffee?
(コーヒーをもう一杯いかがですか?)【名詞:欠乏・困窮・不足】
・She died for want of medical care.
(彼女は医療ケアの欠乏[不足]のために亡くなった。)
・The project failed for want of funds.
(そのプロジェクトは資金不足のために失敗した。)※参考・一部例文引用「南出康世(2014), ジーニアス英和辞典 第5版、大修館書店」
”want”の重要文法・語法:実戦で絶対に外せない4つのパターン

”want”は単に後ろに名詞を置くだけでなく、後ろに続く形によって様々な意味を表します。TOEICや英検、日常会話でも超頻出の4つのパターンを押さえましょう!
1. want to do(〜したい)
最も馴染みのある形で、自分の願望をストレートに表現します。より丁寧な表現にしたい場合は would like to do を使います。
・I want to travel around the world someday.
(いつか世界中を旅したい。)
・I want to know the truth.
(私は真実を知りたい。)
2. want A to do(Aに〜してほしい)
Aという人物に対して「〜する行動に向かってほしい(to)」と強く望んでいるイメージです。直接的な表現なので、目上の人に対して使うと命令っぽく聞こえることがあるため注意が必要です(その場合は I would like you to do を使います)。
・I want you to clean your room right now.
(あなたに今すぐ部屋を掃除してほしい。)
・My parents want me to study abroad.
(両親は私に留学してほしいと思っている。)
3. want A done(Aを〜してしまいたい / 〜してもらいたい)
後ろに過去分詞(done)を置くことで、「Aが〜された状態を欲する」という意味になります。仕事などを終わらせたい時や、他人に何かをしてもらう時に便利です。
・I want this work finished by tomorrow.
(明日までにこの仕事を終わらせてしまいたい。)
・I want my hair cut.
(髪を切ってもらいたい。)
4. want doing(〜される必要がある)【重要・発展】
”want + doing(動名詞)”の形をとると、なんと受動的な意味(=need to be done「〜される必要がある」)になります。主にイギリス英語の口語表現で非常によく使われる重要文法です。主語には主に「物」が来ます。
・This car wants washing.
(この車は洗車される必要がある[洗車が必要だ]。)
・Your shoes want repairing.
(あなたの靴は修理する必要があるね。)
ニュアンスの違いで劇的変化!”want”の類義語との正しい使い分け

①「欲しい・必要」を意味する単語の使い分け:”want / need / wish”
日常会話でよく混同される”need”や”wish”との違いを整理します。
⇒「欲しい・必要とする」を意味する表現の違い
一言でまとめると、以下のような違いがあります!
want ⇒「感情的に欲しい」=主観的な強い欲求(本能的)
need ⇒「論理的に必要」=無くては困る客観的な必要性
wish ⇒「願望する」=実現可能性の低いフォーマルな願い
実際のフレーズでニュアンスを比べてみましょう。
● I want water.
「水が欲しい!」
⇒ 喉がカラカラで、感情のままに「手に入れたい」と強く求めている主観的なイメージ。
● I need water.
「水が必要だ。」
⇒ 生き延びるために生理的に不可欠。それが無いと生命維持ができない客観的な必要性のイメージ。
● I wish for water.
「水があればいいのになぁ。」
⇒ 周りに水が全くなく、手に入る見込みが薄い状況で、奇跡を祈るようなイメージ。
②「欠乏・不足」を意味する単語の使い分け:”want / lack / shortage”
⇒「足りない」を意味する表現の違い
それぞれのニュアンスの違いはこちらです!
want ⇒「必要なものが無い」=困窮や不足(やや古風・文脈的)
lack ⇒「完全に欠けている」=本来あるべきものが存在しない事実
shortage ⇒「量が足りない」=需要に対して供給が不足している
● for want of advice
「助言がなかったために」
⇒ 必要なサポートが欠けていたせいで、不都合や困窮が生じているニュアンス。
● lack of experience
「経験の不足」
⇒ 経験がゼロに近い、または基準より決定的に「足りていない」という客観的な事実。
● water shortage
「水不足」
⇒ 必要とされる量(需要)に対して、供給量が一時的に下回って困っているイメージ。
”want”の語源は古ノルド語「vanta」!もともとは「スカスカな状態」だった?

単語の歴史を知ると、なぜ「欲しい」と「欠乏」という一見異なる意味を持つのかがハッキリ分かります。
”want”の語源は古ノルド語(昔の北欧の言葉)の「vanta」にあります。
オンラインの有名英英辞典サイト「Dictionary.com」には、”want”の起源について以下のように記載されています。
Origin of want
First recorded in 1150–1200; Middle English wante, from Old Norse vanta “to lack”日本語訳:1150年〜1200年に初めて記録された。中期英語のwanteから来ており、それは古ノルド語のvanta(=欠乏している、足りない)に由来する。
※参考・引用「Dictionary.com」
この歴史からも分かるように、”want”はもともと「欲しくてたまらない」という感情ではなく、「スカスカで中身が足りない状態」を指す言葉でした。
● 古ノルド語:vanta(欠乏している、足りない)
↓
● 中期英語:wante(欠乏、不足している状態)
↓
● 現代英語:「足りない穴があるから、そこを埋めるために『欲しい』」という意味へ進化!
昔の英語の感覚では、「水がwantしている」と言うと「水が不足している」という意味だったんですよ。これが時代を経て、不足を埋めたいという「欲求」の意味が主役になっていったわけです!
構成パーツで芋づる式に覚える!「wan-」+「-t」の秘密

最後に、構成パーツ(語根と接尾辞)に分解して、他の単語にも応用できる知識を身につけましょう!
”want”は「wan-(欠けている)」+「-t(接尾辞)」の2つのパーツに分解できます。
パーツ①:”wan-” は「欠けている、空っぽの」を意味する語根
”wan-”は「欠けている、空っぽの」というイメージを持つ重要なパーツです。
他にも、以下のような単語が同じルーツ(印欧祖語の *eue-「空っぽの」)を持っています。まとめて覚えると語彙力が爆発的にアップしますよ!
- vanish(消え去って空になる ⇒ 消滅する)
- waste(空っぽにする ⇒ 無駄にする、荒廃させる)
- vacant(空いている ⇒ 空席の、うつろな)
パーツ②:”-t” は名詞や動詞の形を作る接尾辞
”-t”は単語の末尾にくっついて、名詞や動詞としての形を整える役割を持つパーツです。
同じように、動詞の後ろに「-t」がついて名詞になった仲間たちを紹介します。
- gift(give「与える」の名詞形 = 贈り物)
- theft(thieve「盗む」の名詞形 = 窃盗)
- weight(weigh「重さがある」の名詞形 = 重さ)
【まとめ】英単語”want”のコアイメージと使い方

今回解説した”want”のポイントを振り返りましょう!
・「wan-(欠けている)」+「-t(接尾辞)」で構成。
・コアイメージは「何かが欠けていて空っぽの状態」。
・ここから動詞「欲しい」、名詞「欠乏・不足」の意味に展開。
② 絶対に外せない重要文法
・want to do(〜したい)
・want A to do(Aに〜してほしい)
・want A done(Aを〜してもらいたい)
・want doing(〜される必要がある ※イギリス口語)
③ 類義語との使い分け
・wantは「主観的・感情的な欲求」、needは「客観的な必要性」、wishは「実現性の低い願い」。
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